2007年 09月 14日
・で、前項で資料関連については色々書いたので、新たに立てたこっちはもう単刀直入に妄想度全開で行こうかと思います。 さて、前回は軍の研究機関としてのサナリィと、私企業としてのサナリィが両論併記されていた、と書きましたがこれをそのまま採用するのが一番いいのかな、とか思います。 つまり、サナリィと同じ名で呼ばれる、二つの異なる組織が存在した、ということですね。そう考えるとすっきりする、っていうかもうそれしかないんじゃないかと。 ・まず、この妄想の前提として連邦軍に買収された古参企業の内、戦略戦術研究所となったものはその企業の研究開発部門だけであり、生産部門は切り離されてそのまま企業体として存続したのではないか、ということになります。 軍は自前の工廠を幾つも持っている訳ですし、買収されたものが『戦略戦術研究所』という名前を与えられたのだとすれば、そこには生産部門はないとする方が自然ではないかと思います。 とすれば、残された生産部門が企業として存続していてもそれほどおかしくはないのではないでしょうか-あくまでもこの設定の文脈の中でのみ、ですが。 この存続した企業がその後も継続してコロニー公社からの受注を受け、大規模構造物や民生用の機動機器の製造を行っていた、ということであり。かつ、過去の経緯から、MSをOEMするだけの技術と設備は保有していたものの、そうした機動兵器には手をつけていなかった、ということになります。 ・一方、軍に買収された研究開発部門は戦略戦術研究所なる名前を与えられ、当時としては未知の分野であった宇宙空間における戦略兵器の研究やコロニー内における戦術など、より大局的な見地からの軍事戦略ドクトリンを研究していたものと考えられます。 私企業が買収された理由としては、コロニーという巨大な建造物に対する知識が連邦軍において圧倒的に不足していたことから、これに対する詳細な知識と情報とノウハウを持っていたであろう企業に白羽の矢が立ったのではないかと推測されます。 コロニーとそれが浮かぶ宇宙空間が主たる戦場になることは自明の理であり、それに対応した戦略戦術を考案する為には多数のスペシャリストが必要だった、ということなのでしょう。 加えてそうした研究内容から、連邦軍首脳部に対する諮問機関としての役割も果たして来たのでしょう。だからこそ、年表上では“諮問機関”として扱われている訳です。 これは海軍戦略研究所として再編された後も変わらなかったもので、現にU.C.0102年には連邦軍に対しMSの小型化を提案しています。これが連邦軍からの要求に応えたものであるのは明白です。 ・で、更なる妄想として企業として存続した団体の名をサナリー(Sanary)とします。これは一旦は軍の買収工作によって解体された古参企業の名をそのまま使用しているものです。 サナリーはサイド4に本拠地を置いており、そこで様々な民生品を開発・販売していました。大規模構造物や機動機器ということですから、おそらくは民間の大型宇宙船やプチ・MS、モビルポッド等を開発していたのではないかと思います。 開発していないのは純粋な兵器類だけで、MSや軍艦等の開発、生産に必要な下地は既に持っていたということなのでしょう。 それはさておき。戦略戦術研究所はU.C.0093年09月に海軍戦略研究所(S.N.R.I.)として再編されるのですが、これが少々変な名のつけられ方ではないかと思われます。 海軍配下の戦略を取り扱う研究所であるなら-現に日本語としてはそうなっています-N.S.R.I.が妥当ではないかと思います。ここで敢えて並び順を変えたのは、そうすることでサナリィと読ませられるようになる、という意図があったからではないでしょうか。 つまり、過去の経緯を知る上層部が敢えて前身である企業と同じ名前になるように仕組んだのですね。思うに、再編当初は職員もS.N.R.I.と呼んでいたのでしょうが、誰かが冗談でサナリィと呼び始めたものが広がり、受け入れられて仕舞いには正式名称として定着してしまったのではないかと推測します(『サナリィ』になったのは登録商標上の区別の為)。 ・そうこうしている内にサナリィが提言したMSの小型化の実用化をサナリー社が担当することになり、それまでも水面下では密接な関係にあった両者はもう不可分の関係になってしまった-これが現在までに至る混乱の元であったのでしょう。 同じサイド4に本部や本社があったことも、この両者が混同されたことの一因であったと思われます-だからこそ、前述のような悪ふざけも行われたのだと言われていますが、定かではありません。 上記のような理由から、軍の研究機関である「サナリィ」と、民間の機動機器開発企業たる「サナリー」が混同され、あたかも両者が一つのものであるかのような記述が罷り通るようになってしまった訳です-そこでは、「サナリィ」の大本となった民間企業の名すら忘れ去られているのですから。 厳密に考えれば、軍の研究機関であるならコロニー公社の依頼によって機動兵器の開発をしたり、中立を保ったりする筈もない訳です。しかしながら、民間企業であるとするならそれも肯けます。 そして今では「サナリー」も「サナリィ」の違いもなくなり、政治の腐敗が進んだことで軍の研究機関と民間企業の蜜月を指摘する声もほぼ、なくなってしまいました。こうしてサナリィは軍事兵器の分野においても、AE社に優るとも劣らない一大勢力となって現在に至る、という訳です。
by shunichiro0083
| 2007-09-14 01:17
| コミック
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