2005年 09月 09日
・この場合の“地球連合”とは「世界安全保障条約に加盟した国々から成る国際組織」ということになります。オフィシャルな解釈ではないので念の為。 ・データコレクション(上)やC.E.公式年表によると、70年に起きた「コペルニクスの悲劇」なる爆弾テロによって事務総長をはじめとする国連-国際連合首脳部が死亡したことにより、国連は事実上崩壊。 その直後、プラント理事国の一つであった大西洋連邦の主導によって“地球連合”が組織された、ということになっています。これはプラント理事国が中心となって結成されたもので、その当時は非プラント理事国の殆どが加盟していないというものです(この図式はブレイク・ザ・ワールド事件によって大きく崩れ、地上の国家全てが条約に調印した結果、連合は地球-ひいてはナチュラルを代表する組織となります)。 こうした経緯から推測出来るように、連合とはプラント=コーディネイター勢力に対する軍事同盟という色彩が濃いものでした。建前は人類社会の平和と安全の維持、とやらなのでしょうが国防産業連合-ブルーコスモスの過度なまでの影響力を考えると、やはり実際にはコーディネイター排斥の為の軍事同盟であったと言えそうです。 ・こうした事情から、地球連合軍は各加盟国の軍隊の寄せ集めであるものの、制服やパイロットスーツが統一されていること等を考えると、一端国軍の指揮下を離れて連合軍本部に所属する形を取っているものと思われます。 画面を見ても、艦艇や航空機などの主だった兵器は塗装の差すらなく各国同一のものを使っているようです。これは現在でもNATOに見られるような、国際共同開発が極度に推し進められた結果と見るべきなのではないでしょうか。そう考えると、実際には連合発足前からプラント理事国間における強固な軍事協力体制は出来上がっていたとということになるのではないかと思います。 そうした体制が既に出来上がっていたからこそ、2/5に起きた「コペルニクスの悲劇」の直後(2/7)に大西洋連邦が“地球連合”設立を宣言し、2/11にはプラントに対して宣戦布告も可能であったのでしょう。 ただ、この頃は連合もコーディネイター絶滅を目論んでいたのではなく、単に優れた研究開発及び生産拠点であるプラントを支配下に置こうというものであったと思います。それが狂ってしまったのはブルーコスモスの陰謀によって核が撃たれ、多くのプラント市民の命が奪われた「血のバレンタイン」と、それに端を発する「エイプリール・フール・クライシス-Nジャマーによる地上の深刻なエネルギー危機」でしょう。 これによって互いに対する憎しみを煽らされた連合とプラントは、ブルーコスモスの筋書き通りに殲滅戦への道を歩むこととなります。 ・兎にも角にも人類滅亡という最悪の事態だけは免れた訳ですが、だからと言って一足飛びに世界が明るい方向に向かっていったのでもなかったのは「種運」で描かれた通りです。 そうした中、先の戦争から再び戦端が開かれる迄の2年間でブルーコスモスの連合に対する支配力は更に強まっていたようで、画面からは事実上の連合軍最高指揮官はジブリールであるとしか思えません。 とまれ、「ブレイク・ザ・ワールド事件」をきっかけに世界は再び戦乱と混迷の時代となり、大規模な戦闘こそ少ないものの地球・宇宙を問わず連合とザフトの小競り合いが続くこととなります。 この時、連合は地球の総意としてプラントをならず者国家として非難し、その解体と隷属を求めています。が、これを受け入れるということは、良くてかっての植民地時代の再来であり、おそらくはそれ以下の扱いを受けるであろうことは想像に難くありません。逆を言えば、連合はプラントが受け入れないであろう要求を突きつけることで、武力介入への道を開こうとしたのでしょう。 これは国家間の交渉と考えるとお粗末に過ぎるのですが、問題の本質が人種差別問題にあると考えれば納得の行くものでもあります。 しかしながら連合とザフトの戦力は拮抗しているか、さもなくばザフトの方が優勢であったことはその後の展開によって明らかになった所です。連合の情報収集と分析に難あり、ということなのでしょうが、上記の通りこの戦争を仕掛ける意味が「大義」ではなく、人種差別という「感情」に根ざすものであるならそれも致し方のないことなのでしょう。 ・その後連合上層部が軍産複合体-ロゴスと癒着していたことが議長の口から公表され、ブルーコスモスとの後暗い蜜月関係をも暴露されるに至って連合は急速にその力を失っていったように見えます。 連合加盟の各国は条約を破棄して、新たにプラントと同盟を結んだのか。さもなくば、連合内のタカ派の急先鋒であったろう大西洋連合の親ロゴス政権が打倒された結果、連合そのものの性格が変わって、プラントと共存の政策に転換したのか-個人的には両方ではないかと思っております。 「種運」の情勢ではどうやら大西洋連邦と覇権争いをしていたユーラシア連邦がその勢力を大きく後退させているらしいので、連合の舵取りは主要国の合議制ではなく大西洋連邦によるものとなってしまっているのかな、と思います。そうした状況下で連邦の国策が変化したのなら、必然的に連合の政策も変わってしまうのではないですかね。 その結果が、地球各国の国軍がザフト・ジブラルタル基地に集結しているあのシーンなのではないでしょうか。そして、そうした情勢の変化を是と出来ない主義者達が国家を離れ、ロゴス-ブルーコスモスによって新たな軍事組織を立ち上げ、プラントと戦闘を継続したのがヘブンズゲートやダイダロス基地における戦闘の位置付けなのではないかと思います。 そういう風に考えるなら、もしったとえ月基地に大西洋連邦大統領がいたとしても、議長にテロリスト認定されても仕方のないことだったのではないかと思います-まあ、どうやって地上を脱出したのか、という問題もない訳ではありませんが・・・。 また、ザフトによってオーブ本土が攻撃を受けたのはセイラン親子が国際情勢を見誤り、条約を破棄して連合から脱退していなかったから、とも考えられるのかな、とも。 ・しかし、まあ、ロゴス-ブルーコスモスが解体され、ジブリールも死んだことで今後連合が戦争の当事者として出て来ることはまず、ないのではないかと思います。 確かにブルーコスモスというのは主義者ですから、そういう意識の根絶は難しいでしょう。それでも、あんな風に武力でコーディネイターを死滅させる、などという恐ろしい軍隊はもう出て来ないのではないかと思います-少なくとも「種運」では。 もし、三作目があるとしたら、新たな天使に率いられて華麗なる復活を遂げるのかもしれませんが・・・。
by shunichiro0083
| 2005-09-09 12:45
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