2005年 08月 08日
・ハイパーデュートリオンとはご承知の通り、ディステニーに搭載された新型動力源の名称であります。 現在分かっている情報ではデュートリオンと核動力のハイブリッドとされており、最初からユニウス条約を無視して開発が進められていたことくらいで、詳しい作動原理等は判明しておりません。 また、レジェンドや打撃自由・無限正義にも同じく新型エンジンが搭載されている、というアナウンスはあるものの、それがこのハイパーデュートリオンかどうかは定かではありません。確定しているのはデスティニーだけです。 ・この設定が公表されて、2chの考証スレでは核エンジンによる電力の安定供給と、デュートリオンによる一時的な出力増強を組み合わせたハイブリッドではないのか、という意見が支配的でした。 真っ当に考えるなら、これが妥当であると僕も思います。 しかしながらPHASE-42でデスティニーはエネルギー不足に陥ったのではないか、と思わせる描写がありました。「POWER INDUCATOR-これはINDICATORの誤りと思われます-」のレベルがレッドゾーンに入り、ALERTが点灯していたのです。 加えて、“PRIMARY”と“SECONDARY”の二つの「HYPER CAPACITOR」もかなり低位を示していました。こうしたことから考えるに、デスティニーは本当にあの時エネルギー切れになっていたのではないかと思われます。ちなみに“CAPACITOR”とはコンデンサー=蓄電器のことです。 こうしたことからデスティニーはハイパーデュートリオンによる発電の他に、二つの大容量コンデンサーを保有していることが分かります。そしてそれら全てが-おそらくは-活動限界ぎりぎりの低位となってしまっていたのです。 ハイパーデュートリオンよりも出力の低い核エンジンでさえ、自由や正義はほぼ無尽蔵の電力を得ていました。また、デスティニーと激しい戦闘を繰り広げた打撃自由はエネルギー切れを起こしているようには見えません。 では、核エンジンよりも数倍の出力を持ちながら、燃料切れが著しく早いハイパーデュートリオンとはどういうシステムなのでしょうか? ・まず、ハイブリッドの一方である核動力がユニウス条約違反である以上、それはNJキャンセラーを用いた核エンジンであることはほぼ確定だと思われます。従来型デュートリオンも、ペタトロン反応を用いている、という意味で問題ないでしょう。 ならば何故、核エンジンを用いていながらエネルギー切れを起こしてしまうのか。それはおそらく、デュートリオンビームが外部から供給されるのではなく、内部で生成しているが故に限られるのではないか、ということであります。 第一の推測として、ペタトロン反応を起こすだけのデュートリオンビームを発生させるには膨大な電力が必要とされるのではないか、ということ。だからこそ、デュートリオンビームは専用の艦船からしか照射出来ないのではないか。ハイパーデュートリオンの核エンジンとは、これを発生させる為の動力源という側面も持つのではないだろうか。 第二としては、ペタトロン反応による発電は瞬間的な電力量は核エンジンを上回るものの、デスティニーの持続的なエネルギー源としては不向きなのではないか、ということ。デスティニーの武装は高エネルギー砲やアロンダイトなど、高出力を必要とする武器が殆どである。その為、瞬間的な出力を確保する必要性から、単なる核エンジンではなくハイパーデュートリオンが必要となったのではないだろうか。 無論、インパルス級のMSの動力源としてならデュートリオンでも充分問題はないのだろうが、デスティニーのように強化された兵装を何種類も同時に稼動させるとなると出力不足になるのはデスティニーシルエットの開発断念からも窺い知れる。 つまり、核エンジンが単なる駆動用としてだけではなく、デュートリオンビーム発生器のバッテリーとしても使用されることで、自由のそれと比べて燃料消費量が格段に増量してしまったのではないか、ということです。 デスティニーは個性的な武器のみならず、光の翼の展開やミラージュコロイドを応用した分身の投影という機能を持ちますが、それを作動させる為に電装系もインパルスや自由に比べてかなりの電力消費があることが予想されます。こうした二重の負荷がかかることで、デスティニーの核エンジンには従来からは考えられぬ程の発電を余儀なくされているのではないか。それ故に、燃料切れを起こしてしまったのではないか、という推測です。 ・その一方、通常、核エンジンとは一度稼動すれば長期間燃料を無補給で稼動することが出来るものです。だから、この場合も核エンジンの燃料が切れたとは本来なら考えにくい。そうなると、デュートリオンの燃料とも言うべきペタトロンが先になくなったと考える方が自然な訳です。 これは未確認情報ですが、デスティニーシルエットの運用試験では一回の模擬戦闘で三度のデュートリオンビーム照射が必要になったと言われています({MSV」より)。そこから類推するにアカツキ・ムラサメ混合部隊とやり合い、その直後に打撃自由と熾烈な戦いを行ったデスティニーが消費したペタトロンは想像以上の量だったのかもしれません。 M2000GX 高エネルギー長射程ビーム砲を二回撃ち、アロンダイトでの切り結びもアカツキ、ムラサメ部隊、打撃自由に行っている。光の翼の展開に、ミラージュコロイドによる分身形成。おまけに、クスィフィアス3レールガンの直撃をPS装甲で受け止め、連結ビームライフルの一撃をビームシールドで防御しています。通常の戦闘では、ここまで熾烈なものを想定していなかった、という開発側の良い訳は通りそうなくらいです。 本来、設計段階で出された戦術状況ならば、充分に対応出来るのだ、ということなのでしょう。だからデッドウエイトにもなりかねない、デュートリオンビームの受容器は取り付けられなかったのかもしれません。 ・なので、今回のエネルギー切れはこれら二つの要因が重なったことによるものではないかと思われます。つまりデスティニーとは敢えて区分するなら、比較的活動時間の短い強襲用MSではないのか、ということにもなります。 宇宙世紀のMSで言うなら、MSZ-010・ZZガンダムのようなものなのかもしれません。 ・まあ、色々書いて来ましたがこうして考えると、デスティニーのハイパーデュートリオンと打撃自由や無限正義の新型エンジンというのは実は別物なのではないか、という疑惑が生じてきます。 PHASE-41でほぼ似たような武装を用いて戦いつつも、片やエネルギー切れで帰艦を余儀なくされ、もう一方は更に戦闘を続行しています。こうした所から、デスティニーと打撃自由のエネルギー量の差はかなり大きいと言わざるを得ないでしょう。 ・取り敢えず、インパルス(やストライク)に搭載されるバッテリーでも、それぞれ単体の能力しか持たないものなら充分に運用出来るのは明らかです。その三種を一つにまとめると要求される消費電力が飛躍的に増大し、既存のバッテリーでは賄いきれなくなる訳です-それでもストライクのIWSPはパワーパックの開発で凌いでいるのですが。 デスティニーシルエットの場合は主に高エネルギー砲とアロンダイトが既存のシルエットのケルベロスやエクスカリバーと比べて消費電力が大きく、それ故にパワーパックの追加程度では追いつかなかったのでしょう。 ・そう言えば、前作の「種」では核動力を積んだ自由や正義の専用母艦としてエターナルが登場したのでした。既存の艦種では出来ない、核エンジンの整備機材などの特殊な装備を持っている、という設定で。 しかしながら、今回の話では普通にミネルバで対応出来てしまっているようです。視聴者の知らない間に専用の機材が搬入されたのか。それとも、ハイパーデュートリオンはそんなものは必要なく、通常の機材で事足りるのか。ひょっとして、ミネルバには最初から核エンジン整備用の機材が積み込まれていたのか-よく分かりません。 ・まあ、色々書いて来ましたが、次回「反撃の声」で長々と戦闘を繰り広げてくれるなら、全ては演出上のご都合、ということになるのでしょうね-せめて、ミサイル等の弾薬の補給にしてくれればこんなへんちくりんにはならなくても済んだのですが。
by shunichiro0083
| 2005-08-08 13:24
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