2005年 04月 03日
・ハイネよさらば、FAITHの若武者・・・みたいなアバンタイトルの後、ミネルバはマルマラ海はポートタルキウスに寄港しています。 まあ、先週から言われていたことではありましたが、ミネルバクルーにも戦死者が出てしまったようです。当然といえば当然な訳ですが、スタッフがこうした描写で何を表現したいのかがちょっと分からない部分ですね。 キラと言えば不殺、というくらいその理念は有名というか、一人歩きを始めている観が強いのですが、この描写によって「非戦」という本作のテーマに肉薄出来るかは正直まだ疑問です。 無論、「不殺」と「非戦」は全く関係のないものですから、あの戦闘に意味などないのかもしれないのですが。ただ、それならば戦争に反対する、とか、オーブの理念云々という部分にまでキラに踏み込ませる理由もないのではないかな、と。 シンが憤るのも分かります。が、アークエンジェルとオーブは別物なのだということも理解しないといけませんねえ。ユウナの台詞、聴いてなかったんでしょうか。 ・かくして、アスランはミネルバを離れ、一人アークエンジェル探索の任務に就きます。しかし、母艦を離れて単独行動が可能だということはやはり、セイバーは長距離航行が可能な特殊なMSである、ということになりそうです。どちらかというと、単独での特殊任務に就くことを前提にして設計された、アッシュに似た性格の機体なのかもしれませんなあ。 それはさておき。アスランの単独行動の理由も今ひとつパッとしません。前回の戦いでアークエンジェルをはじめとするラクス派は連合・プラント双方を敵に回した存在であったことを知っているアスランなら、今回の介入も何ら驚くには値しないと思うのですが。 まして、アスランはカガリがオーブの理念が現実に押し潰されそうになり、苦悩していたのを知っていた筈。そして、カガリの無鉄砲で、何をしでかすか分からない鉄砲玉なおてんばぶりも。ならば、ああいう行動に出たとしても納得のいく所ではないのですかね。 我々視聴者が「種運」のカガリに納得のいかなかった部分というのは、回が追うにつれて代表首長の重責に負け。また、過去の父・アズミの失政をなじられてしまったが故に、本来の奔放さを失ってしまっていた所なのではないかと思うのですがね。 単身、ヘリオポリスに渡ったと思えば、今度はアフリカ大陸でゲリラ活動に身を投じ。連合の戦艦に乗り込んで戦闘機パイロットになったり、敵パイロットと一時をともにした挙句にガンダム乗りになって種まで割ってしまうという、そういう無茶苦茶なのがカガリの良さだったと、僕は勝手に思っているので。 だからあそこで、恋人のアスランがカガリを信じられなかったのはあんまりと言えば、あんまりなのではないかという気がします-で、このあんまりなのは後半で不幸にも結実してしまう訳です。 ・そんなこんなでミネルバを離れたアスランは(おそらく)タルキウスの港町でミリアリアとばったり会い、アークエンジェルと繋ぎを取ることに成功します。この後のアークエンジェルクルーの話を聞く限りでは、ミリアリアはアークエンジェルと正式に連絡を取る方法を知っているようです。が、そういうのを唐突に出しちゃうから駄目なような気がします。こういうのは伏線として処理しておくべきではないでしょうかね。前の情報収集のシーンとか、あったのですから。 伏線がないといえば、アスランの動向を監視しているルナマリアも何だかなあ、という感じです。その行為そのものはグッジョブッ! なのですが、なんでルナマリアをタリア艦長が呼んでるとか、そういうカットを入れないんでしょう。画面から見えない部分があるのは当然ですし、全てを合理的に説明しろとまでは言いませんが、それにしてももう少しやり方があると思います。 ・かくして、夕日の遺跡で合流するアスラン・キラ・カガリ・ミリアリアの旧作メンバーと、それを集音マイク片手に岩場の陰から覗く出歯亀ルナマリア。 ここでもアスランはあんまり、自分の変節の理由を詳しく語ろうとはしません。そうするのが一番良いと思ったと、それだけ。それにしてもあのタイミングでカガリをほったらかしにしておきながら、条約に加盟したのが悪いとカガリを責めるアスランは格好悪いの一言です。 確かに、カガリ一人に重責を担わせていたのはアスランに限ったことではない、というのが僕の持論でして。繰り返しになりますが、幾らそういう公的な立場にいるのがアスラン(しかも、身分は単なるボディガード)しかいなかったとは言え、プライベートな部分でカガリの相談に乗ったり、助言するくらのことはいくらでも出来た筈ですよ。アークエンジェルの旧クルー達は。 けど、アスランがそれを言ってはいけない。何故なら、アスランも一番カガリが自分を助けて欲しかったであろう時に、助けてあげなかったのだから。僕はやっぱり、アスランはあのタイミングでプラントに渡るべきではなかったと思います。オーブが連合に与してしまったと責めるのなら。それをカガリ一人の責任だと言うのなら。そんな情けないことを言うくらいなら、アスランはプラントに渡るべきではなかったと、やっぱり思うのです。 セイラン家に立ち向かうのは無理かもしれないけれど、カガリを支えてやるだけのことをやってからプラントに渡っていたのなら、キラもその変節をこうまでは責めなかったと思うのです-ラクス襲撃事件は別問題でしょうが。 なので、そういう部分を蔑ろにしていたのを棚に上げて、カガリを糾弾したり無意味に弁護したりする「種運」のアークエンジェルクルーは僕はあんまり好きになれません。 ・一方、シンとレイは噂の軍事施設に二人っきりで乗り込むことになります。奇妙なのは、どうやらこれはレイがプラント本国から受けた指令であるようなのに、何故か表立った説明では近隣住民からのタレコミになっていること。 そして、これをタリア艦長に上申したレイが一方的な態度を見せていること。正直、アスランよりレイの方がよっぽどFAITHらしく見えましたよ。 しかし、一番驚いたのはインパルスと一緒にレイのザクファントムがグゥルに乗っかって空を飛んでいたことでしょう。ええ。 なんで戦闘中に飛んでいないMSがたかが探索任務で空飛んでるんダヨ?! という心境です。これは僕が設定厨なのを差し引いても、かなり驚くべき描写だったと思います。何せ、これ一つでこれまでの洋上戦闘が全て覆されてしまいかねないのですからね。 よしんば、カーペンタリアにはなくて、マハムールorディオキアでの補給の際に受領したにせよ、前回の戦闘では使用していないという言い訳にはならないと思います。いやあ、なんかすげえ御〇〇主義のような気がしますです、ハイ。 ・ハイネさんの死亡シーン、二回で済みました。しかし、次回以降も出て来るんだろうなあ。なんか、素直に冥福を祈らせてあげて欲しいと思う今日この頃。 ・アークエンジェルに温泉があるという噂は聞いていましたが、まさか本当にあるとはねえ・・・。 どうでもいいけどアレって、無重力空間でも使用出来るんでしょうか? 激しく謎なんですが。 ・虎さん、きつねうどん食べてましたね。やっぱ、オーブは日本文化を継承しているのでしょうか? ・ミリアリア、ディアッカの名前を出されたら著しく不機嫌になっていましたね。空白の2年間、あの二人に一体何があったんでしょうか? やっぱ、いきなりディアッカがプロポーズして、まだ家庭に入りたくなかったミリアリアがこれを拒んで、そのまま喧嘩別れしてしまった-とか。けど、ことと次第によってはやけぼっくりに火が点きそうですけどね。 ・で、今回の引きは謎の施設に潜入し、その設備を見た途端苦しみ始めたレイと、緊迫するアスランとキラたち。なんか次回予告を見た限りでは、これら二つに何の決着も付かないままファントムペインとの戦闘に突入してしまいそうな予感がします。 トダカ一佐も再登場ですが、あれだけ前回撃墜されてしまった艦載機のムラサメは補充されたのでしょうか。意外と、モルゲンレーテのトップも実はロゴスの一員だったりして。そうなると、キラ達の行動も何気に、ロゴスの掌の上、ということになってしまうのですがね。 満足度=☆☆/2★★★(一個半:CMテロップ最後のユウナの寝姿にやられました。トダカ×ユウナ本希望)
by shunichiro0083
| 2005-04-03 12:48
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