2005年 01月 29日
・まあ、結局は特別編という名の総集編だった訳で。当たり前と言えば当たり前に過ぎるので、ここについてのコメントはスルー。 さて、意外だったのはアーモリーワンにおけるガンダム強奪が殆ど省略されていたこと。これは今回の特別編が見ていない人を対象にしたのではない、という証明でしょうか。ユニウス条約締結から、一足飛びにユニウスセブン落としとそれによる再びの開戦に話が進んでしまいましたから。 そういう意味では、世界情勢が世界地図とともに映し出されたのは良かったです。 それにしても、中立国がオーブしかなかった、っていうのが凄い。ということは、今「コミック版アストレイ」で展開している南アメリカの独立の騒ぎも、結局は鎮圧されて終わっていたということになります。 僕としてはユニウス条約締結後の地球は大半の国の連合加盟と、少数の中立国(旧親プラント国家)という色分けではないか、と思っていたので世界が連合とプラントの領地、そしてオーブという体制になっていたのはもの凄く意外というか、驚きでした。 それは何故かと言うと、大西洋連邦からの侵略を受けたオーブは降伏勧告を受け入れ、その保護下に置かれた-と、データコレクション(下)にはあったからです(88頁)。そのオーブが再度の独立を許されたということは、それに対する国際的世論の反発でもなんでもいいのですが、連邦にそうすることによって保護下に置くよりも政治的メリットがあると判断されたからの筈。 そうなると、オーブ以外にも連合に加盟していない国があり、だからこそオーブは政治的判断-そういった国々に対する配慮-によって独立させられたのだ、と思っておりました。そうでなければ何故、少なくはないであろう犠牲を払ってまで自国の保護に置いたオーブに独立を許してしまうのか。 実際、連邦から独立したオーブは代表首長のカガリによって積極的な-言い換えるなら反連合的行動を行っていた筈。それはカガリがいくらお忍びとはいえ、プラントにまで出向いてトップ会談を行っていることから推測出来ます。と、言うか、そうでなければデュランダル議長も会いはしないでしょう。単なる連邦の可愛らしい傀儡に会う必要性など、誰も認めはしない筈です。 まあ、連邦がカガリの行動を十分、御しし得ると思っていたからこそ、オーブの独立を許したのは言うまでもないことでしょう。そうして類推するなら、セイラン家こそは連邦からお目付け役を課せられていたのであり、だからこそ“はじめに連合ありき”な考え方な訳です。 で、こうして明らかになった世界情勢を鑑みてみますと、「種運」の冒頭からカガリが執拗に叫んで来た理想論が、如何に現実を見ていなかったが判明してしまいました。 そして、ウズミと一概に比較出来ないことも。ウズミの時代にはまだ、親プラント派の国家や、実力者もいたのでしょう。それは南アメリカが連邦に武力併合されたという、年表の記事からも明らかです。 しかしながら、C.E.73年の地球には連合に全ての国家が加盟しており、中立を標榜する国はオーブ以外のどこにもありません。そして連合加盟国が力と数の論理でその歩調を合わせられることは、連合のプラントに対する宣戦布告の素早さからもはっきりしています。 そういう世界の中で、ただ単純に理想を叫んだ所で、誰からも相手にされないのは当たり前のことで。優れた施政者とは現実と理想の二つを眺めつつ、この両者の距離と溝を如何に縮め、埋めるかを考えて実行に移す者のことの筈。残念ながら、代表首長となったカガリにはこの辺の所が理解出来ていなかった様子です。ここいらは勉強不足もあるし、本人の資質という部分もあるよう。ウズミ様はカガリに帝王学を学ばせていなかった風ですが、せめて「君主論」くらいは読ませておくべきではなかったか。 ・まあ、そういう訳で今回の特別編の収穫はオーブを取り巻いていた世界情勢が判明したこと。この一点に尽きます。これが判れば、「種運」で不明瞭だった部分が結構、判ってきますから。 あ、あと、ナレーションは白鳥哲さんだった訳ですが、EDロールでは単純に「ナレーション」で、サイとしての独白ではなかったようです。 個人的にはミリアリアがカメラマンで、サイがフリーライター、というのを期待していたのですが。 ・・・と、ここまで書いておいて何なのですが、少し修正。画面で流れたあの条約前後の世界図はユニウス条約ではなく、世界安全保障条約とかいう同盟条約のことだったのですね。思い込みがあった為に、少し間違えてしまいました。取り敢えず、ユニウスセブン落着前まではオーブの他にも中立国はあったようです。 ただ、それでも南アメリカが連合に与して中立を守っていられなかったのは確かです。また、赤道周辺の国家群や北欧の中立国家が、ユニウスセブン落着を機に連邦を主体としている(であろう)開戦同盟に参加したことも明らかになりました。 ここから見えて来る部分としては、中立を維持したかったカガリが他国への働きかけをせず、また、そのチャンネルを持とうとしなかったことが挙げられるでしょう。と言うのは、プラントへ直接赴けるのなら、地続きの地球国家へはもっと容易く行けたであろうからです。幾らオーブの国是が中立であろうとも、単独での中立は不可能であることはアズハが生命がけで示した筈。 そういう意味でも、カガリは自身の理想のみに拘り、周囲へ目を向けることを怠った、という批判は甘んじて受けねばならないでしょう。 で、そうなるとオーブの独立も他の中立国へのカムフラージュという意味合いが強いようです。そうなると、やはりカガリ政権とは連邦の意思に従うセイラン家があっての傀儡政権であった、と考えるべきなのかもしれません。 あと、中立国の同盟への参加ですが、これにはユニウスセブンの被害が赤道を中心とした地域に集中している、ということと無縁ではないでしょう。地図を見て貰えば判る通り、殆どの中立国が赤道周辺に集中しているからです。こうなっては、国民感情を納得させる為にも、各国政府は条約に調印せざるを得ないでしょう。 こうなると、ユニウスセブンが大西洋連邦に大きな被害を与えなかったことと合わせて考えると、あの落着工作そのものに重大な疑惑が存在すると言わざるを得なくなって来ます。何故なら、結果的にあの悲劇はブルコス、コーディネイター双方の強硬派にこの上ない口実を与えているからです。落ちる場所が特定されていた-そう考えることはあながち間違いではないようにも、思えます。 それが出来るかどうかは兎も角、ユニウスセブンが安定軌道から外れ、地球へと落ちるタイミングには何らかの意図が働いていたと考えるべきなのではないでしょうか。 まあ、そんな神算鬼謀が立てられるのは夜神月(byデスノート)くらいのものかもしれませんが。 以上、敢えて恥を晒し、今後の自戒とすべく記事そのものの修正は行いません(1/29 24:20)。 満足度=☆☆★★★(二個)
by shunichiro0083
| 2005-01-29 19:25
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