2011年 10月 24日
・表題通り、「揚」について色々考えてみたいと思います。 ・取り敢えず3話まで終わった「揚」ですが、やはりここまで見ても筋が悪いというか、このAGとかいう世界が一体どのような世界で、何が起こっているのかが見えないというのはどうなのかなあ、と思う訳です。 具体的にはどうして14年間もUEに負け続けているのに、地球圏は制圧もされていなければ、人々の社会に不安なり危機感があるようには見えないのか。特に戦争を描くというのなら前者は致命的と言っても過言ではないでしょう。 どうもUEは一定のプログラムで戦術を機械的に行っている、ということが製作側の現段階での答えらしいですが、僕としてはそれではそもそも答えになっていないのではないかと考えます。 フリットの導き出した方程式がそれを証明するというのなら、学校云々ではなく、軍の作戦会議を設定することで地球圏の状況や戦況を視聴者に伝えることが出来たのではないかと。そして、その席にフリットを出席させることで、例の方程式を見せる意味も出て来るのではないですかね。 少々あざといかもしれませんが、それくらいしないとあの世界が本当に戦争をしているのかどうかが伝わらないのではないでしょうか。 ・1話でのフリットのガンダムに乗る一連のシーンが子供向けらしくていい、という意見もwebで見ましたがそれもどうなのでしょうね。 確かに過去のシリーズ作のように作れとも言いませんし、それらの方が良いとも盲目的には思いません。しかしながら、公式サイトでの説明ではこの時点でガンダムを動かすことが出来るのは主人公のみと断言されている訳です。 ならば、それを作中できちんと描写すればそれだけで少年がガンダムのパイロットとなることの説明にはなるのではないですかね-まあ、ラーガンを乗せようとする辺りで混乱してしまっているのですが。 「揚」でのガンダムを操縦出来るのはどうもデバイスとアスノ家の血筋が必要とのことですから、今後必要になるのは『では、どうしてそのように不合理なシステムが採用されているのか?』という疑問に対する明確な答えでしょうね。 これが「マジンガーZ」や「グレンダイザー」なら個人の資産なのだから、勝手に他人が使うことは出来ないってことになるんですが。「揚」の場合はどう見ても軍の予算で開発・製造が行われてますから、立派な公共財です。 アスノ家の持ち物ではない、というのは大きなポイントなのではないかと-こうして考えると他に適格者がいなかったからキラがパイロットを押しつけられた「種」や、そもそもパイロットとして正式に任命されている「種運」や「00」の方がこの辺りは真っ当なんですよね。 ・さて、そうなるとアスノ家というのも正直よく分かりませんね。どうやら歴史あるMS鍛冶の家柄らしいですが、それがなんなのかは全く提示されません。 想像するにFSSのマイスターとマイトみたいなものなのでしょうが、だからと言ってそれが一体この世界においてどのような地位にあるのかはよく分からないですね。まあ、基地司令のあのお爺ちゃんがわざわざ招聘した、とのことですからそれなりの社会的立場にはあるのでしょうが。 というか、例の伝説の絵画をフリットが見ていた場面ではかなり豪奢なお屋敷でしたし、執事もいるということも併せて考えるとアスノ家というのは相当の資産家だったのではないかと推測します。 しかしながら、フリットは身一つで老司令の元にやって来ている訳で、この辺りはどう解釈したものかと思いますね。住んでいたコロニーが襲撃されて灰燼に帰したということなのかもしれませんが、あれだけの屋敷を維持出来るのなら財産は別に屋敷だけ、ということでもないでしょう。 それとも、戦時のどさくさに紛れて親戚もしくは使用人に財産をかすめ取られて無一文になってしまったんですかねえ。本当によく分かりません。そもそも、あんな初めての出会いなんて入れなければよかったのに、とも思います。 てっきり、あの老司令はフリットの遠縁か何かで、戦災孤児となったフリットを憐れんで引き取ったのだとばかり思ってましたし。 ・ なお、wikiによれば >UE出現前まではモビルスーツは過去の存在とされていた ってことらしいですが、これについては真贋不明です。まあ『UEの出現に合わせて地球連邦軍が組織された』のは公式サイトの記述で間違いないと思われますから、逆に言えばそれまで地球連邦という政体には軍隊がなかったということでもあります。 軍がなければ兵器も存在しない訳ですから、そうして考えるとwikiの記述も間違ってはいないのかなあ、と思います。出来れば、これについては出典が知りたいところですね。 ・あのユリンとかいう謎の少女についてはまあ、NTっぽいなにかなんだろうなあとは思います。今のところはそれ以上でも、それ以下でもありませんね。 ・UEの謎の云々についても、これこそ今後の物語を見て行けばそれでいい訳ですが、問題はやはりその描かれ方ではないかと思います。上でも書きましたが、やはりUEの姿が見えて来ないから「揚」の物語はぼやけてしまっているのではないですかね。 曰く、コロニーは襲われないとか、それでいて連邦軍は14年間勝利したことがない、とか。どうにも散漫で、全然イメージが湧かないんですね。知人などは戦争とは言いつつも、散発的な戦闘が殆どのテロのようなものが繰り返されて来たのではないか、という解釈でしたがそれではちょっと弱いと思います。 もし、仮に地球侵略などの領土問題でUEが攻めて来ているのではないとしても、ならば何故、14年間という決して短くはない期間に戦力の逐次投入をしているのか。流石に14年間も交戦しているのですから、地球側もそれなりの情報収集をし、ある程度の結論は得ているのではないでしょうか。 無論、その謎が物語の縦軸ならば隠されるのは仕方のないことですが、だからと言って登場人物たちがこの不可解な敵について殆ど誰も疑問に思っていない、というのは大問題ではないかと思います。 仮にそれがフェイクやミスディレクションであったとしても、現段階で判明している部分を視聴者に対して開示するという行為は必要なのではないでしょうか。そしてそれが3話以降というのはちょっとどころではなく、大いに遅いと思うのです。 ・最後に。 人と話していて出た話題なのですが、仮にガンダムパイロットに必要な条件の一つに「アスノ家の血筋」があるのなら、フリットがエミリーやユリン、ミレースなどに限らず片っ端から手を出して子どもを産ませて適格者を増やす、という展開はありなのかなーとか。 その後の展開として、最強のガンダムパイロットを決定すべく最後の一人になるまで戦いを繰り広げる蠱毒のようなこともありなのか。 それとも、88体のガンダムパイロットになるべく世界各地の修行場に飛ばされるアスノ家の子どもたち(けど、私生児扱いなのでアスノは名乗れない)になってしまうのかなあ、とか。そんなことを考えてしまいました。 ・ってな感じでオチも何もないまま終わります。
by shunichiro0083
| 2011-10-24 16:15
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