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shunichiro0083のアイのダメヲタ日記-感想と推測と妄想の終わらない円舞曲

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2004年 12月 11日

「ASTRAY」に関する個人的違和感のこと

・TVシリーズ本編と、その外伝である「ASTRAY」とを比べた時、両者とも時間軸は同一ながらどうにもしっくりこない感じ‐違和感を僕は感じていた。それは単に物語の語り手が異なる、というレベルではない、もっと根本的なところにあるものだった。
 長らくそれがなんなのか気が付けなかったのだが、ある時閃いた。それは本編と外伝の二つは同じ世界と時間の、異なる場所と言われながら全く異質な物語となっていたということである。
 そう、「ASTRAY」の二人の主人公が生業とする「ジャンク屋」と「傭兵」この二つの職業はC.E.71年においてそれなりのポジションを占めていると「外伝」では繰り返し語られているにも関わらず、本編では殆ど出番がないのであった。それ故に「ASTRAY」の物語は本編から遊離したという印象が強いのである(そして「MSV」は過去のそれと同様の文法で語られる内は説得力があったが、物語に踏み込んだ「戦記」は上記の理由で逆に本編との繋がりは希薄になって行く)。
 
・少し考えてみよう。アークエンジェルが崩壊するヘリオポリスから脱出して物資が欠乏した際、ジャンク屋を通じて購入するという描写は不自然だったろうか。デプリベルトは残骸の宝庫であるのだから、そこで資源の回収を大義名分とするジャンク屋とそこで出会うのは然程不自然ではないだろう。
 もっと想像を逞しくするなら、ジャンク屋に隠然たる影響力を持つマルキオ師からの依頼を受け、残骸の中に閉じ込められてしまったラクス救出作戦を手伝っていたらザフトに属する傭兵に邪魔され、キラはコーディネイターと戦わざるを得ない羽目になる、とか。
 傭兵に関してもそう。世事に詳しいムウから金で仕事を請け負う傭兵の存在を知らされたマリューはナタルの反対を押し切り、凄腕の‐しかし、サーペントテールではない‐傭兵を雇ってザフトの追撃を乗り切ろうとする、とかしておけば「本編」と「外伝」が世界観的にも相互補完出来て良かったのではないだろうか。その際の連絡はアルテミスの施設を使った、とでもしておけばよかろう。
 で、地球上空での第8艦隊との合流を前に別れたアークエンジェルと傭兵は、再び宇宙に上がった時に再会する。今度は敵と味方として。だが、それに納得出来ないキラは文字通り体を張って相手を説得し、今度は金銭ではなく義理と人情で結ばれた戦友となる。
 そしてこれが縁となり、戦力において非常に劣る三隻連合はクライン家の私財を用いて傭兵をかき集め(ラクスには「あら、評議会議長ともなれば、別に不正を働かずともこの程度の蓄財は出来ますのよ」とか言わせて見る)、何とか第三勢力としての格好をつける、なんて展開があったらより説得力が増していたのではなかろうか。ついでに「非戦」とやらの演説をラクスとカガリがぶって、それをキラやアスラン達が実践して傭兵達を感化する、くらいの演出をしてテーマを明確にするべきではなかったか、とも思う。
 まあ、最後の傭兵を雇う件は「MSV戦記」でやっていたのだが、如何せん本編では限りなく見えて来ないので説得力があまり感じられないのである。で、画面の隅っこの方にこっそりと赤くて日本刀を振り回しているMSがいたり。青くて、ゴテゴテ装備をくっつけたMSが敵をバンバン落としてるのが見えたりする訳です。

・まあ、そういう理由なので逆に「種運ASTRAY」は本編とは時間軸的に無縁の舞台なので、違和感もなく読めています。しかし、設定的に「種」と「種運」の隙間を埋めるという企画らしいので、さっさと重要な案件を処理して欲しいものです。

by shunichiro0083 | 2004-12-11 11:17


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