2004年 11月 05日

データコレクション・機動戦士ガンデムSEED

・実際の所、今回の「種」については設定関連の書籍は一冊も手に入れてはいなかった。それはまあ、手に入れたい、と思わせるほどの作品でなかった、ということでもあり。また、一通り立ち読みで設定を頭に入れておけば、あとはネットで補完出来ていたからでもある。
 しかしながら、こういうブログを立ち上げた以上、一冊も持っていないのもどうかと考え直し、最近出たメディアワークスの、表題の本を買った訳である。ちなみに上下巻分冊で、各880円(税抜き)。
 それでは、この2000円近い金額を払ったに値する本だったかと言うと・・・答えは「NO」である。まあ、最後発の本なのだから、中の記述の殆どが既に読んだことのあるものばかりであるのは仕方がない。何もそれをあげつらうつもりは、ない。しかし、独自の観点からの記事や解説がないのはどうなのだろう。
 正直、PS装甲についての解説ももう少し突っ込んだものが欲しかったし、ミラージュコロイドについても詳細な解説があるべきではなかったろうか。兎に角、視聴者が疑問に思った部分を納得させられるだけの本になっていなのは間違いない。だからこそ、僕は先の記事でアークエンジェルの重力圏航行能力に関する考察をしてみたのである。
 別に「ガンダムセンチュリー」が至高かつ唯一のムック、とする訳ではないが、良いと思われる所はどんどん真似すべきである。第一、このデータコレクションの前身である「EB」においては、そうした事柄についても記述があったものである‐ただ、あまりにその対応が場当たりすぎて、シリーズ内の整合性を欠いたものになっていたのも事実であるが。
 以前(2000年頃)、過去の記事を調べもせず、勝手に設定を追加して行くことに憤ったファンと、それを書いたライター本人の言いあいが某掲示板であり、僕もそれを傍観していた。
 そこでライター氏が言っていたことを要約すれば「古い記事(設定)の引用ばかりでは、今のファンは納得しない。その為にも新しいものが必要不可欠なのだ」というようなことになる。これを誠意の欠如と取るか、仕事であると割り切るかはその人の立場によりけりだろう。
 ここで僕が言いたいのはそんなことではなく、こと「種」に関してはこうしたライター氏が取ったスタンスが通用しなくなっているのではないか、ということである。それは書籍独自の解釈が許されなくなってしまったのか、という危惧感でもある。
 かって、設定類を集めた書籍の解釈と言うのは基本的に製作者側の穴を埋める、というものであった。整合性の高い、数々の設定を起こし、公表した「ガンダムセンチュリー」は言うに及ばず。賛否両論のある「EB」でさえも、「V」のミノスキーフライトやミノフスキードライブといった設定のフォローを行っている。問題はそれが完全なオフィシャルであるかどうかではなく、仮説の一つとして納得力があるかどうかなのである。
 「種」や「種運」に関しては最初から商売として「MSV」や「外伝」の類が規定されているので、そこからはみ出しかねない‐或いは、破綻させかねない書籍独自の設定などはあってはまずいのだろう。しかしそれならばなおのこと、設定を総括する人物は全ての設定を作り上げなくてはなるまい。
 曰く、どうやって幾種類かのMSは重力圏を飛んでいるのか‐化学反応式エンジンであそこまでの出力と、長時間の飛行が可能なのはどうしてか、とか。空間認識能力は何故、コーディネイトすることが出来ないのか、とか。TP装甲の設定が人によって言うことが違うのはどうしてなのか、とか。
 本来なら、こんなことはガンダムシリーズにおいては製作者側が考えなくても構わない部類のものである。裁量として、関連書籍のライター達が知恵を絞ってくれればそれ済む話なのだから(逆に言えばだからこそ、「ガンダム」というのはSF足り得なかったのかもしれないが)。
 それが出来ない「種」や「種運」は、非常にせせこましい世界観になってしまったような、そんな気がしてならない。データコレクションを読みながら、そんなことを考えさせられた秋の一日であった。
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# by shunichiro0083 | 2004-11-05 12:50 | 書籍
2004年 11月 02日

PHASE‐03 予兆の砲火

・今、ふと思ったのですが、PS装甲っていうのはRX‐78ガンダムのあの装甲の厚さに対するオマージュなのでしょうか?

 いやまあ、それはさておき。第3話になっても、あんまり活躍しないザフト側のMSたちです。幾ら量産型とは言え、前回前々回と全くイイトコなしのゲイツやらジンやらディン、ガズウートは為す術もなく撃墜される一方。
 これによって強奪された3機のガンダムの強さが際立つ一方、相対するインパルスの強さはあまり見えて来ません。ここはやはり3機のガンダムの脱出のサポートとしてダガーL部隊を投入させ、これを殲滅させることでインパスルの性能の凄まじさを表現すべきではなかったのではないでしょうか。
 これなら、ここまでの描写に3話・90分かかっても納得がいきます。けど、実際にはネオのエグザスに翻弄され、ガンバレルを二個撃墜しただけに留まります。それもシンの手柄ではなく、レイ機の成果です。これではインパルスが強いとか、シンが凄いパイロットだ、だとかは全く視聴者には伝わらないと思います。
 これがインパルスを駆っているのがキラやアスランと言った前作のエース達だったら、まだ問題も少ないでしょう‐視聴者の殆どが、今名前を挙げたパイロット達の腕前を知っているから。しかし、実際に操縦していたのは新たなる主人公のシンである以上、あれではレイの凄さのみが伝わるだけではないかと思います。
 ここはやはり、敵側のMS部隊を出して、それを殲滅させた上でエグザスが出る、という流れになるべきだったのではないでしょうか。それなら、シンとインパルスの実力も、仮面大佐の腕前も過不足無く表現できたのではないかと思うのですが。
 総じて、新主役機・インパルスガンダムの魅力を余すことなく表現した、とは程遠い内容だったと言わざるを得ません。

・その一方、主役のシンも全然良い所がありません。これは主役を狂言回しにしたという、1話から3話までの構成に拠る所も大きいのではないでしょうか。
 僕は前回、
>2話と3話をニコイチにして30分にした方がテンポも良くて、お話もスムーズに行くのではないかと疑っている
と書きましたが、訂正します。ここまでを再構成して、2話分にした方が良かったのではないかと思います。
 ここまでで入れねばならない必要な要素として選ばれているのは

 1.インパルスの出撃合体及び戦闘シーン
 2.ザクシリーズの活躍
 3.ガンダムの強奪シーン
 4.強奪されたガンダムの圧倒的な強さ
 5.オーブ一行の到来と、デュランダル議長との会談
 6.ガーディ・ルーの戦闘シーン
 7.ダガーLの戦闘シーン
 8.MA・エグザスの戦闘シーン
 9.強奪パイロットの最適化のカット
10.アスランの正体を看破する議長
11.カガリに八つ当たりするシン
12.シンとステラの出会い
13.ネオとレイの交感

大体、こんなものでしょう。正直、2話は丸々余計ですから、これを省くだけでも正味2話分で収まると思いますがね。
 それにしても、これまでのお話には説明が無さ過ぎます。当初公開された設定ではガーディ・ルーは連合軍ということになっていますが、本編ではそうと確定させる描写は何一つありません。まあ、裏設定では連合軍も一枚岩ではないということになっていますが、あの強奪部隊がブルー・コスモスの私兵であっても何もおかしくはないような、そんな展開です。
 まあ、今回は前作の「種」との差別化で「謎解き」を全面に押し出す作風にする、ということになったのでしょうが。だからと言って、主人公を蔑ろにしていい理由にはならないと思います。むしろ、そういう展開にするなら主人公を中心に据え、その上で世界の謎を主人公が解き明かして行く、というスタイルの方が馴染み易いのではないでしょうか。
 まあ、こんなやり方で今作のテーマ「戦争は何故起こるのか」をきちんと描けるのかどうかは不透明ではないかと。まあ、前回も言質など何処吹く風で、言うことを変えていた監督のインタビューなど信頼するには値しないのかもしれませんが。

満足度=☆☆/2★★★(1個半)
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# by shunichiro0083 | 2004-11-02 21:31 | 感想
2004年 10月 31日

アークエンジェルの重力圏航行能力-レヴィテイターに関する仮説

・御承知の通り、アークエンジェル級強襲機動特装艦一番艦・アークエンジェルは大気圏突入能力と、重力圏航行能力を兼ね備える数少ない万能艦である。
 が、ではどうやってアークエンジェルが重力圏内を航行しているか、その原理ははっきりとはしない‐ちなみに、アークエンジェルの重力下航行システムはレヴィテイターというらしいです(「種」の台詞より。但し、公式設定にはない)。また、大気圏突入については艦体下面から解除剤ジェルを散布し、表面温度の上昇を防ぐ、という方法を採っている。
 しかしながら、この強引とも言える方法で大気圏を突破しても、何らかの方法で音速の十倍以上に達しているスピードを減衰させなければどうしようもない。水面に落下出来れば何とかなるのかもしれないが、軍艦という性質上そればかりを望むことは出来ないだろう。どうしてもアークエンジェル級には重力圏航行能力が必要不可欠なのである。

・結論から言えば、ミラージュコロイド技術を応用することで不完全ながら機体重量を支えるだけの浮力を生じせしめているのではないか、ということになる。ここではこれを仮に「コロイダル・フロート」と名付けよう。
 ミラージュコロイドとは特殊なガス状粒子を機体表面に定着させることで完全に近いステルス性を獲得するものであるが、これを応用することでビームを偏向させる「ゲシュマイディッヒ・パンツァー」やエネルギー吸収システム「マガイクノタチ」など、その範囲は多種多機能に渡る。
 そして、驚くべきことに水分子に干渉することで機体にかかる圧力を軽減させると言う、いわば耐圧フィールドとしての機能を持たせることにも成功している(GAT‐X255 水中機動試験型フォビドゥン・ブルー)。しかしこれはむしろ、アークエンジェルのコロイダル・フロートから派生した技術であった。
 コロイダル・フロートとは艦体周囲にフィールドを展開し、その内部に高濃度のガス粒子を充溢・維持させることでその全備重量の大半を支えるに足るだけの浮力を発生させるものである。ただし、これだけでは不完全なので必要に応じて各部バーニアを吹かすことでホバリングや背面飛行といったアクロバイティックな挙動も可能となるのである。また、巡航時には長大な翼による揚力も発生するので、より無理のない航行が実現する‐実際はエネルギーの消費を抑える為に、海上は水中翼船の要領で巡航していた。

・このコロイダル・フロートの欠点としてはあくまでガス状粒子による浮力である、ということから高々度の飛行が大気圧と大気温の影響から困難であることが挙げられる。また、同様の理由で重力圏離脱の手段としても使用することは出来ない。
 平時であれば、コロイダル・フロートとバーニア、及び翼からの揚力によって十分安全な大気圏突入が可能であった。しかし、地球軌道上での戦闘の余波で満足な態勢やコースを取れなかったことから、アークエンジェルは不時着に近い形でアフリカ北部の砂漠地帯に降下するを余儀なくされたのであった。
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# by shunichiro0083 | 2004-10-31 02:02 | 設定
2004年 10月 30日

PHASE‐02 戦いを呼ぶもの

・さて、この「感想」というカテゴリーでは本編各話について感じたことを書こうと思っているのだが、この第2話についてはお話的には書くべきことが殆どない。全編が戦闘シーンの羅列に終始しているからだ。
 それでいて、この話の戦闘シーンで目新しいものと言えば、ネオが駆るMA・エグザスの戦闘シーンとガーディ・ルーのものくらいだろう。まあ、思い出して取って付けたようにレイの額に稲妻が走るカットもあるが、これもネオとレイの関係を僅かに暗示させる程度でしかない。
 総じて、1話30分かけてやるような話ではなかったと思う。穿った見方をするなら、最後のミネルバの出撃シークエンスをそこに持って来たかった為にわざわざやった話ではないのかとさえ、思えるのだ。
 だからこそ、アスランがザクで奪われたガンダムに対して攻撃を仕掛けるシーンが余計に意味のないものに見えて仕方がないのである。オーブの現首長であるカガリを連れている以上、あそこは逃げの一手しかない。ザクウォーリアとガンダムでは勝負にならないくらい、随行武官のアスランは飲み込んでなくてはいけないのである。
 何もあそこでインパルスを助けるのはアスランでなくてもいい。レイやルナマリアが間に合うような脚本にすればいいだけなのだ。ミネルバに着艦するのに別に機体が損傷したり、カガリが怪我をしたと言う大義名分が必要な訳ではないのだし。それは何より、銃を向けたルナマリアに対するアスラン自身の台詞からも明らかである。
 しかし、プラントの外壁は強固である。一説にはあの壁は自己修復ガラスなるものらしいが、下手な軍艦よりも堅牢だろう。ザフトも下手にPS装甲なんかに頼らないで、この材質を軍事利用する方がいいんではなかろうか。何せ、MSを一発で粉砕するガンダムのビームを十数発(か、それ以上)受けて、やっと破壊出来たという代物なのだから。

 これから第3話を見るのだが、現時点ではこの2話と3話をニコイチにして30分にした方がテンポも良くて、お話もスムーズに行くのではないかと疑っている。
 さあ、どうなることやら。

 満足度=☆☆/2★★★(1個半)
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# by shunichiro0083 | 2004-10-30 16:16 | 感想
2004年 10月 30日

艦船に関すること

・先に艦船の動力源についての問題を指摘したが、これはどうやら宇宙用艦艇だけではなく、むしろ地上用のものにこそ問題なのではないかということに今更ながら気付いた。
 しかし、通常の水上艦艇ならば問題はない。ガスタービン等、核分裂に依存しない動力を用いれば良いからだ。アークエンジェルが普通に地上を飛行している以上、『レーザー核パルス融合推進システム』も地上での使用には問題がないらしい。
 そうなると、問題になるのはザフトの水中用艦艇である。ボズゴロフ級潜水母艦はNジャマー影響下での行動を考慮されて設計されており、そうなると原潜では有り得ないのである。原子炉は搭載出来ないながらも、MS母艦としての機能を持たねばならない以上余裕のある発電能力も必須である。
 その上でさらに話を進めるなら、いくら地球侵攻作戦が順調に推移していたとしても、Nジャマーが通用しない航空戦力や水上戦力に発見されない秘匿性を確保する為にもその推進機関にはAIP方式(大気独立型推進)が必要とされるだろう。そうなると使える推進機関というのも限られて来るのではなかろうか。
 よもやCCD(クローズド・ディ-ゼル)機関やワルター推進、スターリングエンジンという訳にも行くまい。このボズゴロフ級は全長270mはある巨大潜水艦なのである。世界各地に母港となる基地がある、というのであれば超高性能燃料電池、というのでも良かろうが戦略兵器という観点から見た時には不安が残る‐そもそも、物資の補給ということを度外視して、の話でもあるが。最悪、衛星軌道上からコンテナを落下でもさせ、海上で受けとるのであろう。しかし、この方式は敵に発見される可能性も大きい。かってのUボートも、こうした洋上補給時を狙われて撃沈されたのである。
 となると、一番手っ取り早いのはやはり『レーザー核パルス融合推進システム』を水中でも使用する、ということになるだろう。宇宙空間での推進力としては毎秒200発の核ペレットを断続的に爆破するというが、抵抗が大きくとも出す速度に限りのある潜水艦であるならその規模は少なくともいいのではないかと推測する。
 また、これと併用する形でMHD発電(電磁気流体発電)を、核反応の際の熱エネルギーを回収するやり方で行えば発電機能もそれなりのものが得られるのではないだろうか。無論、この方法は宇宙用艦艇でも可能である。アークエンジェルなどはこれと太陽光発電を組み合わせて、必要とされる電力を得ているのだろう。
 ちなみに、レセップス級に代表される陸上戦艦の動力はガスタービンエンジンを主機関とし、これに上記のMHD発電や太陽光発電を補機として用いているのではないかと推測する。その主な用途が砂漠地帯であるなら、太陽光発電の使い勝手も良いだろう。ガスタービンは熱効率が低いのが欠点だが、そこはプラントの工業力でクリアしていると考えたい。
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# by shunichiro0083 | 2004-10-30 01:00 | 設定
2004年 10月 27日

シスエットシステムについて

・何故、新たなるインパルスガンダムは合体分離方式、即ちシルエットシステムでなければいけなかったのか?
 この問いかけは単純なようでいて、それなりに深い意味を持つ。何故なら、ストライクガンダムが採用したバックパック換装型兵装システム‐ストライカーパックが、2年後の「種運」の世界では地球連合軍・ザフトを通じて主力MSのシステムとして採用されていると考えられるからである。
 連合軍は先の戦争でもこうした換装式武装を採用してある一定の戦果を挙げたと思われるので、ザフトもそれに習ったということであろう。
 無論、これには「ユニウス条約」によって保有MSの数に制限を受ける両陣営が、少ないMSを汎用に用いる為に敢えて採用した、という部分もあるだろう。この換装式というのは仮に装備が三種類と仮定するなら、それぞれに対応する充実した設備(後方支援)を三種類必要とする。交換してなんぼである以上、一種類の兵装で前線に出しっ放し、では本来の運用上から外れること甚だしいのである。それが基地か、艦船かは問題ではない。艦船であるなら、この換装方式に対応するかどうかでその大きさも変わって来る。一定数を確保するなら大型化は必至であるし、艦のサイズを維持するなら搭載出来るMSの数も限られて来るのだ。
 まあ、こうした問題は一応クリアされたとして。ザフトでは、その次に来るべき兵器システムとして考案されたのがシルエットシステム(と、可変システム)とするなら、その意味も意義もあることとなる‐あくまで、試験的、という縛りが前提であるが。
 自分は換装方式には充実した後方支援が必要不可欠であると仮定したが、そのにはMSが必ず帰還しなければならない、という条件もつく。換装させる為の機器が後方にある以上、当然のことである。だが、これが戦闘中であるならいちいち後方まで装備を変更する為に戻るのは、致命傷になりかねないとザフト技術陣は判断したのではないだろうか(まあ、実際にはそこまでの不利益が生じるとは思えないが)。
 そこでザフト技術陣はこの問題の解決策として、合体方式と可変方式という二種類を用意したのではないだろうか。シルエットシステムとは周知の通り、バックパックを戦場にまで飛来させて換装出来る。これは戦場で弾丸切れや、エネルギー切れを起こした際には有効に機能するだろう。後方にまで戻らなくて済むのなら、その分の時間のロスもない。
 また、可変システムは兵装の換装とこそ無縁であるが、前線での臨機応変な戦闘を実現する為に採用されたものではないだろうか。つまり、換装式のように外部に依存するのではなく、あくまでもMS単体の形態を変化させることで、こちらもタイムロスなく刻々と変化する戦場に対応させる、という設計思想である。
 では何故、シルエットシステムを採用したのが1機に留まり、残りの4機が可変MSとなったのかは簡単である。ザフトは既に開発済みのMSで可変機能を取り入れていたからである。例としてあげるなら、外伝の「ASTRAY」ではリジェネイトガンダムというこれまた可変方式を採用したガンダムが登場している。また、量産型MSに眼を転じればゾノやバクゥといった機体にも、構造の一部に変形機能がある。そうしたことから、ザフトの技術陣には合体よりも、単体の変形の方が馴染み易かったのだろう。
 こうして次世代機能のテストベッドとして、5機のザフトガンダムは完成した。母艦となるべきミネルバも艤装まで終了し、後は識別コードを取得するだけである。そうなれば、後は運用面での問題だけであろう‐しかし、戦略面では見るべきものがあるかもしれないシルエットシシテムだが、いざ、戦術面で見ると凄まじく粗の目立つものとなってしまった。
 その最大の理由はシルエットガンダムが専用カタパルトからでは、MS形態で発進出来ないということだろう。しかも、この専任パイロットは発進直後に合体するのではなく、わざわざ戦場の上空に到着してから合体している。言うまでもなく、このシルエットシステムの最大の弱点は合体という行為、そのものにある。その瞬間こそ無防備であり、そこを敵機に狙われればお仕舞いなのである。
 にも関わらず、シンは戦場に到達してから合体を敢行している。これをパイロットの独断と判断出来る理由がない以上、そういうマニュアルがあるなり指示が上から出ていたと解釈するしかない。これについてはやはり、技術陣にこそ問題があると断ずる以外にはないだろう。まともな軍人がこれの設計に携わっていれば、このような狂気の沙汰にはならないであろうからだ。
 いくらシルエットシステムの肝が合体システムにあるとは言え、それは戦場での変化に対応する為のものでしかない。あれではザフトはパイロットが何人いても足りないだろう。シルエットシステムとは前線と後方までの制空権が確保されている場合にのみ有効であり、そうでなければ無人機など敵に撃墜されるのがオチである。だからこそ、2話でインパルスがフォースに換装する際、レイ機がフォローに回らざるを得なかったのである。
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# by shunichiro0083 | 2004-10-27 22:18 | 設定
2004年 10月 27日

PHASE‐01 怒れる瞳

・さあ、前振りは終了して「種運」本編の感想へと参りましょう。

 「種運」の幕開けはオーブ攻防戦から。戦火に塗れたオーブ本国から脱出すべく走るアスカ一家の上空では生体CPU三人が駆る3機のガンダムと、キラ・ヤマト操るフリ-ダムが激しい戦いを繰り広げており、シンを除くアスカ家の三人はそれに巻き込まれ死亡してしまう。それを知り、絶叫するシン・アスカ・・・まあ、必要なシーンと言えば必要なのでしょうけれど、それにしては情報量が少ないような気も。
 これはその後の演出の所為でもあるのだけれど、シンがザフトのMSパイロットを目指す動機付けにしてははっきりしていないのですよ。ガンダム同士の戦いで一瞬の内に家族を失ったシンは一体何を求め、何をする為にザフトに入隊したのか。
 それはフリーダム(とそのパイロット)に対する復讐なのか。それとも、平和だったオーブに侵攻して来た地球連合軍を根絶やしにすることなのか‐これはナチュラルを根絶やしにすることとほぼ同義なのだけれど。はたまた戦争そのものを憎み、再び戦争を起こさせない抑止力となる為にガンダムのパイロットとなったのか。
 これを第1話に求めるのを性急過ぎるとは思わない。少なくとも、情緒不安定な金髪姉ちゃんが天下の往来でクルクル踊って、挙句に主人公と出会い頭にぶつかる、なんてことシーンを入れるよりもよっぽどその方が有意義だと思うし。まあ、「また、戦争がしたいのか?」なんて台詞を言わすくらいだから、三番目なのかもしれないけど。だとしても、ちょっと弱い。
 で、冒頭で語られるのは前作「種」の後日談と、今作の前日譚。ナレーションは出ないとばかり思っていた三石嬢で吃驚。加えて、「ユニウス条約」の「ユ」の字も出てこないのにも吃驚‐プラントとオーブの両首脳会談でも一言も出て来ないからね。でもまあ、「種」でも最初の総集編とでも言うべきクルーゼの報告まで、Nジャマーのことは一言もなかったからなあ。この辺、製作者側がアニメ誌を頼っちゃっているのが見え見えなので、凄く嫌。
 そう言えば、「種」でもそうだったんだけれど、どうしてあの世界のMSには本人認証型起動システムが不装備なのでしょう。この現実世界ですら、一部の銀行のATMに使用され始めていると言うのに。軍事兵器なのだから、指紋・声紋・眼紋に加えてデータキイが必要、という具合に。大体、ハンガーのロックにはカードキイが使われているんだから、もっと重要なMSにこそ付けなきゃ駄目だと思うのだけれど。
 これを「ガンダムシリーズ」の伝統、なんて言ってお茶を濁してるようじゃあまるっきり駄目だと思う。確かに、「ガンダム」と名の付く機体が民間人の少年に操縦されたり、敵に強奪されたりするのはかってのシリーズでよく見られたことだけれど、「次世代への種」を自負するのならそれでは駄目だと思うのだ。やるならやるで、見せ方を一捻りしなければ。そもそも、「種運」はSFとしての側面も持っているのだから、同時代の現実の一般的な技術に負けてしまうのではどうしようもないのではないだろうか。
 確かに、ここまで厳密にやってしまうとその次の「無人で無傷のザクウォーリアに乗り込み、操縦するアスラン」というシーンが出来なくなる、という向きもおられるかもしれないが、それこそアスランが事前の情報工作でザクウォーリアの起動コードを手に入れていた、とでもすればいい。量産型だから、超高性能機であるガンダムシリーズよりはセキュリティが甘い、とかアスランに言わせるのも良いのではないだろうか。
 問題なのはそれよりもカガリを連れて来ているのに、ガイアガンダムに喧嘩を売っちゃうという行為だろう。少なくとも、あのザクウォーリアはGAT‐Xシリーズと同等か、それ以上のスペックを持っていると言う設定なのだから、それを表現する為にもあそこは逃げるべきであったと思うのだが。
 こうして三人組が破壊活動を恣にしていると、シン・アスカの駆るソードインパルスガンダムが華麗に合体。まあ、シルエットシステムなる合体については後日に譲るが、それにしてもどうしてインパルスの4パーツは同一のカタパルトから射出されるのだろう。左右にもあるのだから、個別に打ち出せば時間が短縮出来るだろうに。あと、帰還する時はどうなるのだろう。分離して真ん中の専用カタパルトに降りるのか。それともMS形態のまま、左右のカタパルトに戻ってくるのだろうか。どちらにしても間抜けな絵であることに変わりはなさそうだ。

 さあ、これから一年間どうなることやら。

 満足度=☆☆☆★★

 ちなみに、この満足度は最高が☆五つで、最低は★五つです。まあ、後者がないことを切に祈りますが・・・
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# by shunichiro0083 | 2004-10-27 20:35 | 感想