shunichiro0083のアイのダメヲタ日記-感想と推測と妄想の終わらない円舞曲

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2005年 05月 29日

PHASE-32 ステラ

・今週のデストロイの虐殺&大破壊のシーンは先週に比べると結構良かったですね。泣く子どもをザフト兵が抱き止めた瞬間、デストロイのビームで焼かれてしまったり。結構、心に残りました。

・どうやらザフトは各地の反連合の各都市に、駐留軍を送り込んでいると思われる節がありました-評議会のシーン。
 そうして考えると、ザフトは地上の幾つかの都市に軍を駐留させているようです。それが住民からの依頼でそうなっているのか。それとも、各国の軍を実力で排除して居座っているのかまでは分かりませんが。
 ディオキアなんかもそういうパターンなのでしょう。これも「積極的自衛権」なのでしょうか。

・さて、今回のこのデストロイの反連合都市の襲撃によって、図らずともセイラン親子による世界安全保障条約への加盟の正当性が傍証されてしまった、と思ったのは僕だけでしょうか。
 もし、あの時カガリが強行して条約加盟を拒んでいたら、デストロイはないとしても遅かれ早かれ連合軍による再びのオーブ侵攻を招いてしまったのではないかとは想像に難くありません。
 これまでこうした仮説は「種」は兎も角「種運」では推測に過ぎなかったのですが、今回のデストロイのユーラシア西部地域への侵攻がジブリールのあの考えから起きたのであれば、かなり可能性の高い可能性であったと思います。
 それじゃあ、オーブがプラントと組む、という選択肢はどうだったかと言えばやはり今回のザフト都市駐留軍の敗北からも、その戦力はやはり反連合地域を守るに足るものではないのではないかと愚考します。
 なお、今回のザフト軍の敗北はデストロイという規格外の兵器によるものだ、という意見もあるかと思います。が、基本的に連合とザフトの戦闘は自分に有利なフィールドで戦った方が勝利しています(除く、ミネルバ)。まあ、兵法の基本と言えば基本ですが。
 そういう意味でも、やはり宇宙を本来のフィールドとするザフトは地上においては連合に遅れを取るのも仕方のないことではないかと思います。そして、そこいら辺を冷静にセイラン親子は計算しており、プラントにつくよりも連合に与する方がより自国の為になると判断したとしても、誰も責められないと思うのです-無論、セイラン親子が連合高官と誼を通じていた可能性も低くはないのですが。

・やはり、キラはネオに何かを感じ取っていますね。捕虜にするように指示していますし。
 しかし、やっぱりキラのあのやり方は不殺じゃないよねえ。空飛んでる機体を落とせば、例えコクピットを潰していなくても衝撃でお亡くなりになってしまいますよ。
 次回予告を見ると、ネオも何とか一命は取り留めたようですが医務室のベッドの上だったし。名のあるネオでさえそうなら、他のパイロットの皆さんの運命は・・・ブルブル。

・いや、まあ、なんだかんだと書き連ねてきましたが、やっぱり一番ショックだったのはオクレ兄さんでしょう。
 唐突に出てきたムラサメ3機に翻弄され、しかも1機も撃墜出来ず。形勢が不利になったのを見て戦線離脱しようとしたのも束の間。とうとうビームの直撃を喰らってしまい、小破した所を小隊長機-であろう-のビームサーベル龍槌閃で機体もろとも真っ二つにされてジ・エンド-あ、あんまりだあ?!
 それでも他の二人のエクステンデッドは主人公やもう一人の主人公に討たれて散ったし、そこに至るまで多少のドラマもあったというのに。何でオクレ兄さんだけがあんなぽっと出の脇役に斃されなければならなかったのだろう。一人、碌なエピソードもなく、ブロックワードも分からないまま。納得が行きません。
 先週から嫌な予感はしていましたが、幾らなんでもこんなあんまりな死に方をするとは・・・絶句です。合掌-それとも、生きているのかな、オクレ兄さん。ちゃんとした描写、なかったから。だとしたら凄いけど。

・かくしてステラも死に、ファントムペインは崩壊寸前ですね。今やかの部隊で捕虜にもならず、ちゃんと生き残っているであろう名のある人物はイアン・リーしかいなくなってしまったという。
 もうこのままブルーコスモスの私兵も、連合軍部隊もごっちゃになってしまうのでしょうか。それで指揮系統が乱れる訳でもなさそうですから、不都合はないんでしょうけどね。

・なんかシンはおのまま増長してしまったら、その内レイ以外の友達がいなくなってしまうのでは、という気もします。
 少なくとも上司であるアスランとは完全に不仲になってしまいそうです。で、デストロイを破壊した-その結果、ステラを殺したキラとフリーダムを憎むようになる、と。
 けど、シンがステラをミネルバから連れ出さなかったら、少なくともデストロイには乗らずにすんだのは事実。幾らあのままにしておけば死ぬに任せるしかなかったかもしれないけれど、それでもシンはステラを連合に返すべきではなかった。
 結果論かもしれないけれど、実はそれを回避出来たかもしれなかったのは前回のアスランの台詞からでも分かる通り。一人で思い悩み、一人で突っ走ってしまったシンはやはり責められても仕方ないだろう。
 けれど、そういう自己批判とか反省とかもないまま、キラ憎しでいっちゃうんだろうなあ、シンは。そしてそれはキラを重大な不確定因子と認識している議長の思う壺である、と。
 けど、今回のこの一連の出来事が全て議長の掌の上、ということはないでしょう。っていうか、無理、絶対。
 いや、ひょっとしたら『多少の手違いはあったが、概ね私の思い描いた通りに皆動いてくれたよ。有り難う』くらい言ってしまうかもしれない-『多少の手違い』について、具体的に言及することなく。

・さあ、来週は議長が動きそうです。物語も本格的に動き始めるのか?

 満足度=☆☆/2★★★(一個半)

※ちなみに、「続き」には大したことは書いてありません。少々の愚痴と、ほんの一つまみの「毒」くらいです。
 それでもいい、という奇特な方だけどうぞ。

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by shunichiro0083 | 2005-05-29 13:45 | 感想
2005年 05月 27日

ボンボン版種運・05年6月号を読んで ネタバレあり!

・この所オリジナル展開を見せつつある「高山版種運」な訳ですが、それがどうにも微妙にいい感じです。
 前々から書いていることですが、ストーリーの取捨選択がなかなかに大胆で、小気味良いのでこっちとしてもかなり爽快感があります。ネームでかなり苦しんでいらっしゃるのでしょうね。ときた先生が「W」の連載を振り返られたインタビューで、そのようなことを話しておられましたのを思い出します。

・しかしながら、高山先生の話は行きつ戻りつはしても、TV本編であった要素は漏れなく押えるので、来月で今回出て来なかった部分も何らかのフォローがあるのかな、とも。

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by shunichiro0083 | 2005-05-27 20:25 | コミック
2005年 05月 22日

PHASE-31 明けない夜

・やはり、まともに考えるなら銃殺刑に値する罪だったようです、シン。そうなるとレイは罪一等が減じるくらいで、ザフト刑務所にて終身刑でしょうか。
 いや、結局それまでの功績を考慮して一切が不問に処されてしまった訳ですが。しかし、ここに議長の影がちらついて来るとなると話は別です。シンを処罰する、ということはそれの片棒を担いだレイも処罰しなければならない、ということで非常に都合が悪い。幸い、シンには勲章ものの軍功があるのだから、それと相殺することにすればいいだろう-こんな感じでしょうかね。
 大体、多大な功績はシン一人のものであり、こういう言い方もナニですがレイには関係のない話です。仮にシンの罪がそれで相殺されたとしても、自らの意志でシンを助けたレイの罪がなくなる訳ではないでしょう。
 いや、あれは単にシン一人の功績ではなく、ミネルバ全体の手柄であるから、レイの罪も相殺されても問題ない、というのであればレイも勲章を貰えるでしょう-あの噂好きな若手クルーがそんな話をしない、と言う方が不自然です。ミネルバ全体の功績としてなら、艦長を始めとするクルー全員に特別休暇と金一封が出てもおかしくない。
 けれど、本編でそういう描写や台詞がないのなら、やはり勲章ものの功績はシン一人のものとして判断すべきでしょう。にも拘らず、今回の一件に関わったすべての人間の罪が不問に帰されたのなら、やはりそこには実力者の影を疑って然るべきなのではないでしょうか。

・また、ネット上で囁かれていたシンの増長もここから始まるようです。営倉でアスランの説教を不貞腐れて聞いたり、反論していた内はまだマシだったのですが、無罪放免を言い渡されてからは増上慢一直線ですね。
 確かに、アスランの言う軍の論理は正しいのですが、個人的な感情や判断がそれよりも上に立つシンには単なる正論以外の何物でもありません。それどころか、『どうしてこの人は俺の気持ちを分かってはくれないんだ?!』的な怒りや憎しみを煽る結果となってしまったようです。
 レイもそれまではあった上官に対する礼儀を捨て去り、シンの擁護に走ってしまいます。まあ、これは同時に自己の保身でもある訳ですが。シンを庇うということは、自分の行為の正当化である訳ですからね。それを巧妙に友人を庇う、という形でやる辺りレイはしたたかです。

・アスランはね、シンのことが嫌いではないと思います。ただ、扱いあぐねているのも事実でしょう。正真正銘のエリートであったアスランは、個人個人では反目しても、そうした感情を軍組織としての利益や規律よりも優先させる、ということを理解出来ないのではないかと推測します-自分はジャスティス奪ってアークエンジェルに走るとかしてしまっている割に。
 だから、シンという人間が今一つ理解出来ないのでしょうね。そういう意味では、はみだし軍人な訳です、シンは。「種運」のアスランが人気がないのは、そういう組織の論理の代弁者になってしまっている-ひいては、画面上で否定的に扱われている部分ではないかとも思います。
 「種」でのアスランていうのは結構、模範的な軍人であるように振る舞いつつ、要所要所では個人としての判断を優先させていた人物でしたからね。ストライクを撃墜させなかったり、モルゲンレーテで再会したキラを見逃したり。僕はアスランというのは、そういう意味では人間味のある、血の通ったキャラクターであったと思っています。
 しかしながら、「種運」でのアスランはあまりに組織人になりすぎてしまい、本来もっていたいい意味での破天荒さがなりを潜めてしまったように思えてなりません。つまり、恋人のカガリ同様状況に飲み込まれてその良さを発揮出来なくなってしまっているのではないか、ということです。
 それでも今回のステラの一件まではシンがあまりにお子様過ぎた為に、アスランは苦労人だなあ、というポジションに踏み止まれていたと思います。しかし、物語が完全に非常識なシンを是とする方向に流れてしまった為に、特に今回のアスランは情けない敵役、という風な描かれたかになってしまったのではないでしょうか。

・もう一つ特筆すべきは、アスランがシンにした説教が無意味なものになってしまっただけでなく、それが否定されたことがかえってシンの増長を促してしまったことではないでしょうか。
 あんな慇懃無礼な物言いをする子じゃなかったのに、シン・・・。
 下馬評通りでいけば、来週はシンに最大の悲劇が訪れる筈です。そしてそれは取りも直さず、アスランの今回のシンへの言葉の正しさが立証される、ということでもあります。また同時に、今回の一件におけるシンとレイの判断が間違っていたということになるのかもしれません。
 いや、まあ、確かにステラを連合軍の所に帰したことで彼女は命を取り敢えずは延命することに成功したのですから、そういう意味ではシンの判断は正しかったのでしょう。しかしながら、ステラという一応完成されたエクステンデッドを取り戻した連合軍が、そのまま兵器である彼女を戦いから遠ざける筈がない、という所まで考えが至らなかったのならやはり大間違いですね。
 無論、ステラが帰らなくともデストロイは動き、ユーラシアの都市は灰燼に帰し、ザフトの陸上部隊も全滅したでしょう。ステラがいなければ、オクレ兄さんが搭乗しただけなのかもしれません。
 しかしながら、ステラはミネルバにいればあんな大量虐殺を行わずには済んだでしょう。ステラの手を血で染めさせた直接の責任はジブリールとネオが負うにせよ、そこにシンとレイが加担してしまったのは紛れもない事実なのです。

・しかし、ユーラシア西部とか言っていたような気がするけど、「西部」って何処なんだろう。あの冬まっさかりの画面を見る限りでは「東部」のような気がするのだけれど・・・。それとも「ユーラシア連邦」っていうのは「ソ連」に相当する国だから「西部」なんだろうか。だとすると、かなり視聴者に優しくないアニメのような気がする。
 ちなみに、「種」オフィシャルファイルメカ編Vol.2には「ユーラシア大陸北部からヨーロッパに至る諸国で構成される」と書かれております。念の為。

・あと、ここで暴れるデストロイを迎え撃つザフト軍ですが、一体どこの所属の部隊なんでしょう。っていうか、ザフトは一体全体幾つ地上に基地を持っているんでしょうねえ。カーペンタリアとジブラルタルだけじゃなかったんでしょうか。
 あんなに地上に軍事拠点があるんなら、別にプラント本国から救援部隊(ブレイク・ザ・ワールド事件の時)やカーペンタリア支援の降下部隊(オペレーション・スピア・オブ・トワイライト発動時)を送ることもなかろうに。
 なんかもう、ここまで来ると好意的な解釈がかなり難しいです。って言うか、二分強もアバンタイトルやっているくらいなら、デストロイが接近しているのを基地オペレーターが発見してスクランブルをかけたり、周辺住民に避難勧告を出すとか、そういうシーンを入れてくれればいいのに。
 そういうものがないから、かなり唐突な印象を受けましたよ、デストロイの虐殺シーン。焼かれる町並みも同じだから、既に三つの都市が壊滅しました、とか言われても全然ピンと来ないし。
 確かに、最初の一撃でザフト部隊もろとも都市が焼けるシーンがあったのだから、カットが変わればそこで描かれている都市も違うものになっているのは当たり前なのかもしれないけれど、それならそれで描き方というものがある筈。“ボナパルト”の字幕を入れるくらいなら、焼かれる都市毎にその名を字幕で入れてもいいのではないかと思いますね。

・しかし、それにしても強いなあ、デストロイ。
 超強力な主砲に、無尽蔵のミサイル、全方位に配置された副砲、空飛ぶ腕にもビーム砲と驚異的なまでの火器。陽電子リフレクターに、対ビーム装甲に(多分)PS装甲と完全な防御。加えて変形機能に、飛行能力-サイコガンダムのオマージュなんでしょうか。
 しかしもっと凄いのはアレを搭載して、整備や補給をこなせる艦船が連合軍にあった、ということでしょう、多分。

・ネオはジブリールからの信頼を失いかけている様子です。ミネルバ追撃の任務から外され、中央への反抗激しいユーラシア西部の鎮圧の任務に回されてしまいました。
 シンと交わした約束も忘れている訳ではないのでしょうが、やはりそこはネオも組織の人。上司たるジブリールの命令に逆らえる訳もありません。それでもデストロイが完成していなければまだマシだったのでしょうが、ステラとシステム上相性のよい機体を使え、という命令が来てはどうしようもないのでしょう。
 興味深いのは何故自分を乗せないのか、とオクレ兄さんに聞かれたネオが吐き捨てるように「データ上でな」と適性を語るシーン。人為的に遺伝子を細工されたコーディネイターを忌み嫌うブルーコスモスであっても、誰が最適かを科学的データで判断するということは彼が信望する「自然」とは相反する考え方のような気がします。
 まあ、自然な生命を人の手で改変する-ブーステッドマン-ことは構わないのですから、やはり身勝手な考えだと思わざるを得ません。
 けど、お願いだからネオはブルーコスモスを裏切って“いいひと”とかになって欲しくはないですね。ネオにはこのまま組織人としての生を全うして欲しいと思います。意外とそれが、アスランとの対比になるのかもしれないですから。

・オクレ兄さんはステラのことを全く覚えていない様子。ステラも“最適化”で都合の悪いことは全て忘れさせられてしまったようです。

・タリア艦長もシンの一件については若干の責任を感じているようです。エースとはいえ、まだ歳若いシンを追い込んでしまったことを後悔しているのでしょうか。「我々の責任云々」というのも、意外とそうすることでシンの減刑を、と考えていたのかもしれません-その思惑は全く外れる訳ですが。

・アーサー、今回もいい驚きップリでしたねえ。「チ~チ、オォッパァ~イ、ボインボインッ」とか歌ってくれんかのう、娯楽施設のカラオケかなんかで(レイの伴奏ならなお可)。

・そのレイの営倉での台詞は「FATES」の回のクルーゼの台詞を彷彿させましたね。けど、この二人の言葉には「人事を尽くして天命を待つ」が持つ清々しさよりも、虚無的な響きの方を強く感じますね。

・アークエンジェル、スカンジナビア王国国王の個人的な友誼で匿われているようです。そういうのはもっと早くに言うべきではなかったではないですかね。ここまで話が進んで来て、台詞一つで済ますのは正直どうかと思います。

・キラは迷い、マリューはそんなキラを是としますが、「愛する人を守る」なら他にやり方があったのではないかと思いますね。オーブや連合を巻き込む理由にはならないし、そんなんで少なくない犠牲を出すのは間違っているんじゃないでしょうか。
 逆に、キラはラクスが狙われなかったらどうしていたんでしょうね。やっぱり、母やラクス、マルキオ導師、孤児らと平和な暮らしを満喫していたのではないか-そんな気がしてなりません。

・最後にですが、シンはステラの身を案じるのなら、艦長を脅してでもロドニアに戻してあの研究施設から薬物や資材を押収させたものを使うべきではなかったではないでしょうか。
 そうすれば最悪でも銃殺刑は免れたでしょうし、ステラを無事にプラント本国に連れて帰りたいタリア艦長や船医もそれほど強く反対はしなかったでしょう。むしろ、話を巧く持って行けば積極的になってくれたかもしれません。
 何せ、エクステンデッドは生かして連れて来い、という命令なのですから、その為に最善を尽くすのは軍人として当然のことです。この提案はそんなに悪いものではないでしょう。アスランに相談していれば、これくらいの知恵は出してくれたかもしれません。それが出来なかったのはシンの性格か。それともアスランの人望のなさか。
 ひょっとしたら、先週のアスランへのシンの憎まれ口は、ステラのことを相談しようとしても出来る雰囲気ではなかったことに対する苛立ちだったのでしょうか-今となっては真相は藪の中、ですが。

 満足度=☆☆/2★★★(一個半)
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by shunichiro0083 | 2005-05-22 13:55 | 感想
2005年 05月 18日

語るべき言葉、描くべき主張、伝わらぬ想い

・などという大層な題を付けた所で、大した意味はない。
 ただ、「種」や「種運」の製作サイドが持つ考えや想いというものは、どうにももどかしい。
 確かに、竹田プロデューサーの言っていることは真っ当である。今回の「A」のインタビューでもある通り、この国は危うさを内包している砂上の楼閣だ。「戦争」も「ゲノム」も今、そこにありながら自分も含めた多くの人間が目を背けている。
 しかしながら、だからと言ってそれが「種」や「種運」の批判に対する免罪符になり得るかどうかとすれば、それは「NO」である。
 あくまでも「種」「種運」はアニメーションであり、個人が書く啓蒙書の類ではないからだ。

・思うに、「種」や「種運」の残酷描写というものが今一つピンとこない-リアルに感じられない理由の一つに、それがさも当たり前の光景として描写されているからではないだろうか。
 無論、製作側がそれを「是」として描いているのなら、この印象も当然ということになる。しかしながら、戦争を否定する「非戦」の立場を標榜しているのなら、物語の中でそれは行われるべきなのではないだろうか。
 抑圧される原住民に対する弾圧や、逃げ遅れtた捕虜を撃ち殺す、といった描写が往々にして淡々となされ、それに対する否定的な見解が出ることは少ない。出たとしてもそれは一方的なもので、相対的なものはないのではないかと思う。
 頭から戦争がいけない、と言葉で語るのではなく。どういう理由で戦争がいけないのかを、きちんと描写しなければそれは「非戦」ではないような気がするのだ。そうした理由がきちんとしていなければ、残酷描写はただのグロテスクな映像で終わってしまうだろう。事実、そうして受け止めている人も少なくない。

・個人的には「種」や「種運」からそうした「非戦」という思想が伝わってくるのは実際の映像ではなく、こうした製作者のインタビューや談話からでしかない。
 残念ではあるが、それも事実である。僕はあまり「W」という作品を高くは評価していないが、それでも「種」や「種運」というものよりはまだ、「戦争と平和」ということに対して考えていたのではないかと思う。
 リリーナという、不十分かつご都合主義的キャラクターではあったが、彼女をテロリストたるヒィロと対置させることで「W」は戦争を平和裏に解決しようと尽力する姿を描こうとした。それが成功したかどうかは兎も角、断片的であってもそういう存在を見せたことに意義があったのではないかと、今ならそう思える。
 
・翻って、「種」や「種運」にはそういう動きがあるだろうか。物語の裏側ではそういう動きもあったらしいが、表立ってのストーリーではあまり出て来ていない、というのが実際の所ではないかと思う。
 しかし、「反戦」とか「非戦」がテーマであるなら、そういう運動があることをしっかり描かなければ視聴者にははっきりとは届かないだろう。まして、「種」「種運」はロボットアニメである。一見、相反する二つの命題をきちんと描き、止揚するには並大抵の苦労では足らないだろうことも想像に難くない。
 だからこそ、単なる「要素」や「設定」ではなく、そこがどういう世界なのかをきちんと描かなければいけないのではないか。そこには「非戦」と同じくらい難しいテーマである「ゲノム」を持って来るべきでは、正直なかったと思う。
 勿論、現実的要素-「宗教」や「民族」というものを排除しなければならなかった事情があるのは百も承知しているし、それがやりたいことの一つであることも判る。が、それでも物語過度に複雑にしてしまう「ナチュラルとコーディネイター」という形で導入すべきではなかったのではないだろうか。
 ファンの方には申し訳ないが、物語の中でこの設定が、これでなくてはならない、というまでに重要な使われ方をしたとはあまり思えないのだ。

・「種」や「種運」のメインターゲットである子ども達がどういう風に見ているかはよく分からないし、製作側にどんな風に伝わっているかは分からない。それこそ、数年先に判断するしかないのかもしれない。
 ただ、それでも単に作品の決着をつけるだけではなく、提示した「どうすれば戦争はなくなるのか?」という問いに対し、真摯な答えを出さなければ誠実とは言えないのではないだろうか。未来に先送りするのではなく、あくまでも今、出さねばならないのではないかと思う。
 たとえ、それがどんな答えであったとしても。「不可能」というものであったとしても。
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by shunichiro0083 | 2005-05-18 23:36
2005年 05月 15日

PHASE-30 刹那の夢

・キラが皆に語る内容は平和的な反戦運動主義者なら問題ないと思うのですが、やはりフリーダムという常軌を逸した力の持ち主が活動の拠り所とするには問題があるように思えます。
 確かに、目の前の戦いを止めたいと思い、それだけの力を行使出来る人間がそれをしないのはおかしい、という意見もあるとは思います。が、それにしてもやり方があるでしょう。ピンポイントで旗艦を潰し、指揮系統を混乱させて撤退させるとか。チャフやNジャマーをぶん撒いて、両陣営を戦闘不能に追いやるとか。
 キラのやっている事の是非はこの際棚上げするにしても、その方法は上手くないとしか言えないのではないですかね。力を持つ者には、その力を最善の方法で使わねばならない責務があるとも思うのです。

・アマギ一尉の台詞にも違和感を感じました。
 まあ、彼らの中ではウズミが実践していた理念を守る=オーブを守るだったんでしょう、きっと。しかしながら、それが間違っていたことは図らずもウズミ自身によって証明されていた訳で。事実、オーブは二年前、武力によって侵略占領されているのですから。
 問題なのは、彼らオーブ軍人がそういう冷徹な事実から何一つ学んでいない、ということでしょう。
 アマギ一尉らの言動からはオーブの崇高な理念は、オーブという国を守る楯にはなり得なかった、という現実から目を背けているようにしか感じられませんでした。好意的に解釈するのなら、彼らが守るべきは一に五大氏族で、第二にオーブの理念。国民の安全やその財産はその次である、ということにならざるを得ません。
 そして、オーブが事実上の君主国であるなら、それでも確かに間違ってはいないのでしょうね-だとすると、家族を殺されてアスハ家を恨むシン、というのは滑稽な道化になってしまうのですが。

・その一方、増長する増長すると言われ続けたシンでしたが、ここに来ていよいよ増長ぶりを遺憾なく発揮し始めた・・・かに見えます。
 しかし、シンの今回のアレはどうも増長というよりは主にステラの容態が悪化してしまっているのに、護ると約束した自分をステラは(しかも、死相が浮いています)それでも信じてくれているのに、何も出来ない自分の無力さに苛立ち、腹立ち。それがやり場のない感情となって、考えのない、出来ない言動として現れているのではないかと思いました。この辺りの描写は上手いと思います。
 それでも、心あらずといった様子でもちゃんと同僚のルナマリアに声をかけているのは、シンが骨の髄までやさぐれてはいない証拠でしょう。

・タリアと軍医、ちょっと無用心ですね。エクステンデッドの捕虜という、言わば敵の機密事項の取り扱いに関する会話を誰が聞いているかも判らない廊下で行うとは。やはりタリアも不本意な戦いの連続で、疲れを見せていたのでしょうか。
 まあ、確かにシンは優れたMSパイロットな訳ですが、実際はまだ思春期の少年です。当の本人が聞いているとは思っていないからこその会話であったとはいえ、聞かれてしまえば頗る心証を害してしまうのは仕方のないことでしょう。
 本来ならそういう部分のフォローをするのが隊長たるアスランの仕事なのでしょうが、アスランはどうにもそういう腹芸が苦手と来ています。でなきゃ、あんなにイザークと仲が悪くなったりはしなかったでしょうし。
 
・そんなアスランが思い悩むのは現在のミネルバが-ひいては自分が置かれている大局的状況です。コーディネイターがナチュラルに抱く憎悪。そうした憎悪の連鎖を断ち切りたい、とする思い。更には、その憎悪の連鎖を食い物にする存在。
 そして、自分が愛する少女を助けるべくザフトに復帰した筈が、結果的にはそれが彼女を苦しませ、悲しませる結果となっているという皮肉。このことを自分に指摘した親友は己に刃を向け、情けをかけられ撃墜されるという有り様。
 そりゃあまあ、冷静に考えれば考える程、誰にも会いたくはなくなるでしょう、アスランは。その上、アスランはシンからその実力を疑われ、もっとしっかりしてくれ、と非難される始末。まあ、シンがアスランにああいうことを言ったのは、額面通りの意味ではなく、期待を込めてのものだったと思うのですが・・・(自信なし)。
 けど、アスランはシンが連合軍を叩き潰すべき敵であると認識し、自分もそうだろうと思われていたことに少なからぬショックを受けていたようでしたが。そりゃあ、自分のことをきちんと人様に語らなければ、見えている部分から判断されても仕方ないのねえ、アスランくん。

・それはさて置き。で、タリアと軍医の会話からステラの現状-容態の著しい悪化と、その未来-研究材料としてのみ生き長らえることを知ったシンは軍人としてあるまじき行動に出ます。しかしながら、ほのかな想いと確かな決意を胸に抱く少年としては当然と言えば当然の行動である、とも言えます。
 切羽詰ったシンのこの行動ではありますが、艦内での不手際さ加減は兎も角。ミネルバを出てからの行動はちゃんと考えてあったようです-前回の戦闘データから敵艦隊の位置を予測し、その上でガイアのコードを発信することで確実にネオと接触出来るようにしていたのですから。まずまず、と言えるのではないでしょうか。
 前述のシンの危機を救ったのは、何故かレイでした。その意味有りげな台詞からは、ブーステッドマンたるステラへの同情とも共感とも取れる思いが感じられます。
 そのレイへの尋問の際、タリア艦長は『これも議長からの指示なのか?』という趣旨の台詞を発しています。これは多分、ロドニアのブーステッドマン研究施設捜索の時、レイがタリア艦長に面談していることを差すのではないかと思います。だとすれば、やはりあの捜索は議長からの極秘の命令だった、と考えるべきなのでしょう。
 そして、レイはF.A.I.T.H.でこそないが、議長の命を受けて独自に活動する何か特殊なエージェントである、という推測もここからは出て来ます。単なる個人的な縁故では軍を動かすことは出来ないですからね。レイは何らかの形でF.A.I.T.H.以上の権限を持った存在だと考えるべきなのではないかと。

・しかしながら、レイが最終的にシンの手助けをしたのも、シンが必ずミネルバに帰ると約束したからでしょうね。シンが仲間を見捨てる筈がないと確認したから、レイは助力したのでしょう-この辺りは「種」のキララク脱出シーンともろ被るのであり、それに関する監督の発言をたぶらせるなら、レイはシンのことを信頼していない、ということになってしまいますが-。
 多分、シンの中ではステラを連合軍に返すのと、ミネルバを裏切ることがイコールになっていないのでしょう。ひょっとしたら、シンは自分がザフトという軍組織に所属している軍人である、という根本的な認識がないのかもしれませんが、それはさて置き。
 ステラに対する想いはシン・アスカ個人のものであり、それは軍人としてのシンが為さねばならない規範よりもより上位にあるのでしょうね。ですから、今回のシンの行動は増長している云々よりも、やはり純粋に衰弱し、モルモット扱いの人生しかない、というステラを救いたい一心からのものだったと思います。
 シンがステラと行動を共にするという選択をしなかったのは、ミネルバでの一件で自分ではステラを護りきることが出来ない、という現実を認識していたからだと思います。その上で、どんな人間かは判らないが、ステラが心からの信頼を寄せているであろう“ネオ”という人物に託すなら、きっとステラを助けてくれるだろうと、苦渋の判断をしたのでしょう。
 と同時に、シンは-あれでも-シンなりにミネルバという艦に対しての責任を感じていたのだと思います。さればこそ、連合軍に投降してでもステラと一緒に行く、ということはしなかったのではないでしょうか。単純にステラを護るという考えに凝り固まっていたならば、シンはそのままネオに付いて行っていたと思うからです。
 そんな無責任なことの出来ないシンはネオからステラの身の安全に関する言質を取ると、あの桜色の貝がらを預けて去ります。ネオの腕の中で安らぐステラに、自分は敵わないという砂のような現実を噛み締めつつも、そうするしかシンには出来なかったのですね。

・一方のネオですが、仮面の所為で表情は確認出来ませんが、取り敢えず彼個人の考えとしてはステラを戦場に出すことには反対のようです。確かに、あれでは充分な休息がステラには必要であるのは間違いありませんし。
 そうなると、やはり事態は一指揮官でしかないネオの思惑を超えて、ジブリールからの命令で動き始めるようです。もし、ネット上で広まっているネタバレが正しいのであれば、ネオは今回シンと交わした約束をいともあっさりと破ったことになるのですから。
 個人的にはこれがシンとネオの因縁にならないことを望みます。何せ、今のシンの周りには敵が多すぎますからね。レイだって何時まで味方かどうかも判らないし。このままでは遅かれ早かれ、ミネルバは駄目になると思います。
 そうならない為にももっとしっかりしてくれ、アスラン。

・どうやら、アークエンジェルには十機弱のムラサメが搭載出来るだけのキャパがあるようです。そんなに大きいハンガーのようには見えませんが・・・。

・あのシャワーシ-ンはタリア艦長だったんでしょうか。一瞬、急に発育が良くなったカガリかと思ってしまいました。

・来週はデストロイ登場ですね。さあ、パイロットは誰になるのやら。

 満足度=☆☆☆/2★★(二個半)
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by shunichiro0083 | 2005-05-15 14:25 | 感想
2005年 05月 13日

種運を巡る論争あれこれのこと

・前にも書いたのだけれど、ネット上のあちらこちらで「種」や「種運」に関する論争が起きているようである。
 実際に見たことはないが聞いた話では2chでも活発らしいし、それ以外でも幾つかのサイトで擁護派批判派に分かれてかなり活発に論争をしているのを見ている。最近有名なミクシィでも、「種」や「種運」を取り扱うコミュニティ(掲示板のようなもの)も複数ある。
 こうしたブログのコメント欄が活発な所もあるし、少し毛色の変わった所ではAmazonのレビューがかなりヒートアップしていたようである-最近は知らないけれど。
 まあ、かく言うここも擁護派か批判派という二者択一を第三者が断じるなら、迷うことなく批判派というレッテルを貼られることだろう。それくらいの自覚はある。本人は至って中庸な立場から「種運」を論じているつもりであるが、熱心なファンの方から見れば充分批判派として映るであろうことは予想出来るからだ。

・これまでも再三再四言って来たことであるけれど、僕は「種」や「種運」を「ガンダムシリーズ」として認めない、とか、どうしようもない駄作である、とは書いていない(つもり)である。「商品」として非常に優秀であることも認めている。
 ただ、「一アニメ作品」として「種」や「種運」を見た時、残念ながら出来が頗る良いと手放しで褒めることは出来ない、ということである-まあ、それこそがこのブログが「批判派」という風に見られる所以だろう。
 その理由については「余話」カテゴリーの04.12.08付けの記事「「種」プログラムピクチャー説のこと」を参照して貰いたい。僕が「種」や「種運」に対して辛い評価をしている理由が、そこにあるからである。

・それはさておき。こうした作品に対する評価というものは、作品そのものをどういう風に理解しているか、であると思う。だからこそ、直接は描かれていない暗喩とか、余韻を残したラストとか、敢えて明確には描かないが見ている人に想像させるエンディング、というものも評価の対象となるのだろう。
 しかし、作中の個々の描写というものはそれだけでは済まないこともある。例えば、明確な裏付けや、世界観の提示もないままとある描写について論じようとすると、それに関する事柄や設定までも自分の頭の中で考え、それに基づいて論理を構築するということになってしまうのだ。
 例を挙げるなら、「種」におけるウズミ様の自爆の是非を語る場合、ということになる。何故なら、それはオーブの理念だけが画面の中でクローズアップされて、それにまつわる実際の政治-外交や内政などが殆ど見えて来ないからである。これについて語ろうとするなら、必然的に足らない部分を自分の考えで補わざるを得ないのだ。
 だから、今更のようになるが、僕が書いたウズミに関するあの記事も当然であるが僕の推論でしかなく、それが本当であるかどうかなど書くまでもないことである。あくまでもあれは僕の考えでしかなく、世の中には僕と真逆の考えを持っている人も大勢いるのだ。

・と、言うことは、「種」や「種運」のこうした議論というのは基本的に平行線である、ということに他ならない。言い方を変えるなら、たった一つの真実は-少なくともファン同士の議論からは生まれて来ないのである。
 確かなのはウズミがモルゲンレーテの施設もろとも閣僚と自爆したことと、少なくともこのウズミの決定によってアスカ家の父母と長女の三人は死亡してしまった、ということしかないのである。それ以外のことは状況や設定、一般常識からの推測でしかないのだ。
 「種」や「種運」がテーマとして取り扱っているものに「戦争がない時代を創るにはどうすればいいか-非戦」や「戦争はどうして起こるのか」というものがある。こうしたものを描く為の下準備として、現実世界の政治経済や社会状況などを取材した、とは「種」放送開始当時の監督談話である。
 で、ある以上、「種」や「種運」の描かれない諸事情を推測するのに現実世界の知識を以ってするのは当然以前の問題であろう。しかしながら、現実世界の物事の意味とは決して一つではない。それを見る立場や、主義主張など様々なフィルターによって幾つもの姿形を持つ。そしてそれは「物語」にも当てはまる。
 勿論、それら全てが必然性や蓋然性を持っている訳ではなく、そうしたものは議論が続く中で淘汰されていく。しかしながら、「if」である以上「物事の意味」が一つに絞り込まれることもまたなく。こうして議論は議論の為のものとなっていくのである。ネット上の「種運」に関する議論が得てして堂々巡りになってしまうのも、こうした所を論者が押さえていないことに原因があるのではないだろうか。

・事実、僕はPHASE-28におけるトダカ一佐の特攻は現状に倦み疲れたが故の自殺である、と判断したが、人によってはあれは「オーブの理念」を守り通すことが出来なかった自分に対する断罪であり、けじめである、と解釈される方もいる。また、この二つ以外の解釈をされている方々も大勢いるのである。
 けれど、それらは皆あの映像を受けて持った自分自身の感想であり、判断なのであります。トダカ一佐が自身の行動の真意について殆ど語らず逝ってしまった以上、あとは我々が勝手に推測するしかないのが現実なのです。そしてそれは仕方のないことです。はじめから絶対の正解のないことでもあります。
 だから、トダカ一佐の行動の是非を問うにせよ、最初から明確な答えのない議論であることを踏まえた上で行わねばならないのではないかと思います。
 勿論、今後ストーリーが進み、クレタ沖の海域からトダカ一佐の遺書が発見され、そこで彼がああいう行動を取るに至った経緯が明らかになれば、それが確定された真実ということになります。
 それを踏まえて議論が行われるとするなら、今度は真実が何処にあるのかを探るということではなく、トダカ一佐が取った判断と行動が是か非か、ということになるのだと思います。無論、そうした評価も人によって異なるのでしょうが。

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by shunichiro0083 | 2005-05-13 18:45
2005年 05月 10日

デュランダルとクルーゼの対話のこと

・さて、先のPHASE-29では生けるデュランダル議長と、死せるクルーゼ隊長との対話が続けられました。
 ここで披露されたのは現世に対して何やら含む所の多々ある議長と、その出自故に悲観主義者兼陰謀主義者としての所為を全うした隊長の何やら意味ありげな、しかし噛み合わない抽象的なものだったと言えるでしょう。
 確かに、クルーゼの言葉は一面の真実です。しかし、それは同時に幾つも存在する“生命”というものの事象を切り取った一部分にしか過ぎません。真実、人の命というものがクルーゼの言葉の通りなのだとしたら、彼はその言葉通り人類を滅亡の縁に追いやることは出来なかったでしょうから。
 クルーゼが不幸だったことは己の悲劇にのみ酔い、他の人達への労りや思い遣りを投げ捨ててしまったことでしょう。自分こそがこの世で一番不幸せだと信じ、それ故に自分以外の全てを見下した男。平和とはまやかしであり、戦火に塗れる世界こそが真実だと信じた男。
 しかし、人類は綻びに付け込まれたにせよ、そんな男の夢想によって一度は滅びの危機に陥りました。確かに、たった一人の人間の思惑によってあんな瀬戸際まで行ってしまう世界というのも救い様のない、どうしようもない世界なのかもしれませんが。

・そして舞台から滅亡を望む男が退場したその次に登場したのが、世界を滅亡させるのではなく、自らが思い描く理想郷へと再編しようと企む男です。
 彼は-今回の話を見る限りでは-自らの思想に殉ずる確信犯であり、そしてその行為は必然的に隊長同様全人類を巻き込む規模のものです。自らが採る方策こそ最善であると信じ、その道に従うことが誰にとっても最も幸せな未来であるのだ、ということなのではないでしょうか。
 -いや、違う。全ての人にとって最善などということは言わない。だが、次善の策ではないだろうか・・・くらいのことを言いかねないキャラクターであります、この人も。
 どうやら、議長にとって-そして隊長にとっても-無限に開かれた未来というものは迷宮にも等しいもののようです。無数の道などあるから凡夫は迷い、彷徨い、行くべき正しい道を見失う。ならば、最初から進むべき道が一つであればいい。そうすれば、誰も間違えないし、迷わない。そうすれば世界は在るべき、真実の姿を取り戻すだろう・・・ただし、それは議長が思い浮かべる理想の世界なのですが。
 そう、その理想郷とは万民の為のものではなく、あくまでも議長が夢想するもの。議長以外のコーディネイターやナチュラルにとって理想かどうかは分かりません。全ての選択において常に最善のものを選ぶことによって形作られる、正しい世界。しかしその選択は議長にだけ許されたものであり、他の人間は間違えるどころかそもそも選択することすら許されないでしょう。

・世界の滅びを願った男と、正しい世界を望む男。正反対なようで、この二人には実はある共通項があります。それは片や生みの親に裏切られて世界を恨み、片や愛した女性に去られたことを受け入れられず運命に疑義を抱いたという、いわば個人的感情で事を起こしたという点です-後者はまだ確定ではありませんが。
 だとするなら、二人は義憤でも、使命感でもなく、ただ己の欲求を満たす為だけに謀を巡らしている(いた)訳で。このままで行くなら、やはりデュランダルはクルーゼ同様、単なる確信犯で終わってしまいそうな、そんな気がします。
 確かに、人間は完全に分かり合うことは出来ない。だから、クルーゼの悲しみや恨み、憤りも。また、デュランダルの愛する人に去られた喪失感の全てを理解することは出来ないでしょう。けれど、人間にはそうした他の誰かの気持ちを想像し、推測することで共感することは出来る。
 また、先人が犯した過去の過ちの表層ではなく本質を学ぶことによって、人はより良い未来を選び取ることも出来る筈。けれど、クルーゼやデュランダルはそうした人間が本来持つ能力を信用していないのでしょう。自分一人では出来ぬことを成し遂げる為に他の人間の手を借りながら、あたかも自分だけで成し遂げたかのように振る舞う姿は滑稽以外の何物でもありません。
 クルーゼがそんな醜い姿を最期の最後で晒したように、デュランダルもまたそんな浅ましい姿を我々視聴者に見せ付けるのでしょうか。
 それは、神のみぞ知る、です。
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by shunichiro0083 | 2005-05-10 00:21
2005年 05月 08日

PHASE-29 FATES

・まあ、議長の回想ではなく幻視と考えればあれもまあ、有りなのかなあ・・・という感じのお話でした、個人的には。
 きっと議長はとんでもない程の情報収集能力を持っている、ということなんでしょう。

・今回明かされた衝撃の新事実は昔タリアさんと議長が恋人同士で、そして別れていたということ。正確にはタリアさんから三くだり半を議長が突きつけられていたのですが。その理由が「子どもが欲しいから」というものなので、どうやら議長は無精子症か何かなのではないかと思われます。或いはパイプカットでもしているのか。
 コーディネイターだからと言っても、先天的失陥からは逃れられないというのは「種運ASTRAY」で描かれた所ですし。別段、不思議ではないのですがね。TV本編だけ見ている人にはちょっと、受け入れ難いのかも。

・それにしても、若かりし日のタリア艦長が何気に可愛かったのは、作監の大貫マジックでしょうか。
 だからと言って、別に無理して若ぶった声にしなくても良かったような気がしますが。
 それにしても、タリアさんが議長を捨てて選んだ男というのは誰なんだろう。まあ、今後再登場することはないと思いますが。気になる所です。

・また、今回で確定したのが議長とクルーゼが仲良しさんだったこと。しかも、議長はクルーゼの出自や性格、野望を踏まえた上で協力していたと思われます。クルーゼの常備薬は議長から渡されたものだったようですし。
 事によったら、プラントへの帰化に必要だったであろう医学的書類も偽造してあげたのかもしれません。幾らなんでも、DNA検査をすればコーディネイターかナチュラルかは一発でしょうからねえ。この辺りは以前から疑問に思っていたのですが、今回の放送で謎が解けたような気がしました。
 モノローグでは在りし日のクルーゼと自分が交わした会話を思い出していた議長でしたが(監督発言を尊重するなら、あれは魂でも残留思念でもない)、そうなるとクルーゼは何かと世話になったであろう友人をも巻き込んで世界を破滅へと導きたかったのですね。
 議長はそれを良しとはしないけれども、そうなったらなったで仕方がない、くらいの諦観で臨んでいたのかな、と。で、前作で友が企んだ破滅を世界が回避したのなら、今度は自分がどんな手段を用いてでも平和を招来しよう、と決心したのではないですかね。無論、その為の準備は前からしていたのでしょうが。

・しかし、今回の話を見ていて思ったのは、結局クルーゼの不幸というのは父親譲りの優れた能力と、自己中心的で思い込みの激しいその性格だったんではないのかな、と。
 まあ、確かに平均よりもずっと短い命を強いられた人ではありましたが、だからと言って自分以外の全てを人間を滅ぼそうなどとは傲慢の極みな訳で。クルーゼはああいう自分だからこそ、生きていこうとしたら、何かを成そうとしたら、他の誰かの助けを借りなければならなかったのだ、という当たり前の事実には気が付かなかった。
 人は生まれて死ぬ、という本当に当たり前のことを恐れ、自己の想いが断絶することを恐れたのは彼が嘲笑し、冷笑する他の人々ではなくクルーゼ自身であったのにもかかわらず。思考的な近視眼で、視野狭窄だったクルーゼはそうであるが故に自己を客観化出来なかったんでしょうね。
 己の考えだけが唯一正しい、という過ちは現実世界に生きる僕らも陥り易い罠であります。もって他山の石とすべきですね。気をつけねば。

・しかし、なんで議長はあんなにキラとラクスのカップルに拘るんでしょうか。よもや、自分がタリアと結ばれなかったから、幸せな二人に嫉妬している、という訳でもないでしょうに。
 それともあれは、『あの時の選択を間違えていなかったらば、もしや』という議長の後悔の現われなのでしょうか。もし、違う選択肢を選んでいたなら、今頃は自分もタリアとあの二人のように幸せなカップルでいられたかもしれない、という。
 けど、まあ、そんな後悔も含めて自分の人生は自分のものです。結果も、責任も全部ひっくるめて。だからこそ、自分以外の誰かの罪と罰を黙って引き受けることの出来る稀有な人物はそれだけで胸を打ち、死してなお語り継がれて行くのではないでしょうか。
 トダカ一佐が非難されるべきは自己が全うすべき職務を放棄し、自ら死を選んだというその一点にあると思います。あれは美談にはなり得ても、一般的な伝説にまでなることは出来ないと僕は思います。
 議長がどうなるかはまだ判りませんが、もし、仮に自己犠牲的な最後だったとしてもそれはつまる所ポーズで、結局は自分の野望を精算するだけなのではないかと僕は疑っています。
 ちなみに、こういう風に人類全体の罪を自分自身の企みの結果とを混同して死んで行ったガンダムシリーズのキャラクターとしては「逆シャア」のシャア・アズナブルや、「W」のトレーズ・クシュリナーダが挙げられると思ってますが・・・どうでしょう。

・結局、あのベッドシーンは焼けぼっくりに火が点いた、ということだったのですねえ。

 満足度=☆★★★★(一個)
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by shunichiro0083 | 2005-05-08 05:08 | 感想
2005年 05月 01日

PHASE-28 残る命散る命

・ナンと言うかまあ、あまりの真っ当な展開に言葉もありません。
 オーブの派遣艦隊は遅かれ早かれ、ああなっていたでしょう。中立政策を捨て、連合に与すると決めた時からオーブの軍人は最前線でザフトと戦うことは自明の理だったのですから。
 問題は何故、タケミカズチが前線に出て行ったかですね。多分、トダカ一佐は疲れていたのだと思います。馬場一尉がカガリ相手に絶叫していた状況に抗いきれず、流されねばならない自分の立場に居続けることに。
 そうでなければ、あそこでタケミカズチを前進させ、ソードシルエットの的にする筈がありません。あれは部下を巻き込んだ壮絶な自殺なのだと思います。
 今まではトダカ一佐というキャラは好きだったのですが、今回の一件で評価がガクンと下がってしまいました。

・また、エクステンデッドのアウルも下馬評通りお亡くなりになってしまいましたね。さぞかし無念なことだったでしょう。さしたる出番もなく、あんなにあっさりやられてしまったのですから。トダカの戦死には敬礼したネオらも、アウルの死には一瞬声を荒げただけで終わってしまいました。
 オクレ兄さんもフリーダムに瞬殺されましたが、こちらは不殺のキラだったことから九死に一生を得ました。アスランのセイバーも似たような有様です。
 そういう意味では情け容赦のないヒールへと転向を果たしつつあるシンが相手だったことを、アウルは呪うべきなのかもしれません。

・いや、それにしても今回は名のあるキャラがよく死にました。しかしながら、今回の三十分で僕が感じたことは戦争の愚かしさではなく、ああいう行き当たりばったりの戦争へと自国の軍隊を追いやる政治家の無能さでした。
 それは何もセイラン父子やジブリールだけではなく、カガリもそうです。オーブの国是である「中立」を錦の御旗に掲げるのはいいですが、では、実際にそれをどうやって維持していくのかという政策面についてはないに等しい訳で。
 この辺りは前作の「種」も含めて考えるべきなのでしょうが、国の利益を守るために「国是」があるのか。それとも、「国是」こそが最優先されるものであり、オーブという国家はそれを顕示する為にあるのか、という部分です。
 どうもウズミもカガリも、こうした非常に厄介な問題に対する感覚がごっそり抜け落ちていたような気がします-この辺の問題については4/7付けの記事「ウズミ様大自爆のこと」を参照して下さい。
 繰り返しますが、キラはカガリを拉致して国外へと逃亡すべきではなかったでしょう。あの時キラがすべきだったことは、フリーダムとアークエンジェルという非常識なまでの武力を背景に政変を起こし、カガリ親政の為のシステムを作り上げることだったと思います。
 そうすれば少なくとも、今回のようにカガリが泣かねばならない状況と言うのは回避出来ますからね。そうすれば、それを口実に気乗りしないキラが戦闘に介入することもなくなって、丸く収まります。
 無論、それは今以上に思い責任をカガリとキラらはオーブとその国民に対し負うことになりますが、今のように「どうすればいいのか」という代案もなしに徒に不殺を続けるという、不毛さからは脱却出来ます。

・それにしても、何故、オーブ軍は戦ってはならないのでしょう。どちらにも味方せず、敵にもならず。その結果、戦火に焼けた荒野に孤独に生き残ったとしても何の意味もないのではないかと思うのですが。
 「種運」のカガリに必要だったものは亡父から受け継いだオーブの理念を基盤に、国際協調の道を探るという姿勢であったと思います。「中立」というものに捉われすぎてしまったが為に、オーブから失われてしまったものはあまりに多いのではないか-今回の話を見ていてそういう思いを新たにしました。

・なんでミネルバは空飛んで、クレタ島を横断して逃げる、という選択をしなかったんでしょう?
 最初に一撃で火器やカタパルトは無傷だったけど、飛行機能には障害を受けていたのだ、実は?! とでも言うんでしょうか。
 あと、ローエングリンを使わなかったのも謎。壊れたまんまだったら出港しないよねえ。

・そう言えば、公式頁でスーパーフリーダムとナイトジャスティスの名前変更がアナウンスされましたね。
 まあ、あくまでも間違って名前を公開していたのであり、正しいのは今回の「ストライクフリーダム」と「インフィニットジャスティス」なんだそうで・・・。

 満足度=☆★★★★(一個)
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by shunichiro0083 | 2005-05-01 23:18 | 感想