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2005年 02月 12日

PHASE‐17 戦士の条件

・さて、手持ちの時計で二分半もの長いアバンタイトルでしたが、新たに判明したのはブレイク・ザ・ワールドという言葉のみ。どう考えても、「EDITED」をやった後の回で流すもんではないような気がしますが。

・それはさておき。
 どうやら、アークエンジェルは北欧のスカンジナビア王国に身を寄せているようです。と言っても、表立っているのではなく領海の海底にて潜っている様子。アークエンジェルには情報収集用の光ファイバー型多目的ブイまで、新たに装備されたようです。
 しかし、そこで今更の感はありますが、電波を受信して世界各国の報道をザッピングで見ているクルーの皆様。残念なのはチャンネルが固定されていないので、折角の各国の情勢もこちらにはどういうものなのかは明確に伝わって来ません。コーヒー飲んでる虎が「気の滅入るニュースばかり」とぼやけばいいってもんでもないでしょうに。
 その一方、偽ラクスことミーアのなりきりコンサートの模様も映し出され、これによってキラは完全にギルを疑ったことが明らかになります。このことから、キラはカガリを攫ったあとはプラントに身を寄せる、という考えを持っていたことも察せられます。
 アークエンジェルの顔見世はこれにて終了。何も判らないから、と暫くは傍観を決め込むようです。取り敢えず走り出してしまった人達ですが、一旦走るのをやめてルートを検索することにしたようです。
 しかし、ああいうのを見せられると、僕のような年寄りはどうしても「リン・ミンメイ」を思い出さずにはいられませんなあ。

・プラントと連合の戦いは、ニュートロン・スタンピーダーが使用されたアレ以来は二、三の小競り合いは確認されているものの大規模なものはなく、小康状態となっているようです。まあ、実際にはミネルバが二度ほど連合軍部隊とやり合ったり、マハムール基地のMS部隊が全滅したりしているのですが。

・ザフトを味方して、連合を討ちたくなる、というマリューさんの台詞は視聴者の立場の代弁でありますが、このタイミングで出るのはミスリードの可能性も高い。
 裏を返せば、それが通用するのもプラントの市民生活というものが殆ど描写されていないからでもあります。何せその政治形態も本編ではよく分からず、NT誌の漫画コラムによれば施政者を選ぶ為の選挙は存在するものの、それは被選挙権を持つと自動的に登録され、資格ありと認められるものをコンピューターが選ぶという。
 うろ覚えなので間違っているかもしれませんが、それは果たして選挙権があると言ってもいいのか。個人的にはそれは民主政治ではないんじゃないの、と思ったりもしますが。冗談であることを祈ります。
 この辺りのプラント論も、資料がまとまったら妄想してみたい所であります。
 話が横道にそれましたが、要はなんかよくは分からないが地球上はあちこちで昨今の政治に対する不満が高まり、デモやそれによる死者が出るような状況であるのに対し、プラントの市民はどのような意識を抱いているのか、という対比がないのでよく判らないんですね。
 ひょっとしたら、プラントの市民は市民で連日連夜、ナチュラル討つべしとデモをやっているのかもしれない。そうなったら、マリューも前述の台詞を口には出せないだろうし。一面的な情報だけなので、「種運」はポリティカル・ドラマとしては恐ろしく低い点が付いてしまうと思います。

・一方、ミネルバではアスランが「ザラ隊長」と呼ばれていたり、ラクスの婚約者とまだ思われていたり。マハムール基地司令官とのブリーフィングに付き合ったりと、結構、忙しいようです‐シンにも皮肉られるくらいに。このザラの名と、アスランの存在はザフトの高級軍人には複雑なものがあるようです。
 そんなアスランに対し、シンは屈折した思いを隠そうとはしません。ルナマリアの忠告にも素直にはなれず。そんな二人を微笑んで見守るレイは(相変わらず台詞はないですが)歳の離れたお兄さんにも見えます。
 そういう意味ではアスランは優しくも厳しい先輩、という感じでしょうか。ちょっとタイミングが遅いような気もしますが、シンに叱責した理由を告げ、褒めるべき所は褒めてきちんとフォローする辺りはオーブでの二年間の苦労を感じさせずにはいられません。
 前回、アスランがシンを叱責したのはやはり、軍人であることを忘れて私情に走ったことに対するものでした。ここではっきりと区別すべきなのは、アスランは基地を破壊したことや現地民を開放したことを責めているのではない、ということ。
 あくまでもアスランは、軍人としての本分を忘れたことを叱責しているのだ、ということです。これを指して、ユニウスセブン解体作戦時に撤収命令を聞かず、居残って作業していたことを引き合いに出し、アスランにシンを叱責する資格はない、とする向きもありますがそれはちょっと違うと思います。あの時のアスランはアレックス・ディノというオーブの人間であり、ザフトの軍人ではありません。いわば議長の特例で出撃が認められた民間人ですから、FAITHのアスランとは別人格です。よしんば、同じ人格としても今は上官なのですから、どんなに理不尽だとシンが思っても、アスランの指示には従わなくてはならないし、叱責も甘んじて受けねばならないのではないですかね。
 話が逸れましたが、結局の所アスランは以前の自分の姿をシンに見ています。そして力を望み、その力によって一度は親友をその手にかけてしまった過去を持つからこそ、アスランはシンに忠告しているのでしょう。戦士としての自覚も持たず独善に陥り、増上慢になり、過ぎたる力に溺れるなら、愚者に成り下がるのだと。
 その言葉に、夕陽を受けながら無言で立つシンの姿が印象的でした。これが、時代の狂気に飲み込まれてしまっているシンの変化に繋がってくれればいいのですが・・・。

・メイリンは姉に比べて、ウエストが太いのを気にしている様子。細かいけど、まさかそんな些細なことで離反しやしないだろうな、この姉妹。

・そう言えば、ミーアの偽物っぷりもそれなりのようですが、やはり古くからの熱心なファンはそこはかとない違和感を覚えているようです。スタイルや身につけるものの違いなど。正体がばれた時に対する伏線でしょうかね。
 一方のラクスは前作まででは見られない表情のオンパレードで。これもなかなか楽しめました。

・予告ではローエングリンゲートこと、渓谷の要塞に挑むザフト混成部隊の姿が描かれます。連合軍の新型MS‐多分、あれがゲルズゲーなのでしょう。格好いいです‐を見た時、「十面鬼かよ?!」と思ってしまいました(十面鬼は「仮面ライダーアマゾン」第一の敵。画像はリンク先の第2話、及び14話の画像を参照のこと)。どうやら、陽電子リフレクターはビーム・実体弾を問わず防御出来、現時点では最高の楯のようです。
 で、本当に困ったことにミネルバ、空を飛べるようです。ならマハムール基地まで空飛んでけばいいじゃん、と思ったのは自分だけはないでしょう。きっと。
 まあ、何故かミネルバは自分の軍人からも高い評価を得ています。それは単に最新鋭艦というだけではなく、二度の地上での戦いを切り抜けて来た、ということからなのか。それとも、単純にガンダム2機とザク2機を保有し、陽電子攻城砲タンホイザーを装備しているから、ということなのでしょうか。
 まあ、純粋に後者のような気もしますが。

 満足度=☆☆☆/2★★(二個半:ドラマパートと戦闘シーンのバランスが良かったから)
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by shunichiro0083 | 2005-02-12 20:28 | 感想
2005年 02月 05日

PHASE‐16 インド洋の死闘

・今回はインド洋上にて発生したネオ率いるファントムペインと、ミネルバの戦い。
 ネオはその際、戦力として建設中の連合軍の基地からウィンダム30機を徴発しますが、そこでの強引な遣り口を見る限りでは、やはりネオは通常の部隊指揮官よりも高い地位にいる様子が伺えます(副官もいたのかもしれないけれど、群衆に紛れてしまってよく判りませんでした)。
 また、この基地はカーペンタリア攻略の為のものなのですが、普通に考えるとユニウスセブン落着の前から行われていたと考えるべきかな、と。そこいら辺から考えると、オーブを連合に取り込んだのも対カーペンタリア戦略の一環であるという感じです。
 この基地建設も実際に働いているのは肌の色が褐色の原住民で、それを監督している連合軍の将兵は白人のようでしたので、どういう経緯かは不明ですが同盟国であることを楯にとって強引に連合軍の基地を建設していた、という印象を受けました。
 それだけでも悪役なのに、インパルスとガイアの戦闘のどさくさに紛れて逃げ出そうとする原住民を銃殺しているので、視聴者の目にはもう連合軍の極悪非道ぶりが焼き付いてしまいます。
 その一方、ガイアの戦術的撤退で自由になったシンは無防備となった建設途上の基地を破壊していきます。リニアガン・タンクを破壊し、対空砲座を破壊し、基地施設を切り裂いて爆発炎上させると、フェンスを引っこ抜いて強制労働で引き離されていた家族を再会させるのでした。
 が、一連のこの行為がアスランのシンに対する叱責に繋がるのですが、それは後述。

・しかし、この基地と戦場となった海域の距離がはっきりしないのでなんとも言えませんが、少なくともガイアが遠浅の海の上を走ってこれるだけの距離であったのは事実。
 また、PHASE‐15の最後がミネルバの出港と連続したカットであることも合わせて考えると、カーペンタリアとあの連合軍基地の距離はかなり、近いのではないかと推測されます。にも関わらず、ボスゴロフ級ニーラゴンゴの艦長はあの基地についての情報を何も知らなかった。
 真っ直ぐに考えるなら、カーペンタリアは少なくともあの基地を発見出来ていなかった、ということになります。僕は現実の軍事にはあまり詳しくはないですが、それでも戦時中であれば基地周辺地域の哨戒活動。そして周囲に対する情報収集は行われているのではないかと思います。
 他方、あれだけの基地を建設する為の大規模な工事が始まっているなら、資材の輸送搬入や、また、大々的な原住民の徴発などが表沙汰にならない筈がないのではないでしょうか。確かにタイトルからすればインド洋での出来事ですし、画面では判らないだけでオーストラリアのカーペンタリアからは距離があるのかもしれません‐けど、ニーラゴンゴの艦長「こんなカーペンタリアの鼻っ先にか?!」とか言ってるしなあ。
 それならやっぱり、墨俣の一夜城ではないのですから、攻略基地が隠密裏に建設されていたので気が付きませんでした、ではあまりにナニなのではないかと思いました。まして地球上に二つしかない拠点の内の一つなのですから、もう少し警戒活動は頻繁にやってほしいなあ、と。
 それともあれは単なる兵站用・後方支援の為の拠点で、距離云々は関係なかった、とか。けど、そんな役目はオセアニアの同盟各国に分担させるのではないかなあ。やっぱり、カーペンタリア攻略の為の軍事基地だったと考える方が妥当のような気がします。
 次回で、この辺りの説明もあるのでしょうか(アッシュの時みたいに)。

・で、この名のもなき基地をMS部隊指揮官たるアスランの制止を無視し、完膚なきまでに叩きのめしたシンでしたが、この勝手な振る舞いがアスランの怒りを買います。
 しかしながら、あの基地は放っておけば再び整備され、カーペンタリアに突きつけられる喉元の牙となりかねないので、それを破壊したシンの行為そのものは責められるべきではないでしょう。
 ただ、上官の制止を無視して敵を追いかけ、その挙句に勝手な判断かつ更なる指揮官の言葉を無視してではまずい。これでは軍の規律は守れません。事実、画面では逃げ出そうとして、連合の兵士に銃殺される原住民の姿を見たシンが怒っての行動と見えます。
 あれでは大局的な判断ではなく、個人的な感情で先走ったとアスランに叱責されても仕方がないことでしょう。挙句に、上官に食ってかかるし。部隊の皆の面前でやっている以上、あそこでは罰を与えなければ、軍規は守られません。一罰百戒の意味もあって敢えてアスランはハンガー内でシンを叱責し、頬を叩いたのでしょう。
 しかし、一視聴者として見ると、2機しかないMSで戦闘指揮も何もないんじゃないかなあ、という感じもしました。実際、30対2では乱戦に持ち込んでの各個撃破しかない訳で。そういう戦術を採っている以上、あとは各パイロットの技量に任せるしかないような気がします。
 また、僕の目にはアスランはカオスの牽制て手一杯で、ウィンダム(とネオ)を引き受けているのはシンだったと映りました。
 それに、ネオ機を追うシンを制止するアスランの命令も具体性に欠けていましたしね。この空域を離れたらミネルバが危ないとか、もうちょっと言い方を工夫しないとシンはおろか視聴者も納得させられない。尺の関係か、今回はミネルバが深刻な危機に陥ったという印象もなかったですし。あれならば、指揮官機を落とそうと言うシンの判断も間違っていないように思えます‐まあ、そもそも勝手な判断を下している時点で駄目なのですが。
 折角シンも頑張っているのだから、それがきちんと評価されるような状況にしてあげて欲しいものです。

・あと、特に戦闘シーンで気になったのはセイバーとカオスですね(ガイアの水上疾走はある意味予測可能の範疇だったので。驚くよりは「キターッ!」という感じ)。
 セイバーはMS形態でも空を飛べるのだから、あの状況で戦闘機形態に変形する意味がよく判らない。空戦時の運動性という面で考えれば、戦闘機の姿よりもMSの方が優れているというか比べ物にもならないと考えるのですがね。別にイージスのように、MA形態に変形しなければ使用出来ない武器とかがある訳でもないのですし。
 この辺り「X」のエアマスターの肩透かし感とよく似ている気がします。むしろ、レイかルナマリアのザクを乗せての、サブ・フライト・システムとして使う方がキャラの絡みもあって面白くなるような気もします。
 カオスはやっぱり、と言うか、案の定、と言うべきか。破壊された機動兵装ポッドは修復され、その上1G下でも使用出来る、という。ある意味、なんでもあり中のなんでもありな機体になっていましたね。ガンバレルとドラグーンシステムは、そんなに違うのでしょうか‐まあ、本編での描写を考えるならそういうことなのでしょう。
 一方のアビスはその変形機能の本領を発揮して、モンゴメリ級ニーラゴンゴとそのグーン部隊を撃破。迎撃に出た2機のザクを歯牙にもかけない暴れっぷりです。あの変形機能は耐圧の為ではなく、水の抵抗を少なくする為のものだったのですね。それにしても、後方射撃にも対応しているとは。いやはや、脱帽です。
 それにしても、何故ザクシリーズには地上の局面に対応した装備がないのでしょうね(「MSV」を除く)。水中戦用装備とか、空中戦用装備とか。もしそれらがないならないで、カーペンタリア基地でグゥルの一つも受領しておくべきではなかったかと思いますが。これではさしものレイも、活躍をシンに譲らざるを得ません。
 それともバビやグフがあるからザクのそうしたパーツは製造されておらず、グゥルとの連携も想定されていなかった、ということなのでしょうか。
 まあ、それならそれで最低限の説明は付きますが、何だかおかしな話なような気もします。だったら地上用の機体に乗り換えれば良いのに、とも。ザクのパイロットの二人は赤服だし、タリアがフェイスになったのだから、予備の機体としてゾノともどもミネルバが持っていっても別に支障はないと思いますがね。ハンガーにも余裕があるだろうし。機種変換云々もあるでしょうが、その局面に上手く対応出来ない機体で出撃するよりは余程マシなように思えるのですがねえ。
 そもそも、こんなに用途限定の局地用MSを生産出来るだけの枠がユニウス条約にあるのなら、ニューミレニアムシリーズなんて開発しなくても良かったんではないかとも思うのですが(まあ、ユニウス条約が具体的にどんな条約なのかも本編では触れられてはいませんから。辛うじて判るのはミラージュコロイドによるステルスが条約違反なのくらい(補足の蛇足ですが、「海の上で」とタリアに否定されたアーサーの発言でしたが、水上艦艇ならばミラコロの恩恵は受けられると思うのですが。フィラデルフィア・エクスペリメントみたいに))。
追記:別のサイトに寄せられたコメントで「ミラコロでも航跡は隠せない」とありましたが、それはあくまで哨戒機が飛んでいればの話。レーダーにもソナーにも母艦らしき影が見当たらない、となればミラコロを疑うのは‐まして、宇宙で一度やられていることを鑑みれば‐むしろアーサーの方が正しいのではないかと思います。
 っていうか、このやり取りから飛行するMSの航続距離が類推出来るかも。レーダーの有効半径の外から飛んで来ることは通常有り得ない、という固定観念がこの世界ではあるのかもしれません。
 だからタリアも、アスランに拠点は見えないかと尋ねたのでしょう。
 ちなみにソナーの有効距離は1.8km。レーダーのそれはイージスシステムで500km以上であると言われているそうです。(2/6)。

・細かい人物描写は良いんですけどね、相変わらず。
 連れて行って貰えないと拗ねるステラをあやすスティングとか、ネオに甘えるステラとか。アウルに暴言を吐かれても、口調一つ変えず切り返すネオとか。
 再登場したファントムペインは家族的になって、なんかいい感じです。これでイアン・リーがいれば言うことなし、なのですが。
 その一方、インパルスに撃ち抜かれ断末魔の瞬間、恋人の名を叫んで死ぬウィンダムのパイロットとか。逃げようとした所を銃撃にあい、血まみれになって殺される原住民。波打ち際に沈むウィンダムの残骸。こうしたことを重ねて、戦争の悲惨さを訴える、という意向なのでしょう。
 何より、無言のままミネルバに背を向ける原住民というラストシーンは、彼らにとっては所詮連合もザフトも日常を奪う余所者でしかないのだなあ、という印象を受けましたね。スエズではどうなるのでしょうかね。

・来週は再びストーリーの谷。人物描写が中心となるようです。シンとアスランの確執。流離いのアークエンジェル等で、戦闘は多分ないでしょうね。
 そういうドラマ部分も大切なのだけれど、そういう中にも戦闘シーンを入れる工夫をして欲しい、と思うのは視聴者の勝手な期待でしょうか。

 満足度=☆☆★★★(二個)
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by shunichiro0083 | 2005-02-05 21:23 | 感想
2005年 01月 29日

特別編・EDITEDのこと

・まあ、結局は特別編という名の総集編だった訳で。当たり前と言えば当たり前に過ぎるので、ここについてのコメントはスルー。
 さて、意外だったのはアーモリーワンにおけるガンダム強奪が殆ど省略されていたこと。これは今回の特別編が見ていない人を対象にしたのではない、という証明でしょうか。ユニウス条約締結から、一足飛びにユニウスセブン落としとそれによる再びの開戦に話が進んでしまいましたから。
 そういう意味では、世界情勢が世界地図とともに映し出されたのは良かったです。
 それにしても、中立国がオーブしかなかった、っていうのが凄い。ということは、今「コミック版アストレイ」で展開している南アメリカの独立の騒ぎも、結局は鎮圧されて終わっていたということになります。
 僕としてはユニウス条約締結後の地球は大半の国の連合加盟と、少数の中立国(旧親プラント国家)という色分けではないか、と思っていたので世界が連合とプラントの領地、そしてオーブという体制になっていたのはもの凄く意外というか、驚きでした。
 それは何故かと言うと、大西洋連邦からの侵略を受けたオーブは降伏勧告を受け入れ、その保護下に置かれた-と、データコレクション(下)にはあったからです(88頁)。そのオーブが再度の独立を許されたということは、それに対する国際的世論の反発でもなんでもいいのですが、連邦にそうすることによって保護下に置くよりも政治的メリットがあると判断されたからの筈。
 そうなると、オーブ以外にも連合に加盟していない国があり、だからこそオーブは政治的判断-そういった国々に対する配慮-によって独立させられたのだ、と思っておりました。そうでなければ何故、少なくはないであろう犠牲を払ってまで自国の保護に置いたオーブに独立を許してしまうのか。
 実際、連邦から独立したオーブは代表首長のカガリによって積極的な-言い換えるなら反連合的行動を行っていた筈。それはカガリがいくらお忍びとはいえ、プラントにまで出向いてトップ会談を行っていることから推測出来ます。と、言うか、そうでなければデュランダル議長も会いはしないでしょう。単なる連邦の可愛らしい傀儡に会う必要性など、誰も認めはしない筈です。
 まあ、連邦がカガリの行動を十分、御しし得ると思っていたからこそ、オーブの独立を許したのは言うまでもないことでしょう。そうして類推するなら、セイラン家こそは連邦からお目付け役を課せられていたのであり、だからこそ“はじめに連合ありき”な考え方な訳です。
 で、こうして明らかになった世界情勢を鑑みてみますと、「種運」の冒頭からカガリが執拗に叫んで来た理想論が、如何に現実を見ていなかったが判明してしまいました。
 そして、ウズミと一概に比較出来ないことも。ウズミの時代にはまだ、親プラント派の国家や、実力者もいたのでしょう。それは南アメリカが連邦に武力併合されたという、年表の記事からも明らかです。
 しかしながら、C.E.73年の地球には連合に全ての国家が加盟しており、中立を標榜する国はオーブ以外のどこにもありません。そして連合加盟国が力と数の論理でその歩調を合わせられることは、連合のプラントに対する宣戦布告の素早さからもはっきりしています。
 そういう世界の中で、ただ単純に理想を叫んだ所で、誰からも相手にされないのは当たり前のことで。優れた施政者とは現実と理想の二つを眺めつつ、この両者の距離と溝を如何に縮め、埋めるかを考えて実行に移す者のことの筈。残念ながら、代表首長となったカガリにはこの辺の所が理解出来ていなかった様子です。ここいらは勉強不足もあるし、本人の資質という部分もあるよう。ウズミ様はカガリに帝王学を学ばせていなかった風ですが、せめて「君主論」くらいは読ませておくべきではなかったか。

・まあ、そういう訳で今回の特別編の収穫はオーブを取り巻いていた世界情勢が判明したこと。この一点に尽きます。これが判れば、「種運」で不明瞭だった部分が結構、判ってきますから。
 あ、あと、ナレーションは白鳥哲さんだった訳ですが、EDロールでは単純に「ナレーション」で、サイとしての独白ではなかったようです。
 個人的にはミリアリアがカメラマンで、サイがフリーライター、というのを期待していたのですが。

 ・・・と、ここまで書いておいて何なのですが、少し修正。画面で流れたあの条約前後の世界図はユニウス条約ではなく、世界安全保障条約とかいう同盟条約のことだったのですね。思い込みがあった為に、少し間違えてしまいました。取り敢えず、ユニウスセブン落着前まではオーブの他にも中立国はあったようです。
 ただ、それでも南アメリカが連合に与して中立を守っていられなかったのは確かです。また、赤道周辺の国家群や北欧の中立国家が、ユニウスセブン落着を機に連邦を主体としている(であろう)開戦同盟に参加したことも明らかになりました。
 ここから見えて来る部分としては、中立を維持したかったカガリが他国への働きかけをせず、また、そのチャンネルを持とうとしなかったことが挙げられるでしょう。と言うのは、プラントへ直接赴けるのなら、地続きの地球国家へはもっと容易く行けたであろうからです。幾らオーブの国是が中立であろうとも、単独での中立は不可能であることはアズハが生命がけで示した筈。
 そういう意味でも、カガリは自身の理想のみに拘り、周囲へ目を向けることを怠った、という批判は甘んじて受けねばならないでしょう。
 で、そうなるとオーブの独立も他の中立国へのカムフラージュという意味合いが強いようです。そうなると、やはりカガリ政権とは連邦の意思に従うセイラン家があっての傀儡政権であった、と考えるべきなのかもしれません。
 あと、中立国の同盟への参加ですが、これにはユニウスセブンの被害が赤道を中心とした地域に集中している、ということと無縁ではないでしょう。地図を見て貰えば判る通り、殆どの中立国が赤道周辺に集中しているからです。こうなっては、国民感情を納得させる為にも、各国政府は条約に調印せざるを得ないでしょう。
 こうなると、ユニウスセブンが大西洋連邦に大きな被害を与えなかったことと合わせて考えると、あの落着工作そのものに重大な疑惑が存在すると言わざるを得なくなって来ます。何故なら、結果的にあの悲劇はブルコス、コーディネイター双方の強硬派にこの上ない口実を与えているからです。落ちる場所が特定されていた-そう考えることはあながち間違いではないようにも、思えます。
 それが出来るかどうかは兎も角、ユニウスセブンが安定軌道から外れ、地球へと落ちるタイミングには何らかの意図が働いていたと考えるべきなのではないでしょうか。
 まあ、そんな神算鬼謀が立てられるのは夜神月(byデスノート)くらいのものかもしれませんが。
 
 以上、敢えて恥を晒し、今後の自戒とすべく記事そのものの修正は行いません(1/29 24:20)。

 満足度=☆☆★★★(二個)
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by shunichiro0083 | 2005-01-29 19:25 | 感想
2005年 01月 22日

PHASE‐15 戦場への帰還

・冒頭、何も知らない(知らされない?)アスランはセイバーでオーブへ向かうも、ムラサメ2機での迎撃に合います。増援として送られる先のミネルバがオーブにいると思っての行動な訳ですが、情報収集もそこそこに向かっているのかと思うと頭が痛くなります‐それとも、カガリ恋しさでしょうか。
 これは前回はあえて触れなかった話題なのですが、オーブを中心とする地球上の時間の流れと、アスランを主軸にしたプラントのそれはどういう風にリンクしているのでしょうね。8話の最後で一旦分離したストーリーは、その後殆ど接点なく進んで行ったように思えます。この辺りの時間描写がはっきりしていないから、アスランの言動が視聴者からはおかしく見えてしまうのではないですかね。
 まあ、プラント本国と連絡を取ったであろうアスランはようやくミネルバの所在を突き止め、カーペンタリアに移動します。っていうか、本編の流れを素直に受け止めるならアスランがプラントを出国する時にはもう、ミネルバがオーブを出たことをザフト本部は知っていたのではないですかね? 
 どうにもこの辺りの描写はよく判りません。やっぱり、地球に着いた時にアスランが驚くだろうと議長が仕掛けた悪戯なんでしょうか。そうでもないと、危険な前線に赴くアスランがああも精確な情報を与えられなかった意味が理解出来ませんから。
 微笑ましかったのは、カガリがキラとともにいると無条件に安心しているアスランの独白くらいでした。

・ミネルバクルーの皆を驚かせつつも、セイバーはミネルバに着艦。そりゃあ、クルーも驚くでしょう。カガリ付きの武官・アレックスがアスランとして‐しかも、ザフトのトップエリートとしてやって来たのですから。
 それにしても、シンのお行儀の悪さは特筆ものです。幾ら階級が存在しないザフトとはいえ、隊長クラスをはるかに凌ぐ権限を持つ“フェイス”のメンバーにまともに敬礼しないばかりか、食って掛ろうとするのですから。その後もシンのアスランを見る目には、厳しいものがあります‐その辺りはアスランも同様ですが。
 この辺りのシンの心理としては、一度プラントを裏切った人間が出戻るのを由と出来ない少年の潔癖さ。そして、自分の家族を死に追いやったオーブを裏切ってたやって来た、という部分が錯綜しているのではないかと想像します。
 そんなシンもアスランの実力は認めている訳で、今後のユーラシアとの戦いの中でこの二人の心の交流も進んで行くのでしょう。そうでないと、「種運」の主人公として、シンが惨めに過ぎます。まあ、アスランがミネルバと合流したことで物語の視点も絞られて来るでしょうから、今までよりは出番も増えること間違いなしです。

・で、前回保留にしたカガリの問題ですが、キラらが問題の本質を深く考えずに先走ってしいまったことがここに来て露呈してしまいました。
 ウズミの考えを尊重するのなら、今はまだああいう形での実力行使に及ぶべきではなかった筈。政治改革や外交努力をあっさり放棄し、国家元首を誘拐して国外へ脱出しまってはオーブという国に対する責任もへったくれもありゃしません。
 「選ぶ道を間違えたら、行きたい所へは行けない」とキラは言いますが、それも適切な判断があってこそ。カガリを連れ出し、地下ならぬ海中に潜っても何にもなりゃしません。キラが本気でオーブと世界を何とかする気だったら、無血クーデターを敢行してセイラン一派を放逐してカガリの親政が可能なようにすべきでしたね。そうすることによって初めて、オーブはこの世界の流れに否と唱えることが出来た筈なのに。
 今後、ストーリーがどのようになるかは判りませんが、唯一救いなのはカガリ誘拐の事実が公式には否定されているということでしょう。アングラには国家元首誘拐の事実が流布しているとは言え、 行政府が認めない以上アークエンジェルは犯罪者にはなりません。罪がないのなら、捕まえることも出来ないのです。
 多分、カガリはこのことを錦の御旗にして、国政に復帰するのでしょうね。

・しかし、ミネルバはオーストラリア大陸のカーペンタリア基地からスエズを目指すのでしょうが、それにしてもなんで随伴艦が必要なんでしょう。ひょっとしたらミネルバの飛行能力は恒常的なものではなく、ある意味“火事場の馬鹿力”みたいなものなんでしょうか。
 何故、そんなことを気にするのかというと、通常艦船がオーストラリア‐スエズ間を航行した場合、5週間程かかるからです。まあ、これは民間の船の場合ですから軍艦であるミネルバらにそのまま適用出来る訳ではないでしょう。それでも倍の速度ということもないでしょうから、やはり一ヶ月は優にかかると思います。
 迅速な作戦行動を取るつもりが議長にないのだ、と言ってしまえばそれまでですが、それにしてもあんまりな作戦行動ではないかと思います。スエス地区ならジブラルタル基地が近いのですから、どうしても随行艦が必要ならそこから出して貰えばいい筈。もっとも、それを言い出したらそもそもカーペンタリアのミネルバがわざわざ出向くこともない。アーサーの不平も尤もなんですよね。
 漏れ伝わって来る情報では、どうやらここで連合のMA・ゲルズゲーとやらが出張って来る様子。と、なると、議長はわざわざ戦闘が勃発するであろう場所にミネルバを追いやることになります。まあ、ユーラシアの反政府運動が活発な地区に行けという命令なのですから、当たり前と言えば当たり前ですが。こうなるともう、積極的自衛権の行使、と言う言葉が虚しく響きますなあ。

・そうそう、ちらっとですがファントム・ペインの皆さんの出番もありました。ネオもその席を空母に移し、ミネルバを追うようです。しかしまあ、宇宙用のエグザスは地上では使えませんから、一説によるとローエングリンと陽電子リフレクターを兼ね備えたMA・ゲルズゲーをも超える、更に傾いたMAに乗ってくれることでしょう。いやあ、楽しみです。

・カーペンタリア基地の描写を見る限り物資も豊富で、食料などにも苦労はしていないようです。酒場にはご丁寧にピアノまで置いてありました。それを爪弾くレイ‐見た目通り、多芸のようです。
 ミネルバのクルーに関して言えば、ホーク姉妹の違いが鮮明になって来ました。何時買えなくなるかもしれないからと、化粧品を籠一杯に買うメイリン。そしてそれを冷ややかな目で見るルナマリア。その一方で、二人ともアスランに興味を示すシーンは、OPの背中合わせに離れて行く二人と関連があるとも思えます。
 まあ、今回はインターミッション。スエズに赴くミネルバはそこに何を見るのでしょうね。そう言えば、タリアが任務についてアスランに説明している際の映像少々えぐくて、どうかと思いました。まあ、それを独り見つめる議長、という方が重要なのかもしれませんが。

・で、来週は特別編‐EDITEDです。内容は総復習ということのようですが、どんなものになるのでしょう。期待半分、不安半分ってところですかね。

 満足度=☆☆/2★★★(一個半)
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by shunichiro0083 | 2005-01-22 23:36 | 感想
2005年 01月 16日

PHASE‐14 明日への出航(たびだち)

・アバンタイトルは前回のおさらいでしたが、OPは今回から変更です。それに伴い、映像も変更されているのですが・・・なんじゃありゃあ?! と思わずTVの前で叫んでしまったのがあの、「金色のMSと虎」ですよ!
 まあ、両手両足が満足になったのならアークエンジェルのブリッジにはじっとしてはいられないだろうし、何よりあの艦にはマリューという正式な艦長がいますから。まあ、判らんではないのですが、それにしても金色のMSとはねえ。今度は“砂漠の虎”ならぬ“金色の虎”とでも呼ぶようになるのでしょうか。
 また、ザクのパイロットとして新キャラも登場するようなので、ここいら辺も今後のお楽しみですな。何となく、ギル絡みだろうという予想はしていますが。

・本編の冒頭でアッシュがザフトの最新鋭MSであると、虎の口から語られました。カガリとユウナの関係もマーナの口から公表されて、この辺りの錯綜していた情報は整理されましたね・・・っていうか、これをアバンタイトルでやればいのに、とも思います。
 そのマーナがカガリから預かった手紙にはその心情が伝わってきます。これも本編からの印象とは大きく異なっていると言う感じもないので、やはりカガリというキャラクターは不幸な役回りを貰ってしまったのだなあ、と思います。マリューも虎もキラも、事情はあるにせよもう少し力になってやっていればこんなことにはならなかったろうに、とさえ。

・ウェディングドレス姿のカガリの回想シーンはちょっと長いですが、あそこら辺はやっぱりいいシーンですね。あれこれ言いますが、「種」も戦争の非道さ、理不尽さをキラとアスランというキャラクターに集約したそのやり方は良かったと思うんですよ。
 特にあのカガリの台詞‐殺されたから殺して、殺したから殺されて、それで本当は最後に平和になるのかよ?! というのは出色の出来ですね。ただ、その後が続かなかったんだよなあ。そこが一番の問題なんだよねえ、「種」の。

・閑話休題。セイラン家に半ば幽閉のようにして花嫁修業をさせられていた日々は過ぎ、事態は結婚式当日に。ここでもどれくらい時間が経過したかははっきりとはわかりません。それにしても髪を長くしろとか、口の利き方が悪いとかカガリに小言を言うユウナはいよいよ、これまで隠し通して来た傲慢ぶりを発揮し始めたようです。うーん、小悪党っぷりとダメ亭主ぶりがいっそお見事です。
 一方のキラサイドはメンバーが集結し、いよいよ本格的な活動を開始します。キラママやマルキオ導師とその子らに別れを告げ、アークエンジェル発進です。で、少なくともハンガーにはフリーダムの他、ムラサメと思しき可変MSと、更にその奥にもう1機MSがあるようです。OPから察するに、ストライクルージュではないかと思われます。
 まあ、断言は出来ませんが前話のフリーダムの地下ハンガーと言い、今回のアークエンジェルの地下ドックといい、なんらかの大きな力が働いていると考えるべきなんでしょうね、裏設定的には。マリューの偽名の立場がモルゲンレーテであったことから、前述の二点にも関わっていると考えても然程不自然ではないと考えます。
 また、今回のアークエンジェルは完全に可潜艦としての機能が備わっていますが、「種」での描写からはあり得ない筈です。それが出来るのなら、海上であんなバレルロールなんてことをしなくとも良かったでしょうから。と、なると、2年間の沈黙で大幅な改修がアークエンジェルには施されており、それにはいくら個人の力を結集しても限界があるだろう、という結論にならざるを得ません。
 が、この辺りの考察はまた後日に。

・そんなこんなでアークエンジェルは出撃し、フリーダムも発進(この辺りも問題はありますかね。核エンジンの整備施設の有無とか)。キラは一路、結婚式場へ。式場では「カリ城」を髣髴とさせる政略結婚のクライマックス、神への誓いがカガリの唇から紡がれようとしたまさにその瞬間、何故かフリーダム来襲の報が流れます。
 その直後、M1アストレイ4機を一瞬にして戦闘不能にして、フリーダムが舞い降ります。で、セイランはこの時なんとカガリの後ろに隠れてしまいます。どうやら、頭の中で自分が思い描いたシナリオ以外のイレギュラーが起きると、何も出来なくなってしまう秀才クンのようです。フリーダムの手がカガリに伸びると、それを庇いもせず一人だけ逃げ出してしまうし。いや、お見事です。いい味、出してます。
 こうしてカガリを無事、拉致したキラは平和の象徴たる鳩を追い越して、追撃するムラサメ2機を小破させ、無事帰還します。そしてアークエンジェルは第2護衛艦群が取り囲む中、も一度海に潜って姿を晦ませてしまいました。でも、なんで海に潜られると何も出来ないんでしょうねえ。オーブの艦船には対潜装備はついていないんでしょうか? カガリがいるから攻撃出来ないのなら、そもそも空も飛べるアークエンジェルには何も手出し出来ませんがな。
 まあ、そんな機材の不備はこの際問題ではなく。波間に姿を消したアークエンジェルを、トダカ司令を始めとする各艦の艦長達は無言の敬礼で見送ります。その際にカガリを奪い返せなかったと喚き散らすユウナと対比させることで、艦長達とトダカ司令の漢っぷりが余計に引き立つってもんです。
 こうして司令らの、おそらくは侍女のマーナの願いも受け。カガリと世界の希望を乗せて、アークエンジェルは旅立ったのでした。

・うん、今回も面白かったですね。喜久子さんの台詞もあったし。
 このところ、いい話が続いていて嬉しいです。願わくは、話の波の幅を出来るだけ小さくした構成をお願いしたいですねえ。戦闘のない話を三週続けて、その後に盛り上がる話を三週続けるという、振幅の激しいのはちょっと勘弁して欲しいっす。
 来週はミネルバにセイバーが着いてからの話になるようですが、まだアークエンジェル側の視点もある様子。“敵の敵は味方”理論で、ミネルバとアークエンジェルは共闘するのか。或いはプロパガンダの一環として、カガリはギルに取り込まれてしまうのか。カガリとアスランは痴話喧嘩をし、その溝をミーナは突いて来るのか、とか。興味は尽きませんなあ。
 まだ、暫くは「種運」で楽しめそうです。

 満足度=☆☆☆★/2★(三個半:ユウナのあまりのヘタレっぷりに)
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by shunichiro0083 | 2005-01-16 15:03 | 感想
2005年 01月 10日

PHASE‐13 よみがえる翼

・さて、前回の回想が終わると視点はミネルバからオーブに切り替わります。と、言うことはシンの出番もここまで。
 そんな中、ギルの専門がDNA解析であることがアーサーの口から語られます。そして、その会話の中からはやはりコーディネイターの中でも一種の選民思想があることが類推されて興味深い所です。
 まあ、コーディネイターとナチュラルの対立の一方の根は選民思想な訳ですから、当たり前と言えば当たり前なのですが。コーディネイターの社会と言うものがどういうものなのかは今ひとつはっきりしませんが、少なくとも遺伝子の優劣が社会に出る際のはじめの一歩を左右する程度のことはあるようです。

・さて、そんなこんなで場面は(多分)首長級の方々専用慰霊碑にお参りするカガリと、そこへやって来るユウナ。ここでユウナが黙祷を捧げるあたりは上手い、と思います。変なとこは描写が細かいんですよ。
 ここからの車中での会話は爆笑モノです。本来なら関係ないんですよ、アスハとセイラン家の結婚なんて。少なくとも、オーブがまともな国なら。中立を破ってどこと条約を結ぼうが、世界情勢が不安だかろうが、それと今回の結婚話はなんの関わりもないんです。
 まして、自分が好きな男と結ばれたいから、その想いを優先させて国を滅亡に追いやるなんてことと、ユウナとの結婚は完全に別の話なんですよ。余談ですが、カガリの追い込まれ方は自己啓発セミナーの遣り口にそっくりです。頭ごなしに人格を徹底的に否定され、本当にどうしていいか分からなくなるまで責め続けられて自身を喪失した所に救いの手を差し伸べられると、その手にすがり付かざるを得ないと言う。セイラン親子の手法はまさにそれですね。尤も、それをまんまと成功させた要因の一つはアスランがいなくなって、カガリが孤立無援になったことな訳ですが。
 もうちょっと話がずれますが、今回カガリが政治絡みでここまで苦境に追い込まれるのは事情はどうあれちゃんとした側近やブレーンを置くことが出来なかった‐これに尽きると思います。だからこそ、カガリは老獪なセイラン親子にあそこまでしてやられている訳です。古い喩えで恐縮ですが、パタリロにはタマネギ部隊や長官がいるように、年若い元首にはそれなりの質と量を持った輔弼する人々が必要なんですよ。
 勿論、製作者サイドとしてはそれではオーブがまともな国になってしまい、お話を転がす上では旨味があまりないということもあったのだと推測出来ます。まあ、お話の持って行き方も関係しますが、もしカガリがちゃんとした側近集団を手に入れていたら、セイラン親子にあそこまで翻弄させられずに済んでいたでしょう。アスランも、単身プラントに上がるという選択が今以上に説得力のないものになっていたであろうことは明白です(いや、ちゃんとした人達が揃っているから、安心して旅立てる‐とかいう展開にはなったかもしれない)。
 で、劇中の事情を言えば本来、その役目を負う者こそ、セイラン親子であった筈なのですね‐多分。ここいら辺はセイラン親子がカガリの前で上手く振舞ったのでしょう。協力者であると見せかけてカガリを安心させ、その有能さを見せ付けて信用を取り付け、その一方で自分達の邪魔になりそうな人材は慎重且つ巧妙に政治の表舞台から排除して行く・・・。キサカがカガリの傍にいないのも傍証になるかもしれません。

・で、短くも醜い遣り取りが終わるとマルキオ邸です。マリューさんと虎がなにやら、いい感じです。この時、虎がプラントへの移住を口にします。それにマリューを誘うのはさておき、ならば何故最初からプラントではなく、オーブに移り住んだか、ですよね。故国を捨てるのなら、そこには何らかの理由がある筈ですから。
 なんで、個人的にはマリューや虎っていうのは父の後を継いで国家元首となったカガリをサポートする為に敢えて、オーブに移り住んだのかなあ、と思っておりました‐最初は。ラクスはね、プラントに居辛いというのはなんとなく分かります。旧政権時代とは言え一度は国家に対する反逆者となり、そのあともはぐれ部隊の指揮官となっていた訳ですからね。そりゃあ、居心地も悪いでしょう。民衆に多大な影響力を持つ彼女がプラントにいることは、現政権にとって都合の良いことばかりではないでしょうしね‐アスランの場合も、これと似たり寄ったりだと思います。
 けど、こうなるとなんでマリューや虎がオーブにいたのかは分かりませんね。まあ、人間のやること全てに理由がつく訳ではない、と言ってしまえばそれまでですが。けど、その方法論で架空のキャラクターに納得力を持たせるのは至難の技でしょうねえ、とか言ってみたり。

・で、夜‐その夜かどうかは分かりません‐、コーディネイターの特殊部隊がラクス暗殺に動き出します。いやあ、ハロは優秀です。キラでさえも気が付けなかった敵の来襲を察知するのですから。これ作ったアスラン、天才かも。
 そういう訳で戦闘に突入です。マリューと虎の粉骨砕身の活躍と、キラの捨て身の行動でなんとかラクスの身は守られるのですが・・・なんで、夜襲してきた連中がコーディネイターって分かったんでしょう? これがブルコスなら、例のスローガンを叫びながら突入して来るだろうから、あっさりばれるんでしょうが。
 まあ、暗視ゴーグルを備えている特殊部隊員と、裸眼でまともやりあってるマリューと虎、なんてえのは野暮な突っ込みなんでしょうねえ。けど、これが逆ならね。「こんな暗闇の中、ゴーグルも付けずに立ち回るなんて‐夜目を強化されたコーディネイター?」とか。台詞にするとすっごく、間抜けですが。
 あと、バルトフェルドの仕込み銃もちょっとおかしかったですね。アレをサイコガンと表現している所もありましたが、あのサイズのちぐはぐさはサイコガンはサイコガンでもしげる・松崎が映画の記者会見でやった方じゃないの、という感じですが。
 そんなこんなでMSアッシュ登場。そして、フリーダム復活です。しかしここの遣り取りから推測すると、どうやらキラはフリーダムが秘匿されているのを知らなかった様子ですね。で、発進シーンがセイバーと酷似していたのはご愛嬌。
 アッシュも背中のミサイルポッドや肩部の2連装砲、腕部のビーム砲や果てはビームクローと、武装てんこ盛りだったのですが。フリーダムで、しかも種が割れちゃあ敵いっこありません。案の定、マルチロックオン攻撃でやられてしまいました。お気に入りだっただけに、少し残念です。こっちも武装を簡略化して、水中戦に特化した一般部隊向けの水中戦用量産型アッシュとかいう感じでの再登場を希望します。
 しかし、「剣心」でもそうでしたが、「不殺」というのは時に残酷なものなのだなあ、と思います。やられる方は生殺しだし、「戦いを生業とする者」としてのプライドも傷付けられてしまうのですからねえ(まあ、そんなものはない方がいいのですが)。今回のキラはちょっとナニでしたね。
 それにしても喋らないなあ、マルキオとキラのお母さん。マルキオはまあ、いいのだが喜久子さんにはちゃんと喋って欲しいと思う今日この頃。
 あと、最後に。あれだけのドンパチをやられておきながら軍も警察も動かないのは正直、疑問でしたね。あの特殊部隊はどうやらザフトの所属らしいですが、だとすれば裏の外交チャンネルかなにかを通じてセイラン親子に連絡行っていて、それでオーブ当局が動かなかったとしか思えませんがねえ。どうなんでしょ。

・で、来週はいよいよ旧クルー勢揃いでアークエンジェル発進です。何処にあんな図体でかいのを隠していたのか、とか。ノイマン達はみんなモルゲンレーテに入社していたのか、とか。サイは一体どうなっちゃうのか、とか興味は尽きません。
 そして、キラは「卒業」宜しくカガリを式場から奪い去るのでしょうか? ああ~、楽しみでしょうがありません。

 満足度=☆☆★/2★★(二個半)
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by shunichiro0083 | 2005-01-10 11:16 | 感想
2004年 12月 26日

PHASE‐11 選びし道&PHASE‐12 血に染まる海

・昨日は1時間枠でのSPでしたので、感想もまとめて。なお、時系列では並んでいませんのでちょっと読みにくいかもしれませんが、ご容赦を。

・2話通しての感想としてはやはり、セイラン親子の遣り手ぶりが如実に発揮されたエピソードでしたね。根回しと正論でカガリをじわじわと追い込んで行くあの手腕はもう、見事としか言いようがなかったですね。
 ただね、カガリの立場になって反論するなら、世界情勢が大西洋連邦(&ブルコス)とオーブとプラントしか見えていないから視聴者も納得するけれど、本当の所はもっと国はある筈なんですよ。C.E.73年での現状がどうなっているかは分からないけれど、地球上の国全てが大西洋連邦の軍門に下っているかどうかまでは判断出来ないんですよね。
 だから、本編では台詞の中で「既に地球の全国家は地球連合に加盟し、意志は統一されてしまった」とか「親プラント国家は存在しない」とか、そんな風に情報をもう少し伝えて欲しいと思いますね。
 あれでは僕のような穿った年寄りは「なんで、オーブの進む道は単独での中立か、大西洋連邦と手を結ぶか、という二者択一しかないないのだろう」とか考えてしまいますね。戦争というものを政治や外交の方面から描こうとするのなら、そういう部分にももう少し気を配って欲しいと思います。

・プラントも結局の所、積極的自衛権の行使という名目で「オペレーション・スピア・オブ・トワイライト」を発動。地球に対する降下作戦を開始します。当面は連合軍に包囲されたカーペンタリア基地の救出、というのが名目となる様子。
 戦火の拡大は望まない、というのは評議会と軍、双方共通のようですが、果たしてそう上手くいくのでしょうか。心配ですね。
 ブルコスは「当初の作戦通り」というジブリールの発言があったので、暫くは鳴りを潜めそうです。と、言うことはファントム・ペインの出番も、もう暫くはなさそうかな。なんか四人でやけに仲良さそうなのが印象的でした。

・ミネルバもプラントの積極的自衛権の行使と、オーブの中立放棄を受けて出港せざるを得なくなります。シンになじられるカガリですが、中立を貫いたが故に前戦争では国土が戦火に塗れ。その辛さ苦さを忘れていないからこそ、その轍を踏むまいと苦渋の決断をしたのに理解しては貰えず。
 つくづく、「種運」になってからのカガリは受難続きです。意に染まぬ結婚は迫られるし。それを跳ね除ける気力も残ってはおらず。どうなるんでしょう。本当にキラは助けに来るんでしょうか? 再び開かれた戦端に、彼は何を思うのでしょう?

・そのミネルバはオーブ領海を出れば前門の連合軍艦隊、後門のオーブ艦隊とまさに逃げ場なし。この圧倒的なまでの兵力差にも関わらず、勝利するミネルバはアークエンジェルを超えた不沈艦と言っても過言ではありますまい。
 このミネルバに対し、連合軍艦隊も秘蔵の新型MA・ザムザザーを繰り出して対抗してよく戦いましたが「種割れ」には敵わず。ビームサーベルの一閃で勝負有、でした。今回のこのザムザザーが搭載していたのは「陽電子リフレクター」なる装置で、ビーム攻撃のみならず大出力陽電子砲の直撃にも耐える優れものです。その他にもヒートクローやビーム砲も備えて、インパルスに初のPSダウンにまで持ち込ませたのですがねえ。いや、惜しかった。
 そう言えば、インパルスはPSダウンを起こしても最低限の戦闘は出来るのですね。なんか久し振りに見たPSダウンだったので、ダウンしたら機能停止かと思い込んでました。噂のデュートリオンビーム送電システムも初お目見えで。どうやら、今回のシルエットシステムにはストライクと違ってバッテリーは搭載されていないとも受け取れる描写です。

・で、これは一言だけ言いたいのですが、何故あの時シンはブラストシルエットではなく、ソードシルエットを選んだんでしょうねえ。最初はザムザザーを叩っ斬る為かと思ったんですが、PSダウンしたフォースの火事場のクソ力で両断しちゃいましたし。その後は八艘飛びで、敵艦を斬って斬って斬りまくる、と。
 別に画面的には無敵のシンなのでどれでも良かったのでしょうけれど、まだ、ブラストシルエットはあんまりいいとこを見せていないので、そっちの方が良かったんではないのかなあ、と思いますね。
 相変わらずツッコミ所は満載ですが、まあ、今回は何時になく戦闘シーンが楽しめたので野暮は言いっこなし、ということで。

・一方、影の主人公ことアスランはニコルら旧クルーゼ隊の戦友の墓参りに。イザークとディアッカも一緒です。そこでイザークからザフトへの復帰を望まれると、考え込むアスラン。どうして明快に否定しないのか。「俺の国はオーブだ」と。
 まあ、人間ですし。若いですし。一度は決断したことも、時が流れ、状況が変わればその意志も鈍ります。一つの意志を貫き通す、ということは口で言うほど大変じゃないとも思います。状況は刻一刻と変わっていますし。
 けどね。セイバーを手に入れ、再びザフトの赤服に袖を通す前に、独りオーブに置き去りにして来た愛する女の顔くらいは思い浮かべて欲しかったなあ、と。何か出来ることはある筈だとプラントに上がったアスランが、自分に出来ることが再びMSを駆ってザフトの軍人になることが次善の策だと選んだ理由が、どうにもピンと来ないのですよね。
 確かに、オーブではいいとこなかったのは想像出来ます。冷飯喰らいの厄介者扱いだったのも。けどね、それを承知でオーブに行ったんでしょ? 好きな女を守って、ともに歩く道を選んだんでしょ?
 だったら、もう少し踏ん張って欲しかったなあ、アスラン。まあ、ミネルバと合流したらそこいら辺の心情も少しは描かれるかもしれませんから。それに期待しましょう。

・来週はザフト軍特殊部隊用MS・アッシュが登場。いやあ、こういうデザイン、結構好きです。ザムザザーも好きです。個人的には連合にはMSは捨てて、このまま高性能MA配備の道を突っ走って欲しいとさえ、思います。
 けど、アッシュも復活したフリ-ダムの前には一斉射撃でやられちゃうんだろうなあ・・・トホホ。

 満足度=☆☆★/2★★(二個半:2話併せてということと、ザムザザーの善戦に報いて)
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by shunichiro0083 | 2004-12-26 14:51 | 感想
2004年 12月 20日

PHASE‐10 父の呪縛

・今回、アバンタイトルは前回の戦闘のダイジェストに加え、それを地上から見上げるキラとラクス。個人的には単にキラが夜空に輝いたそれを核の炎と看破しただけではなく、その光景から何を思ったのかを見せて欲しかったな、と。プラントが破壊されたと思ったのか。それとも迎撃されたのを見抜いていたのか、とか。
 別にね、言葉にしなくてもいい。まあ、個人的にはラクスと子どもの会話を入れるくらいなら、それについて会話させて欲しかったけれど。それが適わないなら、せめてキラに一筋の涙を流させてやって欲しかった。クルーゼを回想させるのではなく。

・今回の一件に対するギルの政治的な考え‐アスランに語ったことは正しい。ここで提示されるのは、少なくともアスランに対してはギルがカガリ同様理想と現実の狭間で苦悩しているという姿を見せた、という事実である。ギルはプラント最高評議会の議長であり、事実上全コーディネイターの行く末を左右する存在なのだから。
 そこで彼が示すのはおそらくはカガリよりも思索し、本音と建前を巧みに使い分けることで多くのシンパとブレーンを有している、ということだ。そうでなくては、あんなラクスの偽物に演説をさせたりはしないだろう。それをするには画面に見えるミーアのお付きの二人だけでなく、もっと多くのスタッフが必要だからである。
 ギルについては疑いはじめればキリがない。セイバーをアスランに譲渡する件にせよ、彼はアスラン‐或いはアレックス‐をザフトの所属に出来ると言外に仄めかしている。それは単なる議長特権では無理だろう。何せ、巨費を投じて造られたザフトの最新鋭MSなのだから。そこで穿った見方をするなら、ギルはザフトの上層部‐上級指揮官層にも単に議長としてだけではない影響力を持っていると推測されるのだが。

・一方、苦悩するアスランに対してギルが語ったのも真実である。アスランは父・ザラの残した負の遺産までも背負い込もうとしている。まるでそれが、自分の運命であるかのように。
 それに対してギルが語る言葉は優しく、正しい。父と子はあくまで別の人格であり、父の犯した罪を子が負うことない。また、発せられた時から言葉は独り歩きを始めるということも。全て真実だろう。
 だが、パトリックの行動を断罪するアスランに対し、ギルはパトリックの行為を半ば肯定する。パトリックなりに、コーディネイターのことを思ってしたことだったのだろう、と。恐らくそれは、アスランにとっては久し振りに聞く慰めの言葉だったに違いない。だが、それは仮にも一国の指導者たる身で口にする言葉だったかどうか。自衛の為の戦いならばまだしも、敵国に侵攻してしまったら、それは侵略戦争という口実を敵に与えてしまうのではないだろうか。
 そういうことを主導していた人間を、ああいう形で評価してしまうことに引っかかりを感じざるを得ない。しかも極秘裏とは言え、オーブの特使としてやって来ているアスランの前で言うべきことだったろうか。けれど、そうすることでアスランに、自分も同じ十字架を背負う仲間なのだと、言葉巧みに語りかける。そうしたところを加味して行くと、やっぱり今回のこの台詞やセイバーの譲渡にも何らかの裏があるのではないか、と勘繰らざるを得なくなってしまう。

・机に拳を打ち付けるカガリと、壁に拳をぶつけるシン‐この二人の抱く感情はどうなんでしょう。同じものなのか。それとも、似て非なるものなのか。多分、カガリはネチュラルとか、コーディネイターとかではなく、単純に悲劇を繰り返そうとする両陣営に怒り。シンはプラントに攻め入ったナチュラルに対して怒っているのではないかな、と。
 カガリの抱いた感情というのは、ユニウスセブン落着を招いたコーディネイターも込みであってではないかと、推測している。何故なら、それが今回の連合軍のプラント侵攻の直接のきっかけだから。カガリの中では前戦争というのは、ユニウス条約で完結しているから。
 けれど、シンは違う。シンの中ではまだ、戦争は終わってはいない。終わったとされていることを、受け入れていない。あれは‐父母や妹が死んでしまったのは仕方のなかったことなのだと、シンは思っていないのだ。
 勿論、歴史年表を見ればこのナチュラルとコーディネイターの迫害と対立のそもそもの原因がナチュラルにあるのは明白である。ナチュラルがいなければ、コーディネイターという存在がこの世に生まれ出ることはなかったのだから。
 だから、コーディネイターに対してナチュラルは支配者として君臨する理由があると言い。片や、最早コーディネイターは独立した一個の種であるという主張がぶつかり合い、悲劇が拡大再生産されていく世界。それがC.E.というものであることをカガリは肌で感じ取っているのだろうし、アスランは理解し、そしてシンは拒絶している。何故なら、それを是としてしまったら彼の想いは行き場をなくしてしまうからである。
 実はシンの考えは根っ子のところで彼が忌み嫌う、戦いを望む者と同じだから。シンは自ら暴力は振るわないが、歯向かう者には容赦しないという人物設定とも読み取れる。では、それが目に見える力ではなく、目に見えない悪意であった時、彼はどのように対応するのだろう。武力ではないが、陰謀術数によって自分が属する世界が深刻な危機に陥った時、シンはそれを実力で排除するに違いない。そしてその論理と行動こそ、程度の差こそあれ、今回地球連合が採った武力行使に至る道筋と同じなのである。
 だからこそ、シンはカガリを否定せねばならず、アスランの行動に異議を唱えねばならないのだ。

・更に踏み込んで言えば、今回の戦闘によってプラントの世論はナチュラル討つべし、に傾き始めている。主戦論が主流になっている、という言い方も出来るでしょう(プラカードには「リメンバー・ユニウスセブン」ですから)。平和を望む声も、その勢いの前には封殺されてします。
 そこへ現れたのがラクス・クラインことミーア・キャンベル。ラクスとして語る彼女の言葉によって民衆は沈静化し、ひとまず最悪の事態は避けられたようです。ギルとミーアの言葉を総合すると、ギルはこのような事態を予測してミーアを偽ラクスとして養成していた、ということになります。無論、ラクスのカリスマ性を自分の手駒として利用する為でしょう。
 今の所、その正体はクローンではなくそっくりさん、ということになっている様子です。ですが、果たしてどこまで本当なのかは疑問符が付くところ。そう言えば、歌は似ている、とは言っていても容姿が似ているとは言っていなかったような。
 果たして、ギルは本当に開戦を望む声を封じる為にミーアを必要としたのか。TV演説だけで済ます気があるのなら、既存の映像データからのサンプリングでも構わないのではないのか。ああいうタイミングでアスランと会い、食事を一緒にしているという描写からは偶然ではなく何者かの作為を感じてしまいます。
 
・ラストシーン。アスランはそう遠くない過去を回想します。そこで噛み締めるのは今の自分‐アレックスという存在の不確かさか。それとも思い、動きながらも現実には何も出来ないでいる、自分の不甲斐なさなのか。
 アスランは果たして、どのような選択をするのでしょう。

・次回予告によると、来週PHASE‐11ではザフトが地上に侵攻作戦を開始するようです(ザフトのMSが降下カプセル輸送艦に積み込まれてる様子が映ってました)。
 そうしたことから考えると、製作側は「種」がアバンタイトルとナレーションで済ませたものを本編でやっている、ということになります。さて、それが何を意味するのか。本編全体の中で、どれ程重要な位置を占めるのか。今はまだ分からず、推測するにもちょっと情報が少なすぎます。
 単純に前作との差別化、というだけでなければいいのですがね。

 満足度=☆☆/2★★★(1個半)
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by shunichiro0083 | 2004-12-20 14:08 | 感想
2004年 12月 12日

PHASE‐09 驕れる牙

・地球連合がプラントに対する要求の内容‐ユニウスセブン落着を引き起こしたテロリストの逮捕、引渡し・賠償金の請求・ザフトの武装解除・現政権の解体・連合理事国の最高評議会監視員派遣‐が明らかになりました。まあ、これでは最高評議会の皆さんも受け入れられないと憤るのも当然でしょうし、意見が分かれるのも当然です。
 主戦論が会議の大勢を占める中、議長は現実的な判断を下します。それは連合との対話による解決を継続しつつ、迎撃準備も怠りなく進めるというもの。まあ、その指示そのものは間違ってはおりますまい。ただ、ことさら「血のバレンタイン」を強調し、忌まわしい思い出を喚起させるという部分には開戦へのアジテーションを感じずにはいられません。

・さて、もう一方の(恐らくは)大西洋連邦の元首で地球連合の代表氏は未だ引き籠もりっぱなしのジブリールにお伺いです。ここだけ聞いてると如何にも良識的な政治家に思えますが、もうこの時点で月面・アルザッヘル基地に出撃準備の命令を下していることを忘れてはならないでしょう。
 こうした連合の発表にシンら人々の反応も様々ですが、特筆すべきはやはりオーブ五大氏族の一つ・セイラン家の動きです。このタイミングで如何にも偉そうな人間と談笑しているのは、そこに何らかの陰謀が蠢いていると邪推されても仕方ありますまい。
 で、ホワイトハウスとジブリールの密談は陰謀論以外の何物でもない訳で、ここでブルーコスモスが単なる武力差別団体ではないような話が開陳されます。このジブリールの台詞を頭から信じるなら、ブルーコスモスとは俗に言う“影の世界政府”であることになります。
 そしてコーディネイターを彼らがあれ程までに排斥したがるのは、彼らの計画外から生み出されてしまった不確定要素だからだとも、ジブリールは語ります。けど、ここで問題なのはブルーコスモス自体は独自の軍事力を保有していない、という所です。事を起こす時、ブルーコスモスはあくまでも既存の軍隊を用いて済ませます。それは「血のバレンタイン」然り。今回の連合軍宇宙艦隊も、です。
 逆に言えば、第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦でザフトの指揮系統が一時的に混乱した時、ブルーコスモスが連合軍以外に動かせる独自の戦力を持っていたならばコーディネイターは一人残さず虐殺されていたでしょう。
 これは何を意味するのか。それとも意味など何もないのか。ジブリールの長台詞に被った映像は一体、何の暗喩なのか。取り敢えず、あれほどの大災害となったユニウスセブンの落着が落ちたらあとは異常なし、ということが異常だとも思いました。よく、“核の冬”が起こらなかったものです。

・そう言えば、先のユニススセブン落着の被害は赤道地帯に集中していて、大西洋連邦やユーラシア連邦は全くの無傷だったそうで。正直「んな訳ないだろう」と思いますし、現に前回アメリカ大陸の平原と思しき所にも破片は落ちています。
 まあ、それは偶然だと思いたいですが。かくして、ロゴスの危惧も何とやら。無傷のアルザッヘル基地からは連合軍宇宙艦隊が出撃し、それを迎え撃つザフトも新造母艦・ゴンドワナを中核とする迎撃艦隊の布陣を完了させます。
 まあ、相変わらず時間経過はよく判りませんが、夜も更けたところで宣戦布告です。当然、攻められるプラントはざわめきますが、そんな中でもギル議長は「脱出したところで我らには行くところなどないのだ」とか言って、皆の危機感を煽ります。この台詞を督戦に感じないのは先入観からですかねえ。
 こうして戦端が開かれた地球連合軍とザフトですが、今回の戦闘にはどうもNジャマーが使用されていない様子です。何せ、ブルーコスモスかぶれの連合軍奇襲部隊が行う核攻撃を脅威に感じていますから。「血のバレンタイン」云々と言っている割には、あまり教訓として活かされていないようです。
 まあ、今回は偶々、偶然、奇襲部隊の位置に三隻だけの‐その内一隻は新兵器・ニュートロンスタンピーダー搭載艦がいたお陰で事なきを得ます。このニュートロンスタンピーダーの威力は凄まじく、核ミサイルはおろか、その背後にいたウィンダム部隊や奇襲艦隊そのものも宇宙の塵にしてしまう程でした。その名前から想像するに物質中に含まれるニュートロン(中性子)に干渉、振動させる量子論的力場を放射することで崩壊させ(スタンピード)、破壊するものなのでしょう。
 しかし、なんでこの奇襲作戦の迎撃に間に合う位置にたった一隻しかない(虎の子と呼ばれているのだ)ニュートロンスタンピーダーを搭載したナスカ級改がいたんでしょうねえ。迎撃の成功に浮かれ、誰も気にしていないようですが。
 それにしても、何かあると意味ありげなギルの台詞や顔のアップにする演出はくど過ぎると思います。今回もそうでしたが、あんまりやりすぎると有難みがないのではないですかねえ。こういう演出はここぞ、という時にこそ使うべきではないでしょうか。

・そう言えばアスランはオーブの特使としてプラントに着いたものの、このような非常時に議長に面会出来る筈もなく。何も出来ない自分に苛立つアスランの前にラクスのそっくりさんが登場します。偽ラクスです。声が玉置という噂もありましたが、結局ガゼだったようです。
 さあ、この出会いは一体物語に何をもたらすのでしょうか。少なくとも、来週の「父の呪縛」にはあんまり関わらないようですが。

・最後に。ようやく、シンの動く楽しい思い出が登場しましたね。まあ、良いことではないかと思います。回想シーンが毎回血腥いのも正直、どうかと思っていましたから。

 満足度=☆☆/2★★★(1個半
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by shunichiro0083 | 2004-12-12 12:42 | 感想
2004年 12月 04日

PHASE‐08 ジャンクション

・まあ、色々あってミネルバはオーブに到着。
 ここでカガリらはブルコスの陰謀で先のユニウスセブン落着の真相が暴露されたことと、それを事実と認めたプラントの声明があったことを知ります。本来ならば盛り上がるべき所なのでしょうが、肝心のシーンを見せず台詞で流してしまった為にはっきり言ってだれてしまっています。
 ここを見せずに、何が陰謀でしょう。策略でしょう。はっきり言って、今までダラダラお話を垂れ流してしまったツケがここで、最悪の形で出てしまいました。プラントの陰謀と名指しして糾弾する大西洋連邦。これを受け、緊急の議長談話を発するプラント。それらを見やりながらほくそ笑み、更なる一手を打つジブリール‐演出っていうのはそういうものではないでしょうか。
 また、前作からの設定をもう一度整理し、提示する為にもファントムペイン‐ブルコス‐大西洋連邦という影のラインを見せておけば、この先の展開もスムーズではなかったんではないですかねえ。この辺り、今一つ分かり辛いですから。

・熱烈歓迎のオーブでは噂の幼なじみのユウナやら、その親父の宰相(なんて言わないよねえ、普通)・ウナトという陰謀側の人々の一方、「虎」やら「艦長」やら「メカマン」やらも再登場。どうやら、モルゲンレーテにて雇用されているご様子。マリアことマリューさんはタリア艦長と意気投合してしまいました。
 しかし、今回のこの話は「セカイ系」となってしまっていて、オノコロ島の中だけで展開している為にどうにも見せ方が宜しくないです。世界各地の惨状もそうですが、民衆の怨嗟の声が一体どのレベルで聞こえてきているのかが分からないのですな。民間放送局のインタビューなのか、大西洋連邦から提供された情報なのか。それとも、オーブ国内の世論なのか。何せ、口パクがあっていたのはワンカットだけでしたから。
 それに、何故オーブは奇麗事を言ってはいけないんでしょうねえ。閣僚達は「この惨事を目の当たりにして、理想論だけを言ってはいられない」みたいなことを言っていましたが、前の戦争でもオーブは甚大な被害を蒙っています。しかも、それは頭上の敵であったコーディネイターではなく、味方であった筈のナチュラルからです。そうした部分を勘案したならば、オーブにはプラント憎しの国際世論に異議を唱えても何らおかしくはないのではないでしょうか。
 もっと踏み込んで考えるなら、前回の戦争を思い返せば再びナチュラルとコーディネイターの間で戦争が起きたとしてもどちらが勝つかは分からない。今更言うまでもないことではありますが、だからこそウズミは中立の立場を採っていたのではなかったのだろうか。まして、ここまで混迷している世界情勢の中では単にナチュラル側に立つのではなく、その行いを非難する声明をオーブが出すことは意味のあることではないだろうか(要はイラクに対する米英の態度を批判した欧州のスタンス)。
 こうして考えて行くとあの宰相の立場は最初に「大西洋連邦ありき」であり、まともな議論をする気はないのだろう。自分の利益のみを考えているのだろうから、それは当たり前でまっとうな判断である。一私人としては。だが、政治家としての判断と問われたなら、どうだろう。
 ましてオーブは前回の戦争で大西洋連邦が主導権を握っていた連合から裏切られ、侵攻、征服されているのだ。あれから二年経つか経たないかで、宰相や各首長らがこうまで大西洋連邦寄りな判断をするということの意味は、一体なんだろう。まあ、聞くだけ野暮、というものなのだろうが。

・さて、もう一人の主人公ことアスランは何気に勢力的に活動してます。抱きつかれるカガリに嫉妬したり、シャワーを浴びたり。車を駆って、いつの間にやら入手した情報でキラに会いに行ったりと、本当に活発です(余談ですが、スポーツカーを走らせるシーンに「サイバーをもう一度やりたい!」という監督の執念のようなものを感じたのは僕だけでしょうか)。
 キラと意味のない会話をした後、アスランは唐突にプラントに渡ることをカガリに告げます。しかし、オーブ国内でそういう立場にいるのか良く分からないので断言するのは避けますが、どう考えてもアスランが今やるべきことはオーブに残って、孤独な戦いを強いられるカガリの精神的な支えになってやることではないでしょうか。
 いくら指輪を贈って、「お前はオレのものだ、カガリ」と行動で示した所で、あのユウナやウナトの前には空証文も同然。敵は明らかに強かであります。キラやラクスがそこいら辺のフォローをしているとも思えませんし(頼りにもならないことは今回の会話でも明らか)、アスランが今回の件で相談していないのなら「虎」やマリューも心配はしてもカガリに対し積極的に絡んでいるようにも思えません(今後は兎も角)。
 こうして考えると、「種」には頼りになる大人が本当に少なかった反面、ろくでもない年長者であふれかえっていたと思います。まあ、「種運」がどうなるかはまだ分かりませんが、見通しはかなり暗そうです。

・一方、公式新主人公・シンは半舷休息の許可が下りたであろうに射撃練習する振りをして黙して構うレイの追及を躱し、独り慰霊碑へと参拝します。しかし、思い出されるのは在りし日の楽しかった思い出ではなく、戦渦に巻き込まれて家族を失ったあの日のことばかり。まあ、バンクの関係とは言え、楽しい思い出が止め絵ばかりな主人公というのも哀れではあります。
 で、岩場にポツンと設置された小さな慰霊碑の前に佇むキラに、あの日のガンダムを駆っていたパイロットとも知らずに近寄るシン。新旧主人公の邂逅は、多くの視聴者の期待を裏切って何の実りもないまま終了。あったのは意味ありげな、しかしすれ違った会話だけでした。やっぱ、ここでは互いの心中を察しあい、相手に強い印象を残して別れる、というのがお約束なのではないでしょうか。
 思うに「種運」はこうした「お約束」を意図的に排除するのはいいのですが、それが為に話が間延びしているという側面があるように思います。約束事を外すのは構いませんが、それならそれで解決策をきちんと講じてからにして欲しいと、切に願います。

・そう言えば、アスランと違ってキラっていうのは伝説にはなっていないんですかねえ。確かにキラは身体を張ってジェネシスを壊した訳ではないですが、“ヤキン・ドゥーエの悪霊”ことプロヴィデンス&クルーゼを落としたエースパイロット。加えてザフトの(当時の)最新鋭機・フリ-ダムを強奪し、サイクロプスの発動から敵味方を問わず兵士を救った少年です。
 考えようによっては、こちらこそ伝説になってもおかしくない筈ですが・・・。どういう事情かは分かりませんが、キラの存在はあんまり知られていないようです。それとも知る人ぞ知る、アングラな人なのでしょうか、キラは。

・で、お話の最後でナチュラル側がプラントに「以下の条項を認めない場合は地球人類に対する悪質な敵性国家と認定」とかなんとかいう共同声明を発表したらしいんですが。いや、いくらフィクションだからってやっていいことと、悪いことがあるでしょ(まあ、そこいらの境界線が非常に曖昧なのが監督と嫁なのかもしれないが)。
 っていうか、あの監督は「ロボットアニメ」というものについて、一体どういう認識を持っているのでしょう。あと、その嫁も。別にご都合主義が罷り通るのが「ロボットアニメ」って訳じゃないんだが。いくらなんでも、正式な停戦条約を調印している地球国家群とプラントなんだから、あんないいかげんな声明一つで戦争に突入するなんて嘘くさいにも程があるってもんです。
 この「米国単独行動主義」という今を生きる我々に対して戦争を扱う作品を発するのなら、それ相応のもの‐裏付けなり、歴史的背景なりが必要だと思うのですがねえ。自分の脳内設定に忠実なのは良いですが、それを含めてきちんとフィルムにしなければ視聴者を置いてけぼりにするだけですよ、ホント。
 最低でも今回の話の中で「以下の条項」というのをきちんと公開しておくべきだったと思います。

・で、来週はザフトと連合軍が激突です。なんと驚くべきことに、連合軍の主力は再建された月基地にあったので、ユニウスセブン落着の被害には合っていないという噂です。吃驚。

 満足度=☆★★★★
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by shunichiro0083 | 2004-12-04 19:48 | 感想