カテゴリ:コミック( 34 )


2006年 02月 06日

「THE EDGE」03のこと

・まあ、言いたいことはこれまでであらかた書いてしまった訳ですが。
 今回の地中海近辺におけるアスランとキラ・カガリの邂逅の場面を、改めてアスランサイドから俯瞰するとキラの言っていることの支離滅裂さが良く分かります。
 実際、作品的正解はザフトというか議長が全ての黒幕だった訳ですが、キラはそれを単にラクス愛しの直感で結論していたけですし。
 少なくとも、常識的な思考で行ったら、幾ら材料が少ないとは言え、大半の人はアスランの結論に達すると思われます。だからこそ、連合とプラントを秤にかけた地球上の一般市民はプラントを選択したのでしょう。

・しかし、アスランにもその気はあるのですが、キラ(とその一派)って本当に自己批判しませんよねえ。カガリを泣かせていたのは、そんな状況と知りつつ一切接触を断って、救いの手を差し伸べる所か愚痴の一つも聞いてやらなかったお前らはどうなのよ、と。
 少なくともアスランは自分の非力を自覚していて、オーブを出てザフトに復隊する理由の一つにカガリの今の有り様をなんとかしたい、というものがあったのですがね。
 やっぱり、カガリはあのままユウナと結婚してでもオーブに居残って、いずれ行き詰るであろう連合の政策が現実のものとなったその時、セイラン家失脚後の国政を担う存在としてあるべきだったのではないでしょうか。
 実際、連合の政策が失敗したのはアークエンジェル組の軍事行動の所為ではないでしょう。ひとえにミネルバをはじめとする、ザフト諸君の奮戦のお陰であります。皮肉にも、アスランもその栄光の一端の半分くらいはになっていたでしょう。
 そういう意味では、キラのカガリ拉致は百害あって一利なし、だったのではないかと今更ですが思いました。

・閑話休題。
 アスランがシンときちんと接したり、シンもアスランに対し複雑な思いを抱きつつも素直になれない辺りがちゃんと描かれているのが本当にいいですね。
 物語の収束に向けての伏線-シンとアスランがほんの僅かなことで行き違い、すれ違ってしまって悲劇へとひた走って行くのが丁寧に描かれていると思います。
 この調子で最終回のレイの突然の変心についても、ある程度でいいから伏線を張っていて欲しいと思うのですが。

・ハイネについても描写が膨らまされていて、やっぱりいいです。台詞が追加されている(と思うのですが、自信なし)部分がより、各キャラの心情に迫っていて本当にいいキャラに育ったものでした。
 だからこそ、ミネルバに配属された早々にガイア-ステラの手にかかり、南欧の空に消えてしまったことが惜しいと、悔しいと素直に思えるんですよね。
 やられ方もTV本編と違って、充分に納得の行くものでしたし。個人的にはこのシーンだけは、高山先生の方よりも好きかも知れない。無常観というか、どうしようもない感じが色濃く漂っていて。

・今巻収録の最後の話「親友」のラストでのアスランのモノローグに、
 (俺がザフトで出来る事は何だろう?)
という凄まじいものがあるのですが、これもまあ、繰り返し書いて来た「考える前に、まず動く」というアスランの基本属性からぶれていません。
 今更、何を悩んでいるのやら。ま、ザフトの一兵卒ではなかったつもりが、気がつけば軍組織にきちんと組み込まれていることに疑問を抱かない時点で駄目だった、と言うべきか。それとも、自分から積極的に関わっていたんだ、という無自覚な行動こそ批判されるべきなのか。
 とまれ。そうなるとこの後、ラクスから無限正義を渡される時のアスランの心情がどのように描かれるのかが、良くも悪くも非常に楽しみです。

おまけ
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by shunichiro0083 | 2006-02-06 14:18 | コミック
2006年 01月 24日

「THE EDGE」02のこと

・さて、「種運・アスラン編」とでも言うべき「THE EDGE」第2巻の感想をお届けします。この巻からはオリジナルなシーンも挿入されて、よりドラマが鮮明になって来ています。
 しかし、この漫画の凄い所はそれでもなお、アスランもまたキラ宜しく「考える前に、まず、動く」人間であるということを外していないことでしょう。
 F.A.I.T.H.の一員になって、セイバーを受領した挙句にミネルバに正式に配属されていながらなお、
 (ザフトの軍人としてではなく、己の信念に従って戦っていくため)
とかいうモノローグが入ってしまう辺り、『やっぱりアスランも所詮はキラのマブダチなんだなあ~』と思わせてくれます。

・そう言えば、上のモノローグの続きでは、
 (二年前にできなかった事を、今度こそ・・・!)
という台詞が続きます-ちなみに、このモノローグはセイバーに搭乗してプラントを出発するシーンにかかってます。
 二年前の戦争の時に“できなかった事”って、なんなんでしょうね。まがりなりにもアスランはキラやラクス、カガリと一緒に戦争終結の為の手助けをしたことになっています。
 まあ、実際問題としては眉唾物ですが、たった3隻とその保有するMSで上げた戦果を考えれば、確かに常軌を逸していることは確かでしょう。数百人の人間が為し得る筈のないことだと考えるなら、アスランは間違いなく結果を残しているのですが。
 まあ、多分プラントと連合の最終決戦を止めることが出来なかったのを悔やんでいるのだとは思いますがね。
 ただ、ちょっと1巻のラストと上手く繋がってこないのが残念かな、と。

・ミネルバに着任してからのアスランの描写も細かい、何気ないカットが挿入されていていい感じです。士官としては有能でタリア艦長やアーサーからの信任も厚いのに、シンに対して厳しいから下からの受けが悪い、とか。
 地上用に調整されたシミュレーターでの成績が高くてシンや対抗意識を燃やしたり、インド洋沖での戦いではアスランが殆どのウィンダムを撃墜したことになっていたり。
 シンを叱って、宥め賺して、褒めて持ち上げて、指導している所なんかもきちんと頁が割かれていていいですね。本編以上にきちんと中間管理職をやっています-タリア艦長の覚えが良くなるのもむべなるかな、ですな。

・その一方、ハイネとの交流もしっかりと描かれて行きます。単なる背景ではなく、アスランと同格でいて、少しお兄さんなハイネが加わることでアスランの描写は更に深まって行きます。
 高山先生版とはまた違った意味で、いいキャラに育っていると思います、ハイネ。単なるお調子者ではなく、軽口を叩くだけの男ではないというのを台詞ではなく、描写と演出で見せているのがいいです。
 個人的にはアスランと二人、バーのカウンターで酒を酌み交わすシーンが好きですね。本編ではついぞ拝むことが出来なかった、大人の香りがして。
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by shunichiro0083 | 2006-01-24 21:41 | コミック
2006年 01月 19日

「THE EDGE」01のこと

・連載中もそれなりに読んでいたつもりの「THE EDGE」ですが、こうして一刷のコミックスになってものを読み返してみると、面白い、という感想を改めて持ちます。
 TV本編と比較しながらになるのは当然のことですし、仕方のないこととTVスタッフには諦めてもらう他ありません。で、やっぱりTV本編と比べても、こっちの方が面白いとうか、何を言いたいのかがより鮮明に伝わって来ると言うべきか。
 この「01」の頃と言うのは本編と殆ど描写が同じなのですが、それでもドラマの焦点が絞られているからこの場合の主人公である、アスランの苦悩や境遇がより一層鮮明に伝わって来るのですね。これはシンを中心にお話を構築して行った高山版も同じです。
 回想シーンも必要最低限に押えられていますから、話が途中でダレたりすることもないというのもいいですね。
 絵柄も言い方は悪いですが女性好みの、しかしデッサンの狂いも少ない好感の持てるものになっていますし、メカ絵も頑張って描いているのが読んでいるこちらにも伝わって来ます。
 高山先生の絵は男は兎も角、女性には違和感を持っている人も少なからずいるようなので、そういう人にはこの久織ちまき先生の絵柄は受け入れ易いんではないでしょうか。ただ、「ガンダムA」の客層を考えると微妙かもしれませんが。

・確かに、本編はナレーションを極力排し、回想シーンを多用することで視聴者に心理描写を連想させると言う手法を採ったのではないかと言われています。が、それが成功しているのかどうかは疑問符を付けたい所です。
 今作ではアスランの心理を描くのにモノローグを用い、その内面を正確に表現すると言う方法を採っています。これをレベルが低いと言うのは簡単ですが、それで作者が伝えたいものが精確に伝えられるのなら、それこそを評価すべきではないかと思います。
 実際、この1巻ではアスランが単身プラントに乗り込むまでが収録されていますが、その内心の理由が語られており、それは表向きの理由よりも得心が行くものでありました。
 そしてそれはかっての戦いと密接に結び付いていることも明確にされており、あのプラントへの渡航がオーブや世界の為に出来ることであった以上に『何の為に戦うのか』という、アスランの個人的命題の為であったことも分かります。
 いや、それが「種運」として正しいか正しくないか、ではなく、この解釈がそれなりに筋が通っていて納得が行くものだ、ということがこの際重要だと思うので。

・実際、本編8話を見た当時の感想もどうしてあのタイミングで、アウランがオーブの特使としてプラントに行くのかが分からない、という旨のことを書いていましたし。
 しかしながら、あの行動がアスランが抱え続けた自分自身の疑念と向かい合う為の行動だとするなら、それの利己的な側面を度外視するならそれなりに説得力のあるものだったと思う訳です。
 その結果、アスランは泥沼にはまることになるのですから、そういう意味でも因果応報と言えるでしょうね、今後の展開は。
 しかしながら、本編の流れだとオーブの為にとプラントに行っておきながら、そこで議長とミーアに懐柔されてF.A.I.T.H.に任命されて、ナチュラルと戦う破目になってしまうというていたらくな訳で。正直、理解に苦しみました。
 で、これが自分だけなら「読解力がないなあ、俺」で済むのですが、どうやらそうではないらしい。それなりの割合で、本編の展開を読み解けずに苦しんでいる人がいたらしい。
 まあ、「種運」本編が高度で、難解な芸術作品であるならごく一部の人間だけが理解出来るというものでもいいのだろうけれど、実際はそうではない。TVアニメという、大衆娯楽の最たるものである訳で。
 ならば、そこに込められているものは最低でも最小限の手解きで、それを見た多くの人がきちんと伝えたいことを理解出来る-そういう造りでなければいけないのではないかと、そう思うのです。

・話がずれましたが、アスランが主人公に据えられているだけあってこの「THE EDGE」という作品はその行動や心情がよく理解出来ます。
 今作でのアスランを突き動かす衝動-それは「一体何の為に戦って来たのか」という問いかけです。祖国を離れ、軍と戦友を裏切り、父とも決別した末に選び取った筈の世界の現状-こんな筈じゃあなかった、とアスランは思ったんですね。
 だからこそ、自分が願った世界を議長が到来させると信じ、再びザフトの軍服に袖を通すことになったのでしょう。まあ、大いなる勘違いだったのですけれど。「THE EDGE」は果たしてあの原作のオチを、どうやって料理するのでしょうね。
 正直、そんな真面目に読んでいなかったのでコミックスも色々楽しめています。続きを読むのが今から楽しみです。

おまけ
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by shunichiro0083 | 2006-01-19 20:35 | コミック
2006年 01月 10日

コミックス、完結のこと 併せて「噂」のこと

・ボンボン版も無事コミックス最終巻が出て、名実ともに完結してしまいました。絵の描き足しとかはなかったですが、最後に高山先生のあとがき-種とガンダムと私。が付いていて良かったです。
 文章の随所に先生の人柄の良さが滲み出ている、と言ったら言いすぎでしょうか。けど、このあとがきを読んでいる最中、先生の優しげな微笑が脳裏に浮かんだのは紛れもない事実なのです-幻覚だよ、と言われればそれまでですが。
 あとがきの最後が誰でもない、シンへのメッセージだったのも嬉しかったです。

・そう言えば、ネット界隈の噂では現在好評オンエア中の「BLOOD+」が2クールで終わり、その後に「種3(仮)」が始まる、と囁かれていたようです。
 なんで、そんな噂が流れたのかなあ、と不思議だったのですが漸くその理由が分かりました。DVDのリリースが全13枚なので、その一枚目が2話しか収録していなかったからだったのですねえ。
 そこから、「BLOOD+」が全26話という推測がなされ。加えて、コミックGUMでの例のコラムで「種運3(仮)」の製作にGOサイン、という記事が書かれたこともあって、あたかも燎原の火の如くに噂が広まったのでしょう。
 ちなみに、この噂がやはり急速に沈静化したのは「BLOOD+」のDVDvol.2が第3話から6話までの4話収録だったからでしょうね、多分-これなら全50話の4クールとなりますから。
 
・しかしこの一件。少ない情報で推測する、ということの恐ろしさを感じますね。それと、良くも悪くも「種」がファンの間で話題に今もなる、という重さも。

たわごと
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by shunichiro0083 | 2006-01-10 21:53 | コミック
2005年 12月 16日

ボンボン版種運・06年1月号を読んで ネタバレあり!

・さあ、泣いても笑っても今回が正真正銘の最終回です。そして、最終回に相応しい物語の決着だったと思います。
 高山先生はTV本編が群像劇となってしまったのとは対照的に、最後まで主人公をシンからぶれさせることなく、描き切ってくれました。
 その為に不必要な枝葉をギリギリまで削ぎ落とし、キラ側は勿論、必要とあればアスランの出番すらカットして「シンが主人公である物語」として、「種運」を再構成してくれた高山先生の決断と手腕を、一ファンとしてとても嬉しく思いました。

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by shunichiro0083 | 2005-12-16 22:28 | コミック
2005年 11月 18日

ボンボン版種運・05年12月号を読んで ネタバレあり!

・コミックボンボンも来月号からリニューアルだそうですが、我らが高山先生版「種運」はその記念すべき号が最終回、ということになります。
 ですが、「真実の歌」も「ミーア」もすっ飛ばしたお陰で、月での戦闘とデスティニープラン発動。そして、ラクス一派との最終最後の決戦の幕開けまで過不足なく、しかし一気に進んでおります。
 うーん、やっぱり高山先生は凄い!

※11/21 加筆・修正あり。

※こちらの未熟さから「蒼い風の眠る場所-はてなダイアリー出張版-」のmiduki-sさんにはご迷惑をおかけしました。お詫び申し上げます。
 また、以上のことを踏まえ、当該箇所に加筆及び修正をいたしましたことをご報告させて頂きます。
 

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by shunichiro0083 | 2005-11-18 22:32 | コミック
2005年 10月 16日

ボンボン版種運・05年11月号を読んで ネタバレあり!

・さて、本編は終了したもののこちらはいよいよクライマックスへ向けて加速する「ボンボン版」改め「高山版」であります。
 さあ、今回も面白さ満載の一編であります。実際、この漫画を読みたさに三十路も半ばを過ぎたいい歳のオッサンがボンボンを買っておりますよ。

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by shunichiro0083 | 2005-10-16 20:37 | コミック
2005年 10月 01日

ボンボン版種運・05年10月号を読んで ネタバレあり!

・さあ、描写をシンサイドに極力絞り込むことと、巧みなストーリー構成で「種運」の物語を見事に再構成して来た高山先生が今月もやってくれました。
 打撃自由と無限正義(&アカツキ)の登場まで一気にやってしまいました! いやあ、ホント、凄いの一言です。

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by shunichiro0083 | 2005-10-01 02:48 | コミック
2005年 08月 11日

ボンボン版種運・05年9月号を読んで ネタバレあり!

・いやあ、オリジナル展開ここに極まれり、という観のある高山先生版ですが本編の流れを変えずに、しかし大胆に構成を変えることで「渾沌の先に」まで行ってしまいました。
 けど、この方がシンらしさが出ていて僕は好きですね。

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by shunichiro0083 | 2005-08-11 19:04 | コミック
2005年 07月 21日

ボンボン版種運・05年8月号を読んで ネタバレあり!

・今回はボンボン版にしては珍しく、ロゴスとジブリールの出番がきちんとありました。勿論、デストロイ初登場の回なので、この辺りを抜きには出来ないのですが。

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by shunichiro0083 | 2005-07-21 08:35 | コミック