2008年 11月 21日
・この所、プライベートで色々忙しい上に本編の強烈なグダグダ感がそれに拍車をかけてくれましたから、めっきり気力が衰えています。 そう言う事情で折角コメントを頂いておきながら、まめにレス出来ないというこの体たらく。いやはや、面目次第もありません。 なので申し訳ないのですが、これを#07の記事についた名無しさんと梅安さんに対するまもめてのレスとさせて頂きます。ご了承下さいませ。 ・で、これは再三再四書いて来たことですが、最近の視聴者のアニメの観方と言うのは僕のような四十路直前の年寄りとはかなり異なっているということを痛感します。 最近、重視されているのは第一に設定に忠実な絵。第二に、それが崩れることなく流麗に動くこと。第三はキャラクターの演技=演出ではなく、台詞で判断するというこの三点でしょうか。 それに加えて、例え4クールにも及ぶ長期シリーズと雖も全体を貫くシリーズ構成や伏線には興味を示さず、一話一話の盛り上がりを最重要視する、ということが文芸面では言えるのではないでしょうか。 この辺りを当てはめて行くなら、「種運」でもシリーズ終盤にあったデュランダルの唐突な行動やその最期が褒めたたえられこそすれ、減点の対象にはならなかったことも納得が行きます。 つまり、その場その場の盛り上がりこそを重視し、それまでの流れと言うものを無視してしまうなら、確かにそれは「面白い」と言えるものなのでしょう。 これまでの作劇というものはクライマックスを盛り上げる為に主人公の逆境や、迫害、挫折などを描き。そして、それを乗り越えることでクライマックスがより効果的に演出される、というものでした。 が、それがいつの間にやら全体の流れは関係なく、その回の内容の方が重視されて行くようになった。そう言う傾向に最近のアニメはあるのではないか。或いは、視聴者がそれを受け入れている、ということがあるのではないでしょうか。 ・これに関連してかどうかは分かりませんが、確かに一枚絵に込められた情報量と言うのは昔に比べると多くなったとは思います。ただ、それが作品としての質の向上に繋がっているかどうかについてはよく分かりません。 多分、これはビデオの一般家庭の普及から始まって、昨今でのDVDやらブルーレイやら、兎に角綺麗に見られるメディアが台頭して来たことと無縁ではないとは思いますが。 それでも、綺麗に動かさないと、という昨今のアニメファンの欲求というか思い込みに対応せねばならない、ということでアニメーターの個性が発揮出来ないとするなら、それはそれで不幸なことなのではないでしょうか。 名無しさんはこの問題については否定的なご意見のようですが、僕個人としてはアニメとは動いてなんぼ、という価値観が強いので谷口キリコや金田バースなども楽しく見ていたくちでした。 この問題を掘り下げれば、勇者シリーズにおける佐々門氏一人原画&作監の有無についても踏み込みかねません。個人的にはありだとは思いますが、熱心なファンの中には佐々門氏に対して否定的な意見を持っている人も多いという噂もちらほら耳にします。 こうした意識が先鋭化かつ共有されたことが、最近話題の「作画崩壊」と称されることに現われているのではないでしょうか。 ・そんな訳で一昔前は作画が誰それ、ということが注目されていたのですが最近はそれよりも監督や演出家の名前の方がファンの間や専門誌などでも話題に上ることの方が多くなったのではないかと感じます(演出家だとヤマカンくらいかもしれないけど)。 これを無理矢理前述の問題と絡めるなら、作画の均一化が進んだことによって突出した個性がなくなり、その結果見分けがつかなくなってしまった、ということなのではないかと、個人的には考えます。 尤も、個性的な演出家-というか監督というのも昔からおられていたのですから、別に最近急に脚光を浴びるようになったのではないのですね。止め絵の〇〇とか、〇〇ロマンとか、皆殺しの〇〇とか。 そう言う意味では昔に戻った、という言い方も出来るのかもしれません。 が、そこの意味するものが違うというのは最初に指摘した通りで、往年の作品というのは決して全体の流れと言うものを軽視してはいなかったと思います。まあ、確かに機械じかけの神様が降りてきちゃうようなものもありましたが、総じてシリーズ構成というのはしっかりしていたと思うのは思い出を美化している年寄りの戯言なのでしょうか。 少なくとも、人気作というのはその人気に応じた完成度を持っていたと思うのですが…。 ・まあ、昔話はこれくらいにしてあとは取りとめのない雑談でお茶を濁します。しかし、「種」派と「00」派が互いのことを貶めあうというのは世も末、という感じがします。自分から見れば、五十歩百歩というか、目くそ鼻くそという感じなんですけどね。 そう言えば、最近のファンの人の意見として「種」や「種運」でキャラに論理性や一貫性がないとの指摘に対し、小説やムックで補完されているからいいのだ、という反論をしている方がおられました。 しかし、本編というものはそれ自体で完結せねばならないものなのですから、そうした言説と言うのは判官びいきというか、ひいきの引き倒しでしかない。ありていに言ってしまえば間違っているのではないかなあ、と思いますね。 外伝やら、小説版やらムックやらを見なけれれば本編が理解出来ないのであれば、それはやっぱり方法論としては正道ではないんじゃないでしょうか-たとえ古臭いと言われても、自分はこの考えを枉げたくはないです。
by shunichiro0083
| 2008-11-21 21:54
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