2004年 10月 27日

シスエットシステムについて

・何故、新たなるインパルスガンダムは合体分離方式、即ちシルエットシステムでなければいけなかったのか?
 この問いかけは単純なようでいて、それなりに深い意味を持つ。何故なら、ストライクガンダムが採用したバックパック換装型兵装システム‐ストライカーパックが、2年後の「種運」の世界では地球連合軍・ザフトを通じて主力MSのシステムとして採用されていると考えられるからである。
 連合軍は先の戦争でもこうした換装式武装を採用してある一定の戦果を挙げたと思われるので、ザフトもそれに習ったということであろう。
 無論、これには「ユニウス条約」によって保有MSの数に制限を受ける両陣営が、少ないMSを汎用に用いる為に敢えて採用した、という部分もあるだろう。この換装式というのは仮に装備が三種類と仮定するなら、それぞれに対応する充実した設備(後方支援)を三種類必要とする。交換してなんぼである以上、一種類の兵装で前線に出しっ放し、では本来の運用上から外れること甚だしいのである。それが基地か、艦船かは問題ではない。艦船であるなら、この換装方式に対応するかどうかでその大きさも変わって来る。一定数を確保するなら大型化は必至であるし、艦のサイズを維持するなら搭載出来るMSの数も限られて来るのだ。
 まあ、こうした問題は一応クリアされたとして。ザフトでは、その次に来るべき兵器システムとして考案されたのがシルエットシステム(と、可変システム)とするなら、その意味も意義もあることとなる‐あくまで、試験的、という縛りが前提であるが。
 自分は換装方式には充実した後方支援が必要不可欠であると仮定したが、そのにはMSが必ず帰還しなければならない、という条件もつく。換装させる為の機器が後方にある以上、当然のことである。だが、これが戦闘中であるならいちいち後方まで装備を変更する為に戻るのは、致命傷になりかねないとザフト技術陣は判断したのではないだろうか(まあ、実際にはそこまでの不利益が生じるとは思えないが)。
 そこでザフト技術陣はこの問題の解決策として、合体方式と可変方式という二種類を用意したのではないだろうか。シルエットシステムとは周知の通り、バックパックを戦場にまで飛来させて換装出来る。これは戦場で弾丸切れや、エネルギー切れを起こした際には有効に機能するだろう。後方にまで戻らなくて済むのなら、その分の時間のロスもない。
 また、可変システムは兵装の換装とこそ無縁であるが、前線での臨機応変な戦闘を実現する為に採用されたものではないだろうか。つまり、換装式のように外部に依存するのではなく、あくまでもMS単体の形態を変化させることで、こちらもタイムロスなく刻々と変化する戦場に対応させる、という設計思想である。
 では何故、シルエットシステムを採用したのが1機に留まり、残りの4機が可変MSとなったのかは簡単である。ザフトは既に開発済みのMSで可変機能を取り入れていたからである。例としてあげるなら、外伝の「ASTRAY」ではリジェネイトガンダムというこれまた可変方式を採用したガンダムが登場している。また、量産型MSに眼を転じればゾノやバクゥといった機体にも、構造の一部に変形機能がある。そうしたことから、ザフトの技術陣には合体よりも、単体の変形の方が馴染み易かったのだろう。
 こうして次世代機能のテストベッドとして、5機のザフトガンダムは完成した。母艦となるべきミネルバも艤装まで終了し、後は識別コードを取得するだけである。そうなれば、後は運用面での問題だけであろう‐しかし、戦略面では見るべきものがあるかもしれないシルエットシシテムだが、いざ、戦術面で見ると凄まじく粗の目立つものとなってしまった。
 その最大の理由はシルエットガンダムが専用カタパルトからでは、MS形態で発進出来ないということだろう。しかも、この専任パイロットは発進直後に合体するのではなく、わざわざ戦場の上空に到着してから合体している。言うまでもなく、このシルエットシステムの最大の弱点は合体という行為、そのものにある。その瞬間こそ無防備であり、そこを敵機に狙われればお仕舞いなのである。
 にも関わらず、シンは戦場に到達してから合体を敢行している。これをパイロットの独断と判断出来る理由がない以上、そういうマニュアルがあるなり指示が上から出ていたと解釈するしかない。これについてはやはり、技術陣にこそ問題があると断ずる以外にはないだろう。まともな軍人がこれの設計に携わっていれば、このような狂気の沙汰にはならないであろうからだ。
 いくらシルエットシステムの肝が合体システムにあるとは言え、それは戦場での変化に対応する為のものでしかない。あれではザフトはパイロットが何人いても足りないだろう。シルエットシステムとは前線と後方までの制空権が確保されている場合にのみ有効であり、そうでなければ無人機など敵に撃墜されるのがオチである。だからこそ、2話でインパルスがフォースに換装する際、レイ機がフォローに回らざるを得なかったのである。
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by shunichiro0083 | 2004-10-27 22:18 | 設定


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