2007年 08月 04日

電撃データコレクション SEED外伝

・今回、タイトルが「外伝」なのは「アストレイ」も「MSV」もいっしょくたになっているからなのですね。小さいし、薄いしで、その分それぞれの記事の分量も減らされてはいますが、その一方でC.E.のMSを横断的に見られるようになっているとも思います。
 値段も含め、総じて初心者用の書籍に仕上がっていますが、EB時代の無駄にマニアックな著述がないのは年寄りのファンとしてはかなり寂しいですね-いや、それ以前に初出の書籍にあったキャプションすら削られているので、そういう点でも物足りないのは事実です。
 その一方、メカの画稿については機体ごとにばらつきはあるものの、豊富に載っているのも確かです。特に「アストレイR」に登場した傭兵の機体の設定画は本邦初公開ではないかと思います。

・ただ、これを読んではじめて気が付いたのですが、ブルーフレーム セカンドG スナイパーパックって、ビームの曲射が出来るって設定だったんですね。いやあ、吃驚。
 慌てて他の本を引っ張り出してみれば、確かにそういう設定は以前からあったんですね。「B」の単行本の設定頁にもそう書かれてます。
 しかし、だとするとこれは完全な死に設定ですよ。いや、どうやってビームを曲射しているのか、なんてことは今更言いません。それも確かに謎ですが、どうにかして曲げてるんでしょう、ええ。
 ここで問題にしたいのは、このスナイパーパックが僕の知る限り唯一使われたであろう、対ハイペリオン戦ではこの曲射機能が全くもって活かされなかった、ということなのですよ。
 この戦いではブルーフレームの大出力ビームがハイペリオンのアルミューレ・リュミエールによって阻止されてしまい、結果として劾は苦戦を強いられる訳です。が、この装備の特徴であるビームの曲射が可能であったなら、それこそこの戦いはあっけなく劾の勝利で終わっていたのではないですかね。
 最近で言えば、「Δ」のエミリオとの戦いで、ビームを曲射させてガードシェルの守りをすり抜けてターンΔを直接攻撃していたのを覚えている方も少なくないでしょう。この要領です。
 しかしながら、劇中でもこの機能は一切使われていないし-少なくとも、そういう描写であることが僕には読み取れませんでした-、わざわざ入る(これってかなり珍しい)セカンドGの解説でも何も触れられていません。
 設定を後付をするのは別に構いませんが、ご自分でシナリオを書かれたものを全否定しかねないものはどうなのだろう、とか今更のように思ってしまいましたよ。

※追記(8/6)
:ただ、下のコメント欄でのブラックさんの指摘のように、この戦いはハイペリオン(とカナード)の強さを示す、という意味合いが強いことを考えれば意図的に使い辛い装備を、十二分に使いこなさずに終わっている、という解釈が妥当なのかもしれません。
 ちなみに、このスナイパーパックとハイペリオンのいいとこ取りをするなら、ビームの初撃を光波シールドで受け止められた劾がその後も数発真っ直ぐに撃ち、この敢えて行った単調な攻めに油断したカナードの隙を狙い、曲射の必殺の一撃を放つ。
 が、この必殺の一撃も咄嗟に展開された全方位アルミューレ・リュミエールによって阻まれる-という感じ。
 スナイパーパックのビームが曲射される、というのは某魁な塾の富樫と虎丸もとい、イライジャとカナードが解説してくれるでしょう。
 しかし、それにしても身体能力ではスーパーコーディネイターに劣っても、必ず勝てる状況を作り上げてから戦う=戦術に優れた総合力という意味においてC.E.最強である劾が、不確定要素の強いあの状況でスナイパーパックで出撃してしまう-というのがそもそもあんまり上手くなかったりするのですよ。
 上記の理由でタクティカル・アームが使い辛かったのであれば、せめてイライジャが前衛でカナードを引き付け、攪乱している所を劾が遠距離から射撃する。とかにしていれば、スナイパーパックももっと活きて来たんではなかったかと愚考します。

・と、まあ、これについてはこれくらいにして。今回のデーコレの著述に物足りない、という人はHJ誌のムックを手に入れるのが一番の早道かな、という感じです。MSVについては文章量が桁以外ですし。
 逆に言うと、過去の出版物を持っているという人には傭兵用MSの設定画稿くらいしか見るべきものはないのかもしれません。積極的に薦めはしませんが、止めることもない-そんな感じです。
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by shunichiro0083 | 2007-08-04 20:41 | 書籍


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