2007年 07月 12日

「00」の戦闘予想

・暇なのでついつい、こんなことを考えてしまいました。冗長かつ妄想過多であると思われますので、我慢強い方だけどうぞ。



 旧中国北東部-現人類革命連盟領土の内、最も東に位置するこの地は同時にユニオン(世界経済連合)との国境に近い地域でもあった。間に日本海を挟むとは言え、対立関係にある両国においてしばしば小競り合いが偶発的に起こる政情不安な地域であったことは間違いない。
 だが、この時は不幸な偶然と悪意が重なり合い、小競り合いでは済まされぬ規模の武力衝突が起きようとしていた。
 平原の東西に分かれ、両軍の主力人型機動兵器-MSが整然と整列している。どちらも指揮官の号令一つで、人型兵器が手にしたライフルから戦車砲並みの弾丸を敵陣営に向けて乱射する筈だった。
 と、その時。高空より一機の戦闘機が急降下を仕掛けたと思うと、上面からミサイルを垂直に乱射した。数十発のミサイルは両軍のどちらにも偏ることなく、きっちり同じ数だけばらまかれる。
 通常ならばレーダーと連動した対空火器が作動し、ミサイルを一発残らず撃墜する。が、レーダーが作動しない。ECMが効いている訳でもないのに、である。これは単純に攪乱されているというレベルではなく、レーダー波が干渉、中和されているとしか思えなかった。
 そう言えば、あの戦闘機もレーダーに捉えられることなく高空よりやってきた。と、いうことはあの機は従来のECMではない、全く新しいレーダーを阻害するシステムを有しているということになるのだろうか。
 などと考える暇など、兵士達にはなかった。両軍の兵士のただ一人も例外なく、突然のミサイル攻撃と対空兵器の不能に慌てふためいて回避行動を取るのが関の山だった。
 ミサイル攻撃が止み、逸早く落ち着きを取り戻したあるMSパイロットは戦闘機であると思ったのが実は可変型MSであることを知ったが、その瞬間には更に2機のMSが戦場に姿を現していたのである。
 頭部には特徴的なV字型アンテナを共通とするその機体こそは噂に聞く“ガンダム”。謎の組織、ソレスタルビーングなる私兵集団のMS。このMSにはレーダーを無効化する能力がある以上、あとはパイロットの目視に頼るしかない。
 そう判断したユニオンのMSは一番鈍重そうなガンダムに肉薄し、マシンガンを叩き込む。この距離ならば外さぬし、超硬度合金製フルメタルジャケットの直撃はどんなMSであろうともバラバラに粉砕する筈であった。
 が、それは昨日までのお話でしかなかった。必殺の弾丸は機体の周囲に散布された火の粉のようなものに触れた瞬間、弾き返されあらぬ方向へと飛んでいったのだ。そう、あの火の粉に見えるものは強力なバリアであり、MSが携行する火器では突破することは適わなかったのだ。
 奇しくも両軍の指揮官は3機のガンダムを包囲し、数で押し切るという戦術を選択した。が、それを全軍に伝えようにも、電波が通じない以上無線も使えない。仕方なく、接触通信を試みようとした刹那、遠方からの超精密射撃の前に爆砕して果てた。
 それが引鉄だった。
 白地に青のカラーリングのガンダムは全身に配置された大出力バーニアを用い、野生の獣もかくやという動きで大剣を揮い、ただの一刀でMSを斬り伏せていく。それは言うなれば、防御と攻撃が一体となった体捌きであったが、過去そのような動きを可能としたMSはなかった。
 剣を振り下ろし、MSを両断したその瞬間には間合いを詰め、振り上げた刃でMSを斬り裂く。その勢いを殺すことなく身を捩り、常識では考えられぬ方向と距離の敵機を標的とする。もし、敵MSの射線に入ったとしても、そうした変幻自在の動きを捉え、ヒットさせることなどどんなパイロットにも出来ないだろう。
 もし、いるとすれば姿を見せず、遥か遠距離から的確に狙撃する謎の機体だけだったろう。
 いや、或いは戦闘機から変形したガンダムならばどうか。こちらはMSに瞬時に変形したと同時にミサイルランチャーを切り離し、運動性を確保している。そして白地にオレンジのガンダムはリボルガー型のビームマグナムを手に、敵軍の只中へと飛び込んでいったのだ。
 敵MS部隊は同士討ちを恐れて火器を使用出来ず、MS用コンバットナイフで白兵戦を挑むが青いガンダム同様大出力バーニアで進み、立ち止まり、転進し、または翻すオレンジのガンダムに刃をかすらせることも出来ない。
 その一方で、オレンジのガンダムは激しい動きにも関わらず巧みにビームを放ち、確実にMSを仕留めて行く。その流れるような身のこなしもまた、青いガンダム同様攻防一体のものであった。そしてそれは旧来のMSには不可能な、限りなく武道の達人の業に近いものである。
 この二体と、超遠距離射撃による攻撃が精緻で計算されたしなやかなものであるとするなら、最後のごつごつとして鈍重そうなガンダムは荒々しくも豪快としか表現のしようのないものであったろう。
 見た目の通り、この鈍重なガンダムには素早くかつ精密な動きなど望むべくもない。そこを組み易しと思ったか、こちらには両陣営の戦闘ヘリや装甲戦闘車。それに自走榴弾砲といったMS以外の部隊が向かって行った。
 鈍重なガンダムの周囲を飛び、背後などの死角から銃弾を浴びせる戦闘ヘリの群れ。また、高速で平原を駆けつつ、対MSミサイルを撃つ装甲戦闘車。通常のMSならばアウトレンジとなる距離からの砲撃。さしものMSとは言え、これだけの波状攻撃を受けていたらとっくの疾うに大破していただろう。
 しかしながら、その不利を補って余りあるほど強固なバリヤーをこのガンダムは装備していた。単にMS用マシンガンの直撃に耐えるのみならず、300mm榴弾や対MSミサイルの一斉射撃ですらこのバリヤーを破ることは不可能だったのである。
 逆にこの悠然たる態度が焦りを誘ったのか、不用意に近寄った戦闘ヘリは拳の一閃を喰らい大破。間合いを見誤った装甲戦闘車はキック一発で粉々に吹っ飛んでしまった。
 これに危機を抱いた戦闘車両やヘリはガンダムに対して距離を置いて対峙、整列。各機のタイミングを合わせた一斉射撃によってバリヤーを撃ち破る作戦に移行した。だが、それを目の前にして黙っているガンダムではなかった。いや、最初からそれを狙っていたのかもしれない。
 このガンダムは背部にマウントしていた大型の銃器を手にすると、胴体部の前にて両腕で構える。狙う射線のその先は戦闘ヘリ・装甲戦闘車・自走榴弾砲の混成部隊がある。混成部隊が一斉射撃しかけたその瞬間、ガンダムが構えた砲口からエネルギーの奔流が迸った-それはもうビームという名で呼ぶにはあまりにも禍々し過ぎた。
 一瞬の閃光が輝き、そしてそれが消えた後には何も残ってはいなかった。あれほどの数の混成部隊が消えてなくなってしまったのである。後に残されたのはあまりの熱量の前に溶け、蒸発し損ねた元装甲だったであろうものだけであった。
 かくして武力衝突は終了し、後に残されたのはガンダムの姿だけであった。ユニオンも、人類革命連盟も、ガンダムの敵となった部隊は誰一人として生き残ってはいなかったのである。
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by shunichiro0083 | 2007-07-12 16:42 | 妄想


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