shunichiro0083のアイのダメヲタ日記-感想と推測と妄想の終わらない円舞曲

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2005年 10月 14日

「FATES」や設定で「DESTINYPLAN」を読み解くのこと

・さて、本編からは結構分かり辛いのですが、「種」の時代からプラントではかなり厳格な婚姻統制が行われていたのだそうです。
 これは今月発売のアニメディア誌に載った森田氏のインタビュー-シャア専用ブログさんより-が典拠な訳ですが、それによると男女それぞれの遺伝子の相性を考慮せず行為をしても、ほぼ100%子どもが授かることはないのだそうで。
 それ故にタリアはデュランダルと別れることを決心したのなら、少なくともその検査結果が揺るぎないものであると民衆には信じられているということでしょう。実際、そうしてタリアさんは息子を得ていますから、議長と別れて成功は成功だった訳です。

・また、プラント社会は15歳で成人し、社会の構成員として認められる、という話もあります(SEEDClub4コマ解説より)。
 そしてそこではプラントの政治は互選制であり、成人すると自動的に個人データと共に名簿に登録され、かつ仕事の業績や能力をコンピューターが診断することによって候補者リストに載り、そのリストアップされた人物を最終的に住民投票で選出する、と説明されています。
 ちなみにこれは12の「市」の首長を選び出すシステムであり、ここで選出された「市長」が同時にプラント最高評議会の「評議員」となるのです。

・以上の二点で顕著であるのは、プラントを構成するコーディネイターが時には個人=当事者の意志とは無関係に、いわば上意下達の形で問答無用にコンピューターから弾き出された結果を強要することを受け入れるべきだ、と考えているということでしょう。
 これは「適材適所」を良しとするコーディネイターの合理的発想によるもののようです。が、これによってタリアとデュランダルは別れを余儀なくされ、プラントは地球滅亡への引き鉄を引いたのであったことは覚えておかねばならないのではないでしょうか。

・と、いうことを踏まえつつ、“PHASE-29 FATES”での言動から議長にとって「DESTINYPLAN」がどんなものであったのかを見てみましょう。
 かって、上記の設定についてあまり知らない頃に書いた感想-これこれでは全てが議長の思い描く理想世界の実現なのか、とも思いました。
 しかし、ここまでプラントのコーディネイターという人達が個人の自由や権利よりも、社会全体を優先させる考え方をし、実践しているのなら、「DESTINYPLAN」も実はコーディネイターにとっては実はそんなに大した問題ではないかな、とも今なら考えます。
 だからこそ、プラント的価値観に則っている議長もそれがナチュラルにとっては重大な問題であるとは認識出来ずに、あっさりと発表したのではないでしょうか-まあ、あれはどちらかというと邪魔なオーブをあぶり出す為の策略だった、とも言えますが。
 思い返すに、PHASE-29で議長は色々独り言を言っている訳ですが、それはただ一つの選択肢を選ぶだけの世界を理想郷と思い定めるまでの彼の過程であったのでしょう。
 ただ、そこに至るまでの思考の前提として、前述したプラント特有の考え方や社会の成り立ちが色濃く影響しているであろうことは、まず、間違いないと思われます。個人のデータがコンピューターで解析され、評価されることが当たり前の社会に生きているのならば、ああいう「DESTINYPLAN」という発想が出て来ても別段、おかしくはないと思う訳です。

・で、ここまで来て「ならば、何故プラントのコーディネイターであるラクスやアスランはそれに異議を唱えたのか」という疑問を持たれた方もいるでしょう-キラは基本的にナチュラル的価値観のオーブで育っているので、ここからは除外します。
 ですが、ラクスもアスランもそうしたプラントの秩序の枠からはみ出してしまった人間です。特に二人は、婚姻統制というプラントの要とも言うべきシステムに従えなかった人間です。
 また、互選制によって選ばれたラクスの父・シーゲルは同じシステムによる選良たるパトリックの謀略に斃れ、そのパトリックも部下に背かれて哀れな最期を遂げます。
 そうしたことを考えるなら、ラクスやアスランというのは一般的なプラント市民の姿からは大きく逸脱している、という可能性が高いのではないでしょうか。言い換えるなら、「適材適所」というコーディネイターの規範となるべき合理的思想に「否」を唱えている訳です。
 もっと突き詰めて考えて行くなら、この二人が重要視しているのは個人の意志の有無であることは間違いありません。どのような助言が与えられるにせよ、最終最後の決断だけは自分で下さねばならない、という当たり前のこと。
 だからこそ、それがない「DESTINYPLAN」をラクスやアスランは否定したのでしょう。しかしながらそれも当然な訳で、議長はその自由意志による選択と決定を否定することで戦争のない理想世界が、結果的に実現すると考えたのでしょうから。

・僕は本来の「DESTINYPLAN」とは人類防衛策とかいうものではなく、そんなものは二の次で、実の所は正しいとされるただ一つの道しか行かないことで人は後悔をしなくなるという、そういうものではなかったかと思います。
 前述の森田氏の言葉によると、出生率上昇の為の研究をパトリックは指示しており、デュランダルはその一員だったそうです。
 これも僕の推測ですが、だとするならデュランダルはそうした研究を重ねてもコーディネイターの出生率の低下に歯止めをかけることは、少なくとも現段階では不可能であると結論付けたのではないでしょうか。
 故に、次善の策として完全に個人の自由意志を規制することで、自分のような悲劇を起こすことなく出生率の上昇を実現させる「DESTINYPLAN」を考案したのではないでしょうか。
 「DESTINYPLAN」ならただ一つの道筋しかなく、それは正しい、間違っていないと言う設定ですから、配偶者同士が別れるなどということは起こらない訳です。そういう形で常に最善次善の決定だけが繰り返されていくなら、結果的に戦争や紛争のない理想的な社会が実現する-それがデュランダルが出した結論だったのではなかったかと思います。
 『ならば私が変える。すべてを。戻れぬというなら、初めから正しい道を。アデニン、グアニン、シトシン、チミン。己のできること。己のすべきこと。それは自身が一番よく知っているのだから』-この場合の『己自身』とは自分の意志ではなく、遺伝子であることは明白です。

・つまり、「DESTINYPLAN」とは「適材適所」を最優先させるコーディネイターの合理的発想の究極であり、それを全地球規模で実施させようとしたのがデュランダルの抱いた野望だったのでしょう。
 その為にはナチュラル社会の政治経済を裏から操り、戦争すら管理する「ロゴス」と言う存在が邪魔だったのであり。そして、独自の政策と国力によって一国のみとは言え平和を享受するオーブという国が目障りだったのではないでしょうか。
 同様に議長はどうやら政治的旗頭としてのラクスと、スーパーエースたるキラが己の反対陣営に回られることを恐れていた、ということのようですが、これがラクス暗殺の真相だとするならこの頃から議長は二流の陰謀家だったような気がしてなりません-まあ、実際、この二人に「DESTINYPLAN」は阻止されたのですから、占い師としては一流なのかもしれませんが。
 最後になりましたが、志半ばに冥界に旅立たれたデュランダル議長にはこの言葉をお贈りしたいと思います-急いては事を仕損じる。お粗末。
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by shunichiro0083 | 2005-10-14 11:16 | 設定


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