2005年 08月 22日

PHASE-44 二人のラクス

・いや、ラクスのメッセージは正しいですよ。けど、今更言ってどうするのか、という気がします。その言葉はもっと早く、議長のロゴス糾弾会見の時にこそ訴えられていなければならなかったのではないですかね。
 そうすれば、必要以上にロゴスの皆様を追い詰めたりはしなかったのではないかと思います。思えば、同じように感情的になったプラント市民を議長はミーアを使って沈静化させました。そういう優れた政治的手腕があったからこそ、議長はコーディネイターのみならずナチュラルからの支持をも得るに至った筈なのですが。
 それはさて置き。どう贔屓目に見ても、ラクスのあの談話は遅きに逸したと判断せざるを得ないでしょう。なんだか、戦いの連鎖は今の私達には止められる術はありません、とかラクスは言っていましたがそこまで世界を後戻り出来なくさせてしまった責任の一端は感じるべきでしょうね、彼女は。
 何故なら、自分の発言で世界が変えられるという自負があるのなら、それはもっと早い段階で行われて然るべきだったろう、ということです。
 もし、議長の全世界に向けたロゴス糾弾の時に呼応するようにラクスがその声を挙げていたなら、市民の蜂起によるロゴス組織の急激な崩壊もなく、ジブリールがオーブに逃げ込んだ結果オーブが焼かれることも。更には、月面基地へと逃げ込んでレクイエムを発動させ、プラント市民の尊い人命が無駄に失われることもなかったでしょうから。
 -と、断言するのもナニですが、少なくともああいった武力行使ではなく、もっと緩やかな経済的政治的手法によってロゴスとその私兵、並びに癒着した連合軍を解体することも可能ではなかったかとも思うのです。

・軌道間全方位戦略砲・レクイエムですか。今更「ゲシュマイディッヒパンツァー」なんて単語を聞かされるとは、夢にも思いませんでした。まあ、あのビーム偏向は磁気ではなく、ミラージュコロイドで「光」そのものをねじ曲げるものですから、レクイエムの正体がΓ線レーザーだろうがなんだろうが光学兵器ならでもOK、なんですがね。
 ただ、あんだけでかい廃棄コロニーを輪切りにしたようなものが必要となると、最初の一撃は兎も角あんまり使い勝手の良い兵器ではないような気がします。ジブリールが初撃に拘ったのもむべなるかな。
 今回の攻撃でも三基の反射装置が必要だった訳ですし、それでいてバーニアに被弾しただけで目標が狂うとなると、取り敢えず精密射撃には不向きな兵器なのは画面で実証されましたね。まあ、数万キロの射撃ですから、アプリリウスは外れたものの、その他のプラントに壊滅的な打撃を与えたという点では満足すべきなのかもしれませんね、ジリブールは。

・で、今回もこのレクイエムの攻撃によって大量破壊と市民の殲滅が行われてしまいました。この辺りの描写の是非については人それぞれなのでしょうが、少なくとも僕個人としては胸糞が悪くなりました。飯時に見ていなくて、本当に良かったと思いました。

・で、なんでこういう時に限って議長はアプリリウス市には戻らず、メサイアとかいう宇宙要塞に入ったんでしょうね。議長はその名の通り、行政の責任者なのですから、軍司令部に行くのではなく行政府があるであろうアプリリウスに戻るのが筋ではないかと思います。
 なんか、反射装置を巡るドンパチがはじまった、という報告を受けて唇を歪めてみたり。レクイエムの攻撃に報告を受けた時もわざと一拍遅れて激昂してみたり。それも、芝居がかっているし。
 以前から言っている通り、議長を悪として認定させる手段としてそうした状況証拠にすらならない、細かな演出が多すぎると思います。まして、例の「DESTINY PLAN」もきちんとしたものではなく、キラとラクスの口から語られてお仕舞ですし。
 ミーアもアスランの末路を思い出してか、なんか議長の笑みに対してビビリっ放しでしたね。実際には一度や二度の失態では議長は「駒」を切り捨てたりはしないので、あと一回くらいは偽ラクスとしての出番があるとは思いますが-まさか、自分の手でミーアを公衆の面前で暗殺させ、その罪をラクス側に着せる、とかいうベタな陰謀を巡らしたりはしないだろうけど。

・そう言えば、議長はデストロイのデータを見ているシーンが前にあったのですが(PHASE-27)、そのデストロイの図面の端っこに何やらコロニーレーザーくさい画像がありました。ひょっとしたら、あれがレクイエムだったのかもしれません。

・しかしながら、遺伝子を操作するコーディネイターの究極、という旨の台詞がキラから出たのはいいと思いました。
 議長が遺伝子解析の第一人者である、ということはさりげなく言われていますし。そうして考えると、議長はやはりシンの遺伝子を解析してその中からMSパイロットになる運命を見出した、ということなのでしょうかね。
 しかしながら、それは個人の遺伝子の中に遠い未来までを決定するなんらかの要因が存在する、ということを前提としている訳で。あるとすればそれは単に空間的な広がりだけではなく、時間的な何かとも密接に結び付いている、と考えられる訳で。
 端的に言うなら、遺伝子を調べれば単なる適性なのではなく、もっと具体的な進むべき道が分かる、という域に議長の持つ技術は達していると考えるべきなのでは、と。
 まあ、そこまで行っているのかどうかまでは分かりませんが、ここに来てなお議長の思惑がその口から語られない、というのはどうしたもんなんですかね。それとも、本当に議長は単なる黒に限りなく近い灰色で、悪いのはロゴスなんでしょうか。

・レイはレイで、なんか一人憤って、怒っていましたね。子犬のように追いすがる、シンを気遣う余裕もないくらいに。
 確かに、レイの言う通り、本物と偽者にどこまで違いがあるのかは分かりません。それの区別に、どんな意味があるのかも。ただ、それはケースバイケースで、こんな戦争をするかしないか、とか、戦争の正当性を主張せねばならない時にはやはり意味があると言わざるを得ないでしょう。
 ま、レイの本音はもう一つ、議長が正しい、ということなのでしょうが。議長の正しさを信じているのなら、こんなことで迷うことはあり得ない、ということなのでしょうね。けど、それでは視野狭窄に陥っているだけなのではないか、と思います。

・アスラン生存を知ったルナマリアは、レイと議長に疑惑を持ちはじめた様子。まあ、キラとアスランの会話を盗聴していたのですから、当たり前と言えば当たり前ですが。
 死亡フラグでないことを祈ります。

・ミネルバはホント、こき使われています。ジブラルタルからオーブに回されたと思ったら、今度はすぐさま月の裏側です。ブースター付けて飛びだっていきました。
 取り敢えず、この世界では重力下での浮遊技術というのはあんまり発達していないようですね。けど、例の“ポジトロニック・インターファライアンス”を使わねばならない程、ミネルバは先を急いではいなかったようです。

・タリア艦長、お疲れです。アーサーは驚くを通り越して、現在のこの異常事態に不安感を抱いている様子。まあ、ラクスが二人もいれば「なんじゃこりゃあ?!」ということになるでしょうね、普通。

・イザークとディアッカ、久し振りの台詞でしたね。っていうか、台詞のある回になるとシホの出番がなくなるのはなんとかして欲しいと思います。切に。
 ハイネ隊はイザークの指揮下に置かれたようです。そう言えば、ザフト軍事ステーションって、何処に行ってしまったんでしょう?

 満足度=☆☆/2★★★(一個半)
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by shunichiro0083 | 2005-08-22 12:44 | 感想


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