2005年 08月 11日

ボンボン版種運・05年9月号を読んで ネタバレあり!

・いやあ、オリジナル展開ここに極まれり、という観のある高山先生版ですが本編の流れを変えずに、しかし大胆に構成を変えることで「渾沌の先に」まで行ってしまいました。
 けど、この方がシンらしさが出ていて僕は好きですね。





・さて、シンとキラの対決は間をおくことなく、始まってしまいました。これによってあのステラ水葬の件はなくなってしまった訳ですが、漫画的にはすっきりしていると思います。
 また、ステラを失ったシンの激しい怒りや深い悲しみがストレートに表現されていて、より直情的なシンらしくなったといえるのではないでしょうか。
 勿論、この展開を採ることでシンがレイに操られている、という印象は限りなく薄くなるのですが、大局的には議長の遠大な陰謀の一環である、と言う風になるのなら別段問題はないのかな、とも。穿った見方をするのなら、あの電撃的なザフト全軍へのフリーダム及びAAへの攻撃命令はレイからの進言を受けた議長が裁断した、とも解釈出来ますし。
 だとすれば、レイは単純にシンを操縦するのではなく、ミネルバ全体を監視統帥する旧ソビエトの政治局員みたいな役割がより鮮明になっていくのかもしれません。

・キラはシンの感情を剥き出しにした戦いぶりに、終始圧倒されています。けど、単にシンの捨て身の戦法に屈したというよりは、デストロイ相手には逃げていたザフト軍がここぞとばかりに押し寄せたその光景に心を奪われ、その一瞬の隙を突かれてシンの一撃を喰らったようにも見えます。
 ただ、自由のビームサーベルで二つに割れたエクスカリバーが肩関節に入り、三つに裂かれただけで爆発炎上した、というのもあんまりピンと来ませんでした。
 まあ、この描写は本編での「設定上存在しない筈の、エクスカリバーの切っ先にレーザーアブレード形成」を何とか回避する為高山先生の苦肉の策なのではないかと思うのですが。片方で自由の右腕も切り裂いていますので、この辺りが作用して爆発したのだ、という感じでしょうか。

・アスランの描写も本編とは違い、かなり積極的に介入していきます。対デストロイ戦の直後であることを使い、友軍のバビがミネルバに緊急着艦していたことにしてそれをF.E.I.T.H.権限で拝借。
 インパルスと自由の戦いに割って入って、身体を張ってシンとキラの戦闘を仲裁しようと頑張る姿はTVにはないものです。確かにアスランはキラを身贔屓しているのは事実ですが、それと同時に重大な軍規違反を犯してしまっているシンの身も案じている-そういう気持ちもシンには通用しないのですが。
 このあと、議長に呼び出されてシンを顔をつき合わす際に、露骨に仲が悪いのが分かるのも結構楽しいです。

・ルナマリアはシンの鬼神の如き戦いぶりに感激して、涙ぐんでいます。この辺りもTVと違ってきちんと描写されていますよね。
 ジブラルタルに着いた時の、-おそらくはステラのことを思い出して-落ち込んだシンを慰める辺りもいいです。ハンガーに籠もったシンを心配している所とかも。

・アーサーの驚き役はこちらでも健在ですな。加えて、富樫&虎丸役も務めています。95頁、いい顔してるなあ。

・今回の議長の演説やその後の世界情勢の激変なんかもそうなんですが、高山先生は敢えて話の流れをぶつ切りにならない程度に行きつ戻りつしつつ、巧みにショートカットしています。こういうと簡単ですが、大変な苦労であろうことは想像に難くありません。
 公式サイトの脚本家の人の話を読むと、ギリギリまで脚本上がっていないみたいですし。そういう中で再構成しているのですから、ホント凄いと思いますよ。

・議長の演説後、世界各国が連合を離反してプラント側に与していくことの見せ方も本当に上手いし、分かり易いです。
 どうやら、TV本編は敢えてアバンタイトル以外でのナレーションの使用を禁じ手にしているようですが、それで話が分かりにくくなってしまうのなら本末転倒だと思いますね。今回の話の中でも、限られた枚数の中でロゴスが劣勢に追いやられて行く姿が簡潔に。しかしより噛み砕いて描かれていたと思います。
 それ以外でも、アーサーの台詞にザフトと連合の部隊が握手しているカットを入れたり、シンとルナマリアの会話を入れることで、端的にコーディネイターとナチュラルが共同戦線を張っているのだ、というのを示したり。
 ロゴスにどうして降伏勧告をするのか、というのを軍事と対比させることでその穏健姿勢を明確に表現したり。
 デスティニーの高性能について、シンにヨウラン達相手の感想として言わせることで、多少不自然ではあってもその凄さを強調したり。
 うーん、脱帽です。

・で、次号への引きはアスラン脱走です。レイも最後の最後で出番がありました。数日後、というインポーズがわざわざ入っているのがちょっと気になります。意外と議長に拘束されて、そこをミーアかメイリンに助けられるのでしょうか。二人きりで話した内容も気になります。
 そう言えば、普通に考えるとボンボン連載も10月売りの号で終わる筈なのですがね。このペースだとちょっと厳しいような。別に、連載が長く続いてくれる分には何も問題ないのですがね。
 とりあえず、種運アストレイの方は終わる気配はないですし。
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by shunichiro0083 | 2005-08-11 19:04 | コミック


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