2005年 07月 29日

ザフトの兵器調達事情から垣間見るプラントの体制の一断面のこと

・さて、ザフトとはコーディネイター国家としてのプラントにおける、軍事組織の名称であります。国家としてのプラントの情報は断片的なものが殆どでありますが、この項では表題のものを通じてプラントとは如何なる国家体制であるのかを考えてみたいと思います。

・と、その前に、プラントの宗主国からの独立の際に起きたであろうことを想像して見ましょう。C.E.公式年表からははっきりしませんが、遅くとも70年2月18日のクライン議長(当時)による独立宣言の際には各プラントの全施設は接収され、コーディネイターのものとなったと思われます。
 後にプラントの代表的な国策企業として名の挙がるマイウス・ミリタリー・インダストリー(MMI)や、マティウス・アーセナリー(MA)となる工場群もこの際に没収されたのでしょう。被支配地としてのプラントの性質上、軍事工廠ではなかったのでしょうが、大規模な重工業施設であったことから兵器生産拠点として転用されたのではないかと推測します。
 そして、こうしたプラントにおける企業の大半が国営企業ではないかと推測するのです。その理由を以下に述べていきましょう。

・まず、ザフトの兵器開発及び量産体制が驚くほど、旧ソビエトと似通ってるからです。
 ご存じない方の為に簡単にザフトにおける兵器開発を説明すると、MSの場合ですが主要設計局と呼ばれる「アジモフ」「クラーク」「ハインライン」の三局が設計を担当し、そこからMS量産を担当するMMIにデータが回される、というのが一般的なようです。
 MAは艦船や、そこから派生するMS用オプションパーツ-実体剣やシールド、ビーム兵器を担当していると言われています。
 こうした図式は旧ソビエトの戦闘機開発-有名なのはMiG(ミヤコン-グレビッチ)設計局やSu(ツホーイ)設計局-と酷似しています。
 これは想像ですが、プラント独立直後は旧宗主国側(地球連合)と一触即発の危機にあり、事実四日後の2月22日にはL1ポイントにおいて『世界樹』攻防戦が行われています。こうした状況下において戦力の充実は最重要課題であり、その一翼を担う軍需産業が国家の管理化におかれるのはある意味、当然なのではないでしょうか。
 また、兵站という観点から食糧生産も重要な課題でしょうが、植民地支配を容易くするという事情からプラントには食糧自給のシステムは未整備のままでした。そしてそれをプラント側が独断で行った結果、「血のバレンタイン」を招いてしまった程です。
 連合から独立したプラントが国民の胃袋を満たす為には個人による小規模農業ではなく、すぐさま大規模農業を軌道に乗せねばならなかった筈であり、それも国策企業か或いは政府そのものが乗り出さねば実現不可能だったでしょう。
 ナチュラルとの戦いも一旦は終息したものの、国が疲弊しているという事実に変わりはなく、すぐさま民営化という訳にもいかなかったのではないかと推測します。
 こうした理由からプラントには国営企業しか存在せず、自由主義経済ではないのではないかと考える訳です。逆を言えば、デュランダル議長があれほどまで苛烈にロゴス-産軍複合体を非難出来たのも、プラントではこうした事情から国家が軍需産業を掌握している、という自負があったからではないでしょうか。

・その一方で、プラント市民の義務と自由は保障されているようです。自由選挙も行われているようですが、最高評議会議長の選出は評議員間の投票で決まるのものと思われます。国民の直接選挙で決まるなら議長ではなく、「大統領」となる筈です。
 ちなみに、プラント-国名ではなく、個々のモジュールとして-1基は「1区」として数えられ、これが10集まると「市」という行政単位となる。「市」は全部で12あり、この「市」の行政の長がプラント最高評議員となるのである。
 この他、判明している政府組織としては軍事委員会があり、ザフト全部隊を統轄しているものと思われる。
 また、現議長のギルバート・デュランダルが遺伝子解析の権威であるように、市長に選ばれる人間は慣例的に何らかの才能に秀でている者が当選する傾向があるようにも思える。NJキャンセラーを完成させたユーリ・アマルフィも最高評議員であった。
 そういう意味では、プラントにおける政治や選挙というのは地上の他の国々と比べ、個人の能力を評価することに重点が置かれているものと思われる。これはおそらく、プラントの国民が高い能力を持つと自負するコーディネイターであることと無縁ではないだろう。

・こうして考えると、プラントという国家は経済体制は社会主義国家にも似たものを持っている反面、政治については民主的な制度が確立しているのではないかと推測される。文化などについてはまだ独自の成熟したものはないと思われるが、ラクス・クラインの存在から音楽関連については比較的他分野よりも進んでいると想像出来る。
 プラントは何分まだ若い国家であり、言い換えればまだ発展途上にあるとも言える。出生率の低下もまだ克服はされていないようでもあり、全ては連合との戦争が終結た後、内政の充実や経済の健全な発展が為されるかどうかにかかっているのではないだろうか。
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by shunichiro0083 | 2005-07-29 17:29 | 設定


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