2005年 07月 27日

プロト・プロヴィデンスと量子通信のこと

・さて、過日「シャア専用ブログ」さんの所で示唆されたのだが、本来プロヴィデンスにはドラグーンシステムは搭載される予定がなかったという。本体の基本設計終了後、急遽取り付けられることとなった、という経緯があるのだとか。
 胸周りにむき出しなった、C.E.では珍しいパイプがその証拠なのだとか。
 このプロヴィデンスはフリーダム、ジャスティスと「並行して」開発されていた機体であったが-データコレクションより-、若干完成は前述の2機よりも遅れている。MGフリーダムのインストに拠れば、フリーダムとジャスティスが完成した後も、まだ開発が続けられていたという。
 フリーダムは殲滅型対MS戦用MSであり、ジャスティスは装備換装型強襲用MSとして開発され、最終的にプロヴィデンスはドラグーンシステム搭載型対MS戦用MSに落ち着いている。しかしながら、ドラグーンシステムが後付けだとするなら、本来のプロヴィデンスとはそれとは異なる種別のMSであった筈である。それは一体、なんだったのだろうか。
 それに対する思考のとっかかりこそ、量子通信にあるのである。

・さて、以前「ドラグーンについて」というエントリーでも書いたが、ドラグーンシステムは量子通信システムによって制御される。
 前述の記事の時には正直、情報が少なく妄想が暴走気味であったが、今回、ひょんなところから量子通信に関する情報を得た。それが「アストレイ」に登場したMSゲル・フィニートのキャプションからである。
 詳しいことは後述の「おまけ」に譲るが、このゲル・フィニートはMSの量子コンピュータに干渉する特殊なウイスルを散布することが出来、そのキャリアとしてミラージュコロイドが採用されている。
 そして、この技術を入手したザフトは更にそれを洗練させることで、量子通信システムを完成させるに至ったのである。おそらくはこのシステムが完成した段階でドラグーンシステムが考案され、プロヴィデンスに搭載されたのであろう。
 この完成した量子通信システムとは結局、機体周囲に散布したミラージュコロイドの「場」を媒介とし、双方向データ通信を可能にするものではないだろうか。だとすれば、これはミノフスキー通信のC.E.版であろう。
 いくらウイルスとは言っても煎じ詰めればプログラムであり、実体を持つものではない。それが感染後のMSを自由に操れる、ということはハッキングも同時に行っている筈である。と、いうことはこのウイルスはあくまで敵機の量子コンピュータに外部からアクセスする手段に過ぎず、結局の所はゲル・フィニートが何をしたいか、によるのだろう。敵機をただ混乱させるだけならばコンピュータを狂わせるプログラムを流し、支配したいのであればコントロールシステムをコクピットから切り離し、指令を与え操るのだろう。
 これは想像だが、ゲル・フィニートのウイルスシステムでは感染させたとは言え敵機の精密なコントロールは出来なかったのではないだろうか。コントロールするとは言えあくまでも敵機のコンピュータに依存する、双方向ではない一方通行な情報伝達ツールでしかなかったのである。
 無論、それは敵機を無理矢理乗っ取るという一種の攻撃手段であったからでもあるが、ザフトの技術陣はこの原理はそのままに、自機の攻撃端末の制御に応用すると言うシステム全体を再構築したのではないだろうか。この場合の“コロンブスの卵”は自機のみならず、端末にも量子通信の発信機を搭載する、というアイデアだったのではないだろうか。
 しかしながら、ここで一つの疑問が生じる。基本設計外のパーツであるなら、いくら開発が遅れていたとは言え、何故ジャスティスにはオプションパーツとしてプロヴィデンスが搭載されなかった、ということである。
 ジャスティスとはその名の通り「装備換装型」であり、本来ならばストライク宜しく局面に合わせた様々なバックパックを持っていたであろうことは想像に難くない。そうした本来の役割から行けば、ジャスティスこそドラグーンシステムを装備する機体であったとも言えるだろう。
 では何故、ジャスティスにドラグーンシステムは装備されず、プロヴィデンスにのみ搭載されたのであろうか。ここにも、プロト・プロヴィデンスを推測する鍵が隠されている。

・結論から言うと、プロト・プロヴィデンスとはミラージュコロイドを搭載した、電撃侵攻型対MS戦用MSではなかっただろうか。ミラージュコロイドを展開して敵陣深くへと進入し、そのまま姿を見せず、しかし確実に敵MSを葬っていく「死神の意志」を体現したかの如き機体-これこそが本来のプロヴィデンスではなかったかと夢想するのだ。
 そして基本設計の中にミラージュコロイドが組み込まれていたからこそ、ドラグーンシステムの搭載機としてプロヴィデンスが選ばれたのではないだろうか-余談だが、ジャスティスがバックパック兼リフター/ファトゥム-00を制御するのは慣性制御と赤外線による情報伝達ではないかと推測する。
 プロト・プロヴィデンスの武装としてはユーキディウム・ビームライフル、複合兵装防盾システムの他、バックパック部分に四連装クスィフィアスレールガンを装備しているのではないかと。何故、レールガンかと言えばMGフリーダムのインストでは「ビーム対策用のラミネート装甲が一般化した戦場での対艦船兵器としてや、複数の標的への連射攻撃を可能とする」というレールガンの特性が書かれていたことから。
 パラエーナ・プラズマ収束ビーム砲でもいいのかもしれないけれど、それでは発する熱量が大きすぎてミラージュコロイドでも隠しきれないのではないのかな、とか考えたので。
 一方、四連装というのはPS2ゲーム「機動戦士ガンダムSEED 終わらない明日へ ミッションオープニング」における、謎の機体の映像から-背中に、サーベルと思われる四つの筒状パーツを装備している-。これの映像は「Data of GUNDAM MS-LEXICON」さんの「情報支援掲示板」の記事「X12じゃないのか」で確認出来ます。
 ちょっと小さく細いので、クスィフィアスレールガンと仮定するのは強引かと思いますが、戦闘時には折り畳まれていた砲身が展開して伸びる、ということで。フリーダム宜しく、腰の部分にもう一丁づつレールガンを装備していてもいいのではないですかね。



アクタイトン・インダストリィ社製試作モビルスーツ ゲル・フィニート

■アクタイオン・インダストリィ社の新型試作機。
 アクタイオンは、主に連合系の戦車や武装車両を提供してきたメーカー(ときた版のコミックで、レッドフレームのデータを盗もうとしたこともある)。時代の流れに合わせ、モビルスーツの開発に着手。完成した1号機が本機である。
 ゲル・フィニートは、情報屋ルニーニの協力を得て完成しており、彼から、かなりの技術提供を受けている。
 アクタイオンとしては、これをプラントのザフト軍に売り込もうとしていたようだが、失敗。ザフト軍は次期主力モビルスーツとしてゲイツを採用するに至っている。
※ザフト軍は国策企業であるマイウスでモビルスーツを生産しており、一般企業が食い込めるような余地はほとんどない。それを承知でアクタイオンがこのような行動に出たのは、ルキーニによる先導があったものと思われる。
 当時のアクタイオンの「ゲル・フィニート」のパンフレットを見ると、ザフト軍のエースであるラウ・ル・クルーゼの搭乗機として、イメージされた記述が多く見受けられる。これは、おそらく情報屋のルキーニを通し、ラウの口利きをもらおうとして行われたことだと推察される。
※この件について、ラウが事実を知っていたかどうかは定かではない。

■機体性能
 モビルスーツとしては、中程度の性能しかない。運動性、パワーともに平均を上回るものではなく、提供を受けた技術を洗練することなく使用したものと思われる(それは、アクタイオンがモビルスーツの開発に必死だった現れとも考えられる)。

■特殊能力
 ゲル・フィニートのもっとも特徴的なのが、そのバインダーに付与された能力だ。
 それは、自機を中心とした特定エリアに、強力なコンピューターウイルスを散布するもので、特定のコンピュータをコントロールすることが可能となる。
 このウイルスは、この世界で広く使われている量子コンピュータをターゲットとするもので、標的となるコンピュータの外側に量子の揺らぎレベルで干渉し、その動作を支配する。
 ウイルスの散布には、ミラージュコロイドの原理を利用している。ミラージュコロイドは、様々な帯域の電磁波を干渉・歪曲する技術で、連合の「ブリッツ」は、ステルス性を獲得するのに利用し、「フォビドゥン」は、これを攻撃ビームを変更させるのに使用している。
 前述した連合の2機は、ミラージュコロイドを特殊な電場で自分自身の機体近傍に留めて使用しているのに対し、ゲル・フィニートは、ミラージュコロイドそのものをコンピュータ・ウイルスのキャリアとして使い、電場による制御を行わないことで周囲に拡散させ、他の機体に影響を及ぼす。

■弱点
 ミラージュコロイド自身が時間とともに消滅するという性質があるため、ゲル・フィニートからあまり離れるとその効果は失われてしまう。
 また、ゲル・フィニート自身がこのウイルスに感染しない事実をも見てもわかるとおり、コンピュータを強力な電場でシールドすることで、このウイルスを防ぐことが可能であり、一旦、能力を見抜かれ対策を施されてしまうと、まったく利用価値がなくなってしまう。

■余談
 実際にゲル・フィニートが、ザフト軍に納品された事実を確認することはできないが、このゲル・フィニートの能力と同系列の技術を発展させ、ニュートロンジャンマー影響下でも、クリアに情報を伝達できる量子通信システムの開発がザフト軍で行われた事実がある。
 同システムは、「ドラグーン」と呼ばれる遠隔操作兵器のコントロールに使用されている。
 また、アクタイオンでは、その後、さらなる研究を重ねた結果、ユーラシア連邦との共同開発により、「ハイペリオン」と呼ばれる機体を完成させている。

(初出:電撃ホビーマガジン/2004年2月号/メディアワークス)

・以上が、現在判明しているゲル・フィニートの公式設定の殆どでしょう(確証はありませんが)。思えば僕が何処かのサイトで見た「ドラグーンの制御にはミラージュコロイドの技術が応用されている」というのも、ここが初出なのではないかと思われます。

・ただ、一つ気になるのは同号の「ASTRAY B/オペレーション16:ゲル・フィニート」の作中では、ステルスとしてのミラージュコロイドを展開しているようにも見受けられる描写があること。まあ、ミラージュコロイドだとも明言されていないのですがね。
 ひょっとしたら、テスタメント仮説の元になったシステムなのかもしれない、とか書いたり。
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by shunichiro0083 | 2005-07-27 00:02 | 設定


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