2005年 07月 23日
・なんかヘナヘナな展開だったような気がするのですが・・・これは単なる「主観」なのか。それとも、識閾下の集合的無意識で不特定多数の人々と共有した「客観」だったのでしょうか? ・取り敢えず、これだけは言いたい。ユウナはあんなヘタレではなかった筈だ、と。無論、そういう風に感じていた人もいるのかもしれないが、少なくともカガリを行政府の中で孤立させていた頃の彼はこんな人間ではなかったのではなかろうか。 前々から思っていたことではあるが、この「種運」という作品は凄い人間を表現する場合、純粋にその人間の凄い所、優れた部分を描写するのではなく、周囲を貶めることで相対的に描く、という手法を採り過ぎではないかと思う。 今回で言えば、ユウナをあそこまで駄目な人間として表現することで、結果的にカガリの英明さを演出し、ユウナ失脚を不自然なく見せようとしている。 しかしながら、これとほぼ逆の映像を視聴者は半年ほど前に見せられている。そう、PHASE-11 選びし道である。この時、カガリは軍司令部にてミネルバが連合軍とオーブ軍から事実上の挟撃を受けていることに動揺し、周囲の軍人達から不信の眼で見られている。 今回のこのシーンはこれの焼き直しである訳だが、これとは大きく違う部分が一つだけある。と、言ってもそれはカガリのことではない。カガリというキャラクターが自分を取り戻していれば、成功するかどうかは兎も角あれくらいはやってのけると僕は思っている。 問題はユウナである。初期のユウナは権謀術数を張り巡らし、オーブの権力を事実上掌握していた。あのシーンとは行政府とは別に、2年前の戦争で最前線に立ってともに戦ったカガリの軍におけるカリスマを剥ぎ取る為にセイラン親子が仕組んだあからさまな罠だった筈である。ユウナとは、そういう陰謀家である筈だったのだ。 しかしながら、これまでの言動でカガリがきちんと浮上せず。さりとてこのままじっくりとカガリがオーブ本国にてその実権を取り戻す、という過程を描けないからか?! だからユウナをあんな道化にして、無理矢理決着を付けたのかな、なんて勘繰っちゃいますよ、ホント。 ・で、そのカガリが乗るのが今は亡き養父・ウズミが何故か遺していたという金色の超高性能MS・アカツキ-けど、OSの起動はちゃっかりG.U.N.D.A.M.でした-未確認情報ですが、ストライクと同じもののようです。っていうことは、アストレイの開発とほぼ並行して製作が進められていた、ってことになるのかな。 それにしても、些か品のない戦闘シーンでしたな。発射されるビームを反射するどころか、正確に跳ね返して敵機を撃墜してたし。百式だとか下馬評では言われていましたが、ありゃあむしろK.O.G.でしょう。どこぞの王家の方専用マシーンな所までそっくりですがな。デザインとしても百式というよりは、同じく某永野氏がデザインしたものの没になったZZガンダムに似ているんじゃないかな、とか。 ・こういう描写を見ていると、一連の地下ドック-というか地下基地は単なるモルゲンレーテとかいうのではなく、やっぱりアスハ家がその存続の為に建造した秘密拠点、というくらい大掛かりなもんじゃないのかな、とか思えます。だから、王家の財政を使って作られたアカツキが秘匿されていたのでしょう。 この辺りを突っ込み始めるともう、きりがなくなってしまいますが、ウズミが本当に連合のガンダム建造とその技術の流用を知らなかったかは大きな疑問となってしまうのではないかと思うのですが・・・どうなんでしょう? 少なくとも、前回の対連合との本土決戦の時に出しておけば戦況はかなり違ったんではないかと思いたい。なにせ、アカツキに率いられた三個小隊かそこらのムラサメが出撃するだけで、ザフト有利の戦局がオーブ軍が体勢を立て直すまでになるのですからね。少なく見積もっても、デストロイ級の能力は持っていると思われます。 ただ、そうなると超戦略級の性能を持ってしまっている-戦略級のデストロイを子ども扱いしているので、こういう表現になります-デスティニーや、それに匹敵するレジェンドの相手をするのはちょっと難しいかもしれませんね。やはり、打撃自由と無限正義の降臨待ちでしょうか。 何でも、早売りの模型誌に載っていたという情報では、アカツキは絶対的な防御力を第一義に考えられたMSらしく、基本兵装はライフル、サーベル、サーベルと実にシンプルなもの。しかしながらバックパックにはストライカー宜しく種類があるらしく、現に今回でもビーム砲をぶっ放していた。 あの金色は見れば分かる通り特殊コーティングで、ビームを拡散吸収するのではなく、かなりの確率で弾き返す攻防一体の装備であるようです。これが単なる外装若しくは塗料なのか。それともストライクのシールドの振動方式同様、何らかの機械式デバイスのものであるかまではまだ判りません-まあ、ゲシュマイディッヒ・パンツァーみたいなもの、と言われても驚きはしませんけどね。 ※7/24追記 :「種サーチ」さんの掲示板にも書いたのですが、未完成のアカツキを娘への遺産にしたりはしないと思います。まして、当時のオーブの情勢では建造途中のものを作り続けられるとは思えませんし-現にエリカら技術者も宇宙に上がっている訳で。 性能云々については、2年前に作られたフリーダムが現在でも圧倒的な強さを誇ったり。MS用ビームシールドが少数量産されている、という事実もあります(ハイペリオン)。こうしたことを考えるなら、一騎当千の性能を付与すべく設計開発されたワンオフの機体ならばあれだけの高性能であってもおかしくはないと思います。 完成していたのが2年前、という傍証としてはコクピット周りが古い、ということが挙げられるのではないですかね。使用しているOSがストライクと同型だったり、狙撃用スコープを使用していたり-GAT-Xシリーズしか使っていない(「シャア専用ブログ」さんでの指摘)。 戦後に細々と作り続けてきていたのなら、この辺りは最新のものにアップデートされていると思いますし-現にキラは打撃自由のOSを出撃前にアップデートしていました。そういうことからも、やっぱりアカツキは2年前に完成し、その後埃を被っていたのだと推測します。 ・しかしそうなると、ダーダネルス海峡の戦闘での顛末の理由はストライクルージュが弱かったから。若しくは、割ってはいるだけの戦力-今回におけるムラサメ隊-が足らなかったから、という至極当たり前の原因しか導き出されませんな。 結局、政治の世界では力が重要で、どんなに素晴らしい言葉も戦いの中では無力だという-あれ? これって「種運」当初にカガリが抱いていた理念~力が争いを呼ぶ~と180度違うんですけど。今回の話はカガリが自分の理想を捨て、非情な現実に目覚めるということなのでしょうか。 そういう意味で今回は、カガリが持つ理想が、議長の語る現実の前に敗れ去った象徴なのかもしれません。あくまでも形而上でのことですが。 ・ジブリールとウナトとの会話は意味不明。っていうか、連戦連敗のジブリールを何故、あそこま盲目的に信じるんでしょうか。ユニウスセブン落着直後の陰謀は兎も角、その後はやることなすこと全て上手く行っていないんですけど、ジブリール。 繰り返しますが、セイラン親子がまともな政治家で陰謀家だったら、あそこはさっさとジブリールをふんじばって議長に渡すでしょう。少なくとも、セイラン親子はオーブの首脳陣を自らに抱え込める程には手腕を持っています。そういう過去と、今回の描写は相反するものだと思うのですがねえ。 さもなくぱ、よっぽどの弱みをジブリールに掴まれているか、ですな。 兎も角、今回のザフトに対するオーブ行政府の対応は最低の一言に付きます。国内への対応も含めて。あんな大っぴらにジブリールを入国させておいて、それで「いない」とは言語道断もいい所です。どうせなら、「もう出国した」なり、「罪状が確定していない以上、引き渡すことは出来ない」くらいの芸は見せて欲しいものです。 あと、国民が何も知らされていない、っていうのも訳が判りません。オーブ近海にあんな大艦隊が近付いて来てたら、国がだんまりを決め込んでも、漁業なり、民間航空の人からなりから漏れるでしょうに。 もう、民衆の描写をしろとは言いませんが『もう、国民の大多数が感付いています。情報統制も限界です』とか言わせて見るとか。やりようはあると思いますが。 ・それに引きかえ、我らがデュランダル議長の怜悧さはなんでしょう。確かに議長の言う通り、ジブリールがオーブから国軍を提供され、アルザッヘル月面基地で再編されているであろう連合軍艦隊と合流したら、そりゃあプラント本国こそ再び本土決戦になり兼ねません。そういう意味で、議長の判断は正しいんです。 キラやタリアもそうですが、彼らが議長に対して疑念を抱いているのはどちらかと言うと大局的な判断ではなく、個人的な感情からです。本来ならばそこでどうしてそんな感情を抱いたかをきちんと分析し、それの理非を判断しなくてはならないのですがね。 しかし、ザフトにも属さない一介の工房が最強クラスのMSを建造し、それが如何なる国にも組織にも籍のない少年の手に渡るという現実。或いは、幾ら内部からの手引きが会ったとは言え、最重要機密兵器・フリーダムがいとも容易く盗み出されているという過去-これらを踏まえたなら、コーディネイターの特殊部隊が最新鋭のザフト製特殊戦支援MSを持ち出したからと言って、そんな簡単に議長を疑えはしないと思うのですが。 ・シン、出番はありましたが、それはいよいよ議長の手駒として取り込まれているということ。少し嬉しかったのは、F.A.I.T.H.の徽章を見た時、アスランの顔を思い浮かべたこと。まあ、こちらは死者を悼んで、ということでアスランの回想とはやや異なるのですが。 望みは薄そうですが、出来る事なら正道に立ち返って欲しいものです、シンには。自らの手で、罪のないオーブ国民を焼く前に。己の身に降りかかった悲劇を、他の誰かに強制する前に。 ・発進したグーン、何故か岸壁らしき所に突っ込んでそのまま潜っていってしまいましたよね。ありゃあ、ごく少数量産しかされなかったという地中型グーンが正式採用されてたんでしょうか。 そう言えば、先々週のヘブンズゲート戦でも何気にアッシュとかいましたっけね。特殊戦支援用のくせに、何故か前線で戦っていたけど。 ・アーサー、オーバーアクションで驚いたと思ったら、タリア艦長に制止されてしまいました。可哀そうに。 満足度=☆☆/2★★★(一個半) ・いつの間にか、オーブのマスドライバーは復活していたらしい。いやあ、知らなかった。 ・噂では例のアカツキ、ネオことムウに預けられるということなのですが。これはひょっとして、今度こそ陽電子砲を機体で防いでも行方不明になったりはしない、というスタッフからの無言のメッセージなのでしょうか?! ・足の速さが自慢らしいミネルバですが、幾らカーペンタリアから使命を帯びていたとは言えマハムール基地までは波をチャップチャップだったのが、今回は一足飛びにオーブ行きですよ。 まあ、時間軸もへったくれもないのかもしれませんが、本当にミネルバの運用と言うのは理解の外ですなあ。一体、あの艦のシステムはどうなっているんでしょうね。 ・今、思ったんですがアカツキがあそこまで強かったなら、二年前の本土決戦でもアカツキと一緒に自由&正義、M1アストレイ部隊(クサナギに温存した分)を出していたら戦局は引っくり返っていたんじゃないですかね。 ・このタイミングで来週は総集編なのかなあ。もしそうだとしたら、スタッフもいい度胸だよなあ・・・トホホ。
by shunichiro0083
| 2005-07-23 20:32
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