2005年 06月 06日

PHASE-33 示される世界

・取り敢えず、「種運」終盤の予想。

1.ロゴスには実は最高幹部会議・十二使徒がおり、それぞれが最高級のガンダムを保有し、ミネルバを苦しめる。
2.更にその上にはロゴス大首領<デウス>がおり、彼が駆るアポカリプスガンダムは打撃自由や無限正義、運命が束になっても敵わない程の戦闘力を持っている。
3.実は<デウス>はデュランダルの双子の兄であり、なんとこの戦争は壮大な痴話喧嘩であった。
4.シンやキラらを使って首尾良く兄たる<デウス>を斃したデュランダルの真の目的は、ロゴスなき世界の支配者となることであった。
 この野望を知ったシン達であったが、レイ率いるレジェンド部隊や、議長が駆るマイソロジーガンダムの破壊力の前に、あわや死亡寸前にまで追い込まれしまう。

・こんな冗談はさて置き。
 いや、シンが山深い湖にステラの遺体を沈める理由・・・ミネルバに持って帰るとプラント本国に送られ、モルモットにされるからですか。うーん、大したものです。
 これまで何度も繰り返してきましたが、本当にこういうディテールを描くのは上手ですよね、スタッフさん。
 それにしても、顔を上げたシンの形相はすっごく怖かった。夢に見そうだ。

・で、ここからフリーダムに復讐の炎を燃やすシンの物語がスタートしました。表向きは所属不明機に対する方策の検討とは言いながら、シンの瞳にはフリーダムを斃すことしか映っていない様子です。
 ここで問題なのはやはり、何故、レイがこうまでシンに肩入れするか、ですね。前回のシンの無断発進は個人の問題だとは思うのですが、今回のこれには議長の影を感じずにはいられません-これはひょっとして、議長がアスランを見限ってシンに乗り換えた、ということなのかな。
 実際、ミネルバにはフリーダムに対抗出来るだけの戦力はシンのインパルスしかないのですからね。あのレイの見事なまでの正論と弁護の前には、さしものアスランも言い返すことが出来ません。たとえ、どんなに馬鹿にされても。

・で、そのアスランはルナマリアの言葉に明らかな戸惑いを見せているように感じました。
 何の処罰も受けず、増長するシンに対し、ガツンと本来の実力を見せ付けてやるべきだ、というルナマリア(意訳)。そこで何故かアスランは「種運」1話から、議長よりセイバーを譲り受けるまでをフラッシュバックします。
 これは一体、何を暗示しているのでしょう。多分、力に対し力で対抗することの矛盾を感じていた自分。そしていつしか、それを忘れていた今の自分に気付き、自己嫌悪を抱き始めたのではないのかな、と想像します。
 だからこそ、ブルーコスモスを操るロゴスを真の悪であると糾弾し、それらに対する宣戦布告をした議長を見るアスランの表情は裏切られたようなものだったのではないでしょうか。力に力で対抗し、憎しみに憎しみを返す愚かさを知っていた筈の議長が下した決断は、かってアスランが議長がその愚を説いた状況そのままだったからです。
 まあ、あの時も議長はアスランに論破された訳ではなかったですから、アスランがああいう顔をするのはお門違いと言えばお門違いなんですがね。
 それとも、セイバーを失くし、議長に対する抑止力足り得ないことを今更ながらに悔やんでいるのでしょうか。

・ネオのデータはアークエンジェルのデータベースに残る、あの不死身の男と全く同じなようです。
 だからと言って、実はC.E.の世界では促成クローン作成技術が確立していた-なんて設定がここに来て急浮上する可能性も否定出来ませんのでね。そう言えば、「種」でも明確に否定されている訳ではありませんでしたし。
 個人的には単なる促成クローンではなく、それに加えてムウの身体データを元に調整された複製体に一票。
 泣き崩れるマリューさんの気持ちも分からないでもないですけどねえ。

・で、議長はデストロイの大量虐殺シーンという切り札を手に、全世界へと演説してロゴスの存在を白昼に曝け出します。っていうか、この地球はどれだけ情報操作されているのでしょう。あれだけのことをさせておきながら、ジブリールはデストロイのしでかした事が誰にもバレないと本気で信じ込んでいたみたいです-人の口に戸は立てられないのですが。
 ひょっとしたら、あの世界にインターネットは存在しないのでしょうか。民衆の草の根ネットワークも、NGOも-そういう世界設定なんだ、と言われればそれまでですが。だとすれば、ミリアリアはどこで自分の取材の成果を発表するつもりだったんでしょうね。ちょっと不思議です。
 そのロゴスはどうやって調べられたのか、顔写真にフルネーム付きで全世界に公表されてしまいました。随分と脇の甘い大会社のシャチョーさん達なようで、自分達の周囲を嗅ぎ回っている者がいれば気付いて然るべきなのではないか、とも思います。
 報道という面ではC.E.はどうも、公正公平を目指す公器としてのジャーナリズムがあまり育っていないような気もします。或いは、全てのジャーナリズムがロゴスなり国家の支配下に置かれている、ということなのでしょうか。翼賛体勢とかで。

・で、議長のこの世界中に向けて発信されたメッセージも、現実を知る者においてはやはり胡散臭く感じられるのも事実です。
 何故、デストロイを巡る一連の戦闘映像の中からフリーダムが排除されているのか。偽ラクスこと、ミーアがこの期に及んで演説をするのか。まあ、それもこれもひっくるめて政治であり、情報戦なのだ、ということであるなら仕方のないことなのかもしれません。
 しかしそれは裏返せば、議長の狙いが単に世界政治を影から牛耳ってきた闇の組織・ロゴスを潰すことで真の恒久平和をもたらす-ということのみならず、その後の混乱を極めるであろう世界情勢においてプラントが主導権を握る、という意志の現われでもあるのでしょう。
 だからこそ、あの破壊の権化たるデストロイを倒したのはザフトのMSでなければならず、前戦争終結に重大な役割を果たしたとされるラクスの偽者を用いてでも、自分がパトリックのような強硬派ではないことをアピールせねばならなかったのでしょうから。
 キラやラクスが揃って険しい貌をしていたのは、単に自分達が議長によっていいように使われているという嫌悪感だけではなく、そういう権謀術数の臭いを嗅ぎ取っているからなのではないかと思います-純粋に喜ぶシンや、微笑を浮かべるレイとは対照的ですね。

・それにしてもアーサー、議長の演説を聞いて単純に感動している場合じゃないだろ。タリアも元恋人の凛々しい姿に見惚れていた様子ですが。

・来週はいよいよミネルバに、アークエンジェル討伐の命が下るようです。ネオはこのままなし崩しに味方となり、余った虎用ムラサメとかに乗ってキラの窮地を救うのでしょうか。

 満足度=☆☆/2★★★(一個半)



・けど、ステラを湖に沈めるシーンを描きたいが為に構成を逆算していたのだとしたら、ちょっと嫌だな、とか薄汚れた自分は思いました。
 まあ、ああすることで新主人公のシンと旧主人公のキラに、家族話よりももっと直接の因縁も出来るので一石二鳥と考えられたのかもしれませんが。

・しかし、いつからキラはあんなに離れた人間の詳細を察知することが出来るようになったのだろう。
 ひょっとしてこれが、打撃自由に搭載されると評判のドラグーンに関する伏線なのだろうか?

・アーサーは議長が融和政策を採っている、と言っていましたがそれも何だか怪しいですね。あれだけ地上に拠点を置き、反連合地域の後ろ盾となってしまっている状況を鑑みれば、それを額面通りに受け取るのは危険ではないかと思います。
 むしろ議長はかってアスランに語った通り、力の使いどころを慎重に選んで行使しているのだと思いますね。

・今回、ジブリールやロゴスがなんかちっちぇえなあ、と感じていたのですが、その理由が今分かりました。
 妨害しか情報操作の出来ないジブリール&命令するしかないロゴスに比べ、こうした真実の報道に対して情報戦で切り返したという、実にスマートな闇の組織が20年以上前にロボットアニメで描写されていたのを思い出したからです。
 そのロボットアニメこそ「戦国魔神ゴーショーグン」・・・僕が中学生だった頃の作品ですね。
 これの第20話「宇宙中継 これがドクーガだ」で闇のコングロマリットで敵役でもあったドクーガはその正体を白日の下に晒されるのだが、すぐさま自身が社会全体に根付いたアピールを放送することにより、民衆の意識を操作して何事もなかったようにしてしまうのですよ。
 ロゴスやブルコスに足らないのは、こういう不気味なまでの懐の深さですね。なんか、すぐ底が透けてしまうという。
 ジブリールよ、部下を怒鳴ったり、目を見開いて悔しがるだけが全てはないぞ。

・上では書きませんでしたが、何でユーラシアの被災民達はデストロイが連合軍の機体だって断定出来たんでしょうね。ザフトが迎え撃ったからでしょうか。けど、それだけではちと弱いような気も。別にデストロイに連合軍マークが付いていた訳でもないし。
 個人的には、デストロイの随伴に連合軍の量産型MS・ウィンダム(紫)が付いていたからではないかと思うのですが。そうじゃなければ、あそこまで断定は出来ないのではないかと思います。あくまで、状況証拠しかないですからね。

・いや、しかし、この作品はあんまり政治の駆け引きとかが描かれていませんよね。
 確かに、議長の弁によればデストロイが襲った辺りというのはザフトの勢力範囲内になっていたようですが、そういう部分や経緯とかをしっかり描いていないし。救援活動を行っているのはザフトの皆さんらしいけど、政治をやるならああいう時こそしれっとした顔でユーラシア政府が緊急援助を逸早く展開して、住民の心を掴もうとしている、なんて描写をしておくべきではなかったかと思います。
 そういう描写があれば、単なる力押しの戦術家、という印象から脱せられるのにねえ、ジブリールも。戦いにおいて、二手三手先を考えておくのは当たり前らしいですし。それは政治も同じでしょう。
 よくあんなんで“古から”世界を支配できていたなあ、ロゴス。「四人姉妹」の爪の垢でも煎じて飲んだ方がいいぞ。
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by shunichiro0083 | 2005-06-06 12:56 | 感想


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