2005年 04月 01日

こんな急展開な「種運」は嫌だ?!

・まあ、四月馬鹿ということで、一つ。



・結局、プラントと連合間の戦争は膠着を通り越して泥沼と化し、大規模な戦闘はないまま戦いはザフト主導のままゲリラ戦へと突入していた。オーブは連合軍による軍政が敷かれ、対カーペンタリアの橋頭堡となり、オーブ国民はそれの維持に奉仕させられていた。
 ミネルバは名実ともに議長直属の独立部隊となり、常に最新鋭の機体と装備を保有する不沈艦として勇名を欲しいままにしていた。
 そして、ブレイク・ザ・ワールド事件から5年の歳月が過ぎ去ったその日、デュランダル議長の真の戦略が発動した。議長はザフト占領下のナチュラル全員に保健的処置を施していたのだが、政策上の問題及び人道上の観点から、彼らを連合に送り返していた。
 が、その彼らが突如人とも獣ともつかぬ怪人に変身し、世界各地で破壊活動を開始したのである。その肢体は頑健で、警察官が持つ拳銃程度ではびくともせず。むしろ、腕の一振りで撲殺されてしまっていた。それどころか、暴徒鎮圧の為に出撃した軍部隊の放つ戦車砲の直撃でさえ、平然と受け止めていたのである。
 彼らはそればかりか、高熱火炎やマイクロ波放射、生体ミサイル・ビーム砲、高周波サーベルなど様々な火力を保有し。また、空中や海中といった特殊な状況にも対応していた。その威力はMSのそれにも匹敵し、この攻撃にさしもの連合軍も敗退に敗退を続けたのであった。

・実はこれこそ、遺伝子技術の権威たるデュランダルが完成させた生体機動兵器-通称・コーディノイド(調整兵)であった。コーディネイターとはこのコーディノイドからすれば、単なる通過点に過ぎなかったのである。
 そしてそれはこの後天的コーディノイドだけでなく、今や全てのコーディネイターがコーディノイドとして調整されていたのであった。無論、それはミネルバも例外ではなかった。その中でもレイは議長の信頼あつい存在として、ハイパー・コーディノイド-超調整兵をも超えるコーディロード-調整神将として調整されていたのである。
 そしてこのコーディノイドの圧倒的優位とその物量は、死の商人たるロゴスにとってもまた死活問題であった。自分達の生産設備から生まれるのではなく、人の胎から生み出されるコーディノイドの存在は軍需産業を斜陽に追い込むには充分であったからである。
 かくして影の存在であったロゴスは最早その存在を隠すことをやめ、自ら戦争の指導に乗り出したのであった。

・一方、反攻を続ける連合軍であったが、人間並みの大きさでありながら、その火力はMSにも匹敵するコーディノイドを倒すのは至難の技であった。如何に歴戦のパイロットと言えども、敏捷性で遥かに優る等身大の兵士を狙い撃ちするのは困難を極めたからである。まして、MSにはその巨体故に死角も多い。こうして連合軍は敗退に敗退を重ね、世界はデュランダルの手に落ちるかに見えた。
 だが、こうした絶望的な状況の中、コーディノイド部隊と互角に戦う者もいた。アスランとシンはその優れた身体能力と適応性からハイパー・コーディノイドとして調整されていたが、議長による洗脳を跳ね除けて脱出。志を同じくするアークエンジェルと合流して、ゲリラ活動に身を投じていた。
 そして、もとよりスーパー・コーディネイターとして生を享けていたキラは極限状態になった時、その潜在能力を開放してスーパー・コーディロード-超調整神将となったのである。その破壊力は凄まじく、胸部から放たれるバラエーナ・拡散プラズマスマッシャーは、一撃にして数百体のコーディノイドを個別補足・消滅させることが可能なのだ。
 また、アスランとシン-SEEDを持つ者でもあった二人は調整による戦闘能力との相乗効果で、コーディノイドはおろか他のハイパー・コーディノイドをも圧倒する戦闘力を見せた。中でもシンは掌に高エネルギーを集約させ、その光り輝く掌底で白兵戦を行うという戦法に開眼。その一撃はハイパー・コーディノイドをも倒し、戦艦すら行動不能に陥らせる。
 一方のアスランは暫定的ながら重力を操る力を体得し、これによって単体での飛行能力と宇宙空間での高機動性を獲得した。また、この重力エネルギーは攻撃にも転用可能な他、バリヤーとしても使用出来る。こうしてキラが後方から支援し、アスランは近中距離からの砲撃支援を行い、前線ではシンが白兵戦を挑むというこの戦術によってアークエンジェルはザフトに対し勝利してきたのであった。
 
・しかしながら、このアークエンジェルの善戦も戦局を引っ繰り返すには至らず、ロゴスとブルーコスモスは敗北、殲滅された。このままではデュランダルの勝利は揺るぎないものになるかに見えた。しかし、プラントに潜入したミリアリアの決死の働きによってディアッカとイザークの洗脳は解け、その内通によってアークエンジェルはプラントに対して特攻を敢行。デュランダルに対するピンポイント攻撃によって、この未曾有の戦争に終止符を打とうとしたのであった。
 この攻撃は成功し、キラたちはデュランダルと対峙した。と、その時、物陰から現れたのはレイ、ルナマリア、タリアの三人であり、彼らは皆コーディロードとして議長の親衛を務めていたのであった。
 その強大な戦闘力に苦戦するキラたちであったが、三人の危機に颯爽と現れたのはイザークとディアッカであった。彼らもまたハイパー・コーディノイドであり、その助けを借りてキラは今度こそデュランダルと対決を果たすことに成功する。
 手加減無用と一撃必殺のプラズマスマッシャーを叩き込んだキラであったが、この渾身の一撃を受けても議長はビクともしない-そう、議長こそは陽電子の力を操る最強のコーディノイド、デストロイであったのだ。全身にポジトロン・クリスタルを持ち、守りにあってはあらゆる攻撃を陽電子リフレクターで退け、攻めに転じれば陽電子砲で如何なるものをも破壊する、終末の使者。それがギルバート・デュランダルの正体であったのだ。
 スーパー・コーディロードたるキラの力を以ってしても彼我の差は圧倒的であり、一対一では勝ち目はなかった。だが、辛くもレイら三人のコーディロードを退けたアスランらの力を借り、五人の全力を束ねてデュランダルに戦いを挑むのだ。
 陽電子砲はアスランの重力バリヤーで防ぎ、イザークとディアッカは十字砲火で牽制し、隙を作るのである。そして、キラの最大出力プラズマスマッシャーを掌に受けたシンは渾身にして会心の掌底をデュランダルに叩き込んだ!
 凄まじい爆音が部屋に響き、煙と爆風が辺りを覆い隠す。だが、この一撃を喰らってもなお、デュランダルは生きていた。諦めかけるシン。だが、その刹那、脳裏に浮かステラ。その想いがシンに眠っていた最後の力を目覚めさせた-そう、シンもまたスーパー・コ-ディネイターだったのだ! 掌全体を発振機と化し、シンはデュランダルにプラズマスマッシャーを放ち、その光は今度こそデュランダルの全てを焼き尽くしたのである。

・こうして戦いは終わり、絶対数が減少したナチュラルとコーディネイターは好むと好まざると同じ場所で生きていかざるを得なかった。それがどういう結果になるのかはまだ判らないが、少なくとも調整兵としての形質は遺伝子の中に眠り、よほどの外的要因がなければ発動することはないだろう、というのがナチュラル・コーディネイター双方の研究者の共通した見解だった。
 かくして、コーディネイターの突出した能力はナチュラルの血によって薄まり。逆にナチュラルの基礎能力はコーディネイターの遺伝子によって高められて行く。これが続くことで、両者の能力差は急速に縮まって行くだろう。
 それが双方にとって善いことなのか、それとも不幸なことなのか。それはまだ誰にも分からない。けれど、そうすることで戦争の火種が一つ消え去るのなら、それはとてもいいことではないのかと、生まれたばかりの我が子を抱きながらカガリは思うのであった。

~完~
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by shunichiro0083 | 2005-04-01 22:41 | その他


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