2005年 02月 02日

オーブのことについて

・さて、僕は「種」や「種運」におけるオーブの設定というのは「コーディネイターとナチュラル」同様、作劇の必要上から生み出されたものとして、個人的な考えの中には入れてこなかった。
 それは明らかに、対立する二つの陣営を描く為にのみ必要とされた存在であると、作中で描写されているようにも思えたからでもある。そしてそれが現実世界の日本の投影像であることも、また理由の一つだった。
 しかし、この件で友人と話をし、コーディネイターについて考えるならオーブ連合首長国というものも考えなければ片手落ちではないかと思うようになり、ここに不完全ではあるが僕が思い浮かべるオーブ像というものを綴ってみることにする。
 ちなみに、今回の記事については公式設定や小説・アストレイというものを極力排し、本編のみの情報で再構築してみようと思う。
 しかしながら、僕は前作「種」については2クールで挫折した人間なので、その後の「種」についてはムックや人づての情報になっている部分が多分にある。一例を挙げるなら、PHASE‐13「よみがえる翼」でのフリーダムの出撃シーンを前作の同一のものと気付かず、前回のセイバーの発進シーンの流用と思ったことが該当するでしょう。
 今後もこういった間違いが多々あるかもしれませんが、悪意はないことだけは書き記しておきたいと思います。

・閑話休題、オーブですが現在判明している・もしくはかなり高精度で類推出来る条項を箇条書きにして見ます。

 #オセアニアと呼ばれる地域の中でも中央に位置し、オーストラリアやニュージーランドにも比較的近い海域に位置している、幾つかの島嶼からなる中立国
 #その主要な島の一つ・オノゴロ島には国営企業・モルゲンレーテや、マスドライバー・カグヤがある
 #高い水準の技術力と工業力を持ち、それは世界でも高水準であることから、工業国として発達発展したものと推測される
 #その国是は「他国を侵略しない 他国に侵略されない 他国の争いに介入しない」で、その為に独自の軍事力を保有している
 #「ヘリオポリス」というスペースコロニーを保有していることからも、その経済力が列強大国に次ぐものであると推測される
 #ナチュラルとコーディネイターが共存している国であり、国民もその政策を受け入れている
 #その娘が「姫」と呼ばれることから、国家元首は「首長」という名の君主であること
 #公用語は日本語だが、一般にオーブで通用しているネーミングは日本語(イズモ、ムラクモ等)・英語(アークエンジェル、アストレイ等)・ドイツ語(イーゲルシュテルン・モルゲンレーテ等)と幅広い
 #首長が公的に信仰しているのは「ハウメア」で、これはハワイの神々の内、大地の女神であるハウメアから採られていると考えられる。

 ・・・こんな所でしょうか。五大氏族云々は本編でちゃんと説明していたか自信がないので、敢えて項目立てはしませんでした。

・さて、オーブについての考察は少なくないだろうが、その際に大きな壁となって立ち塞がるのは上記の項目の内最後の二つ‐公用語が日本語であることと、土着の神が信仰の対象となっていることだろうか。
 何故なら言葉とは文化を発展させ、国力を向上させるには不可欠と言っても過言ではない程、重要な意味を持つと考えられるからです。そしてそれは単なる外圧では変更はされないでしょう‐武力侵略を受ければ別ですが。
 その一方、信仰とはその国に住む人々固有の、そして先祖代々受け継いで来た精神的支柱であり、これが目に見える形で残っているのはオーブという国が紆余曲折はあったにせよ、連続した歴史を持っている‐単なる新興国家ではない有力な傍証になるのではないかと推測します。
 こうしたことを前提に個人的な結論を急げば、この混交した文化を持つオーブという国は十六世紀末に名もなき日本人商人がかの地に来航したことに端を発するのではないか、ということになる。
 この十六世紀末とは所謂大航海時代の終盤であるが、ソロモン諸島が1568年にスペイン人メンダナによって発見されたように、商人武人と問わず日本人もまた海外に雄飛していた時代でもある。それは納屋(呂宋)助左衛門や、シャム国(タイ王国の旧称)の首都・アユタヤの日本人町の頭領となり、後に同国の重臣となった山田長政からも明らかとなる。
 だとするならば、東南アジアから更に波濤の彼方を目指した日本人がいたとしても、フィクションとしては然程荒唐無稽ではないのだろうか(事実、山田長政はジャワ島にまで貿易の手を伸ばしている)。この日本人らによって初めて文字を伝えられたなら、オーブの公用語が日本語であったとしてもけっして可笑しくはないと思う。
 その後、月日は流れ大日本帝国の南方政策によって英国の植民地支配から脱したオーブはその後の日本の敗戦によって正式に独立し、日本の占有時代に投資された日本人企業や工業等諸施設(※)を事実上移譲されたこともあり、オセアニアでも有数の工業国として発展し、現在に至るのである。
 C.E.73年のオーブにおいて、名前も髪の色も様々な人々が混在しているのは土着の人々と、日系人、英国統治下時代のヨーロッパ系とこの国が至った、決して平坦ではない歴史の現れとも言えるだろう。
 また、だからこそ、近代オーブは「他国を侵略しない 他国に侵略されない 他国の争いに介入しない」という国是を貫いて来たとも言えるのではないだろうか。
※:日本の植民地時代に行われた、この他に類を見ないオーブへの資本注入と社会資本の整備の理由には日本語が通用し、また、その歴史故に親日的で日本軍の統治を受け入れたということが挙げられるだろう。言葉が通じると言う長所は内地の様々な会社の移転をも容易にし、こうしてオーブには他の南方の国々と比してより高度な産業が築かれていくこととなったのだ。
 そしてそれは時代の要請から軍需産業を中心としたものであり、C.E.のオーブが高性能かつ独自の兵力を有することとも無関係ではないのだろう。オーブが連合から恐れられる理由の一つであるのかもしれない。

・と、まあ、以上が僕の妄想する処の「オーブ連合首長国略史」です。この後、オーブは国際社会が再分割に向かった流れの中で中立を宣言し、あの戦争を迎えたのではないか、という感じです。
 穴も色々あるでしょうし、その考証遊び(辻褄合わせ、とも言う)のやり方や方法論に不満のある方も多いと思います。が、これはあくまでもお遊びですので、そこの所を一つ宜しくお願い致します。

追記:モルゲンレーテ(morgenrote)とはドイツ語で「朝焼け」を意味するのだそうで。この辺りも日本と引っかけたネーミングなのかな、と。上記の妄想の枠組みでこれを考えるなら、日本の統治下において、ドイツからの技術供与と資金援助を得た国策会社として設立されたが故に、ドイツ語の社名になった‐という感じですかね。

追記の2:アスラン(Athrun)はヘブライ語で「暁」を意味するのだそうです。ちなみに、Aslanと綴るとトルコ語で「獅子」を意味する言葉になります。ダブルミーニングとすると面白いのですが、今の彼は名前負けしちゃってるなあ、とも思います。
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by shunichiro0083 | 2005-02-02 14:35 | 設定


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