2004年 11月 25日

ドラグーンについて

・このドラグーンというのは勿論、プロヴィデンスやドレッドノートに搭載されている無線誘導兵器のこと。Nジャマーの副作用によって電波が阻害される「種」の世界においては、とりあえず唯一無線で精密誘導されるものである。
 まあ、有り体に言ってしまえば「ビット」やら「ファンネル」の類な訳だが、「種」の世界ではニュータイプはいないということになっているので、結果としてもっとヘンチクリンな設定を導入せざるを得なくなってしまうのであった。

・では何故、深刻かつ強力な電波妨害が通常となった戦場でそのような遠隔精密誘導が可能になったのか?
 これを説明する前に少しこの「種」世界の一般的な技術についておさらいしておく必要があるだろう。この世界におけるコンピューターが量子式であることをご存知の方も多いと思う。量子式というのは簡単に言えば、これまでは電子という「粒」で構築されていたコンピューターが、そうではなく量子と言う「波」を用いたものに変わっていると思えば良い(らしい)。
 まあ、「種」の世界ではこれに使われているのが生体型という、些か気味の悪い外観をしているかもしれないものであるのだが、これはあんまり関係ない。が、「アストレイ」でジョージ・グレンの脳が十数年間保存され、完璧な状態を保持していたことの裏付けにはなるのかもしれない。
 この量子コンピューターを作るのに必須の学問が量子力学であり、これが情報理論と結びつくと一応、公式にはこれでドラグーンが操縦されていると言う量子通信となる。この量子通信は高速かつ一度に大量の情報を精確で安全に送れるというもので、現実に開発が続けられている。
 ただし、だからと言って電波阻害に左右されないというのもおかしい。あくまで量子通信の媒体は既存の通信手段に拠る。別に量子通信が「波」としての性質を用いるから、「粒」である電磁波を阻害するNジャマーからの干渉を受けない、というのは間尺が合わないのである。
 尤も、特殊設定の森田くんの中では量子というものが原子や分子のように、巨視的な一般名詞ではなく、電子や陽子といった固有名詞であると捉えられているらしい。ザフトでは量子に関する研究が進んでいて、量子センサーなるものも試験的に運用されているとかのたまわっていた(ちなみに、現実世界での量子センサーというのは量子の挙動を計測する機器のこと。決して、量子を用いて離れた所にある物体を探知するレーダーもどきではない。念の為)。

・別に僕がここでやりたいのは「特殊設定」という考証役の不備を論うのではなく、何てこんな粗の目立つ穴だらけの設定を盲目的に受け入れねばならないのか、ということである‐この場合の「穴」とは純然たる物理法則に対してではなく、作品世界の約束事を指す。
 別にNジャマーが嘘っぱちなのに、目くじらを立ててはいない。そんなことを言ったら、なんでMSが使用されるのか、という部分に行き着いてしまう。だから、作品世界を成立させる為の約束事にとやかく難癖を付けるつもりはない。だが、安易なご都合主義で何の伏線もなくこうした(作品世界における)超兵器を出すのは如何なものだろうか。
 まして、そこだけ取って付けたようにきちんとした考証のない「量子通信」という現実に存在する単語を持って来て済ますという、その態度は問題であろう。「種」の世界にはニュータイプはいない、ということになっているのなら尚更である。
 邪推をするなら、このNジャマー散布下における無線誘導の為のギミックが上手く思い付かなかったから、こうした既存の単語を持って来てお茶を濁したのではないかということになる。何故なら、この人の「種」に対する関わり方から推測するに、考え付いていれば公表していない訳がないからである。

・しかしまあ、個人攻撃をするつもりもないのでこれについてはこれくらい。
 最後に、個人的に考えたドラグーンシステムの根幹‐遠隔操作について書いて見たい。尤も、このアイデアは僕個人のものではない。以前、ネットで「ミラージュコロイド」について検索をかけていた時、たまたま目に入った記述
>(ミラージュコロイドの技術は)ドラグーンシステムの遠隔操作にも応用されている
要約するとこういう趣旨の文章から考えたものであることを明記しておく。
 つまるところ、僕の考えたドラグーンシステムの遠隔操作の肝もまた、ミラージュコロイドである(以下、ミラコロと略す)。ミラコロの実体はナノレベルのプリズムであり、当然光を反射する。プロヴィデンス本体から発振された通信用レーザーはミラコロによって形成された最適の“路”を通り、端末としてのドラグーンに指令を伝達するのだ。
 Nジャマーで満ちた戦場を高速で機動するドラグーンには、本来ならば本体からの命令を伝える術はない。しかしながら、常人には捉え切れぬ11のドラグーンのその全ての状態を立体的把握し、数瞬先の位置さえも精確に捕捉する空間把握能力者ならば、レーザー通信の軌跡を導いて己の意志を伝えることが出来るのである。
 もし、仮にその位置が敵機の向こう側であったとしても、光を屈折させるミラコロの機能がある限り、レーザーは屈曲して遮蔽物を避けて進むのだ。補足するなら、このレーザー通信は一度に大容量のデータを送ることが出来る量子通信である。また、ドラグーンに使用されるミラコロは一度に最大11の目標への“路”を作らねばならないという要求を満たした特殊な仕様となったことから、ステルス性能もビーム屈曲能力もなくなってしまった・・・と、まあこんな感じだろうか。

・最後の最後に、「種」世界の量子通信が実は「パイロット波」や「非局所性」を用いた画期的な超光速なものである、という設定が「種運」で公開される可能性もあることを書き記しておきます。
[PR]

by shunichiro0083 | 2004-11-25 23:18 | 設定


<< 「種運」のテーマとは?      PHASE ‐06 世界の終わる時 >>